名称:タングステン酸ナトリウム
CAS番号:13472-45-2
物質ID: | H27-A-049/C-125A_P |
分類実施者: | 厚生労働省/環境省 |
分類実施年度: | 平成27年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性 (GESTIS (Access on September 2015)) である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性 (GESTIS (Access on September 2015)) である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性 (GESTIS (Access on September 2015)) である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水溶解度が測定されており、水と激しく反応しないと推定される。 水溶解度:730 g/L (20℃) (GESTIS (Access on September 2015)) |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P362+P364: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値として、1,190 mg/kg との報告 (DFGOT vol.23 (2007)、ATSDR (2005)) に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない。 | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。なお、労働者853人に対するパッチテストにおいて、本物質 (5〜20%) を適用した結果、2%の被験者に膿疱性の刺激反応がみられたとの報告がある (DFGOT vol. 23 (2007)) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験において、本物質100 mgを適用した結果、軽度の結膜刺激がみられたとの報告がある (ATSDR (2005)、PATTY (6th, 2012))。以上から、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。なお、労働者853人に対するパッチテストにおいて、本物質 (5〜20%) を適用した結果、感作性は認められなかったとの報告 (DFG vol. 23 (2007)) や、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験において20匹中3匹に感作性が認められたとの報告がある (DFGOT vol. 23 (2007))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | 本物質ではなく本物質のニ水和物のデータであるが、in vivoでは、ラット、マウスの赤血球を用いた小核試験でいずれも陰性 (ATSDR Addendum (2015))、マウスの骨髄細胞を用いたコメットアッセイでは陽性である (ATSDR Addendum (2015))。In vitroでは、本物質のニ水和物で細菌の復帰突然変異試験で陰性、本物質のヒトリンパ球を用いた染色体異常試験で陽性、陰性のデータ、姉妹染色分体交換試験で陰性、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験では陰性である (ATSDR (2005)、ATSDR Addendum (2015))。以上より、ガイダンスに従い、分類できないとした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | ヒトの発がん性に関する情報はない。実験動物では本物質をラット、又はマウスにタングステンとして5 ppmの濃度の飲水を540日間投与した試験で、腫瘍発生率の増加はみられなかった (DFGOT vol. 23 (2007)) との記述がある一方で、タングステン150 ppmを含むタングステン化合物 (非特定) を雌ラットに14日間投与後、N-メチルニトロソウレア (NMU) 50 mg を静脈内注射した試験では、タングステン投与群でNMU注射125日後に乳がん発生率の増加、及び乳がん発生時期の短縮が認められた (DFGOT vol. 23 (2007)、ATSDR (2005)) との記述がある。以上の試験結果からは本物質の発がん性に関して結論は導けず、また国際機関による分類結果もない。したがって、本項はデ-タ不足のため分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ヒトの生殖影響に関する情報はない。実験動物では雄ラットに本物質を50 mg/kg/dayで55日間強制経口投与後に無処置雌ラットと交配させた試験では、生殖能、性ホルモン、生殖器重量への影響はみられなかった (ATSDR Addendum (2015))。しかし、雄ラットに本物質を275 mg/kg/day相当量で3ヶ月間混餌投与後に無処置雌ラットと交配させた試験では、精巣ライデッヒ細胞の密度及び機能の増加、血清テストステロン、LH及びFSHレベルの増加がみられた (ATSDR Addendum (2015)) との記述がある。一方、雌ラットに本物質を275 mg/kg/day相当量で3ヶ月間混餌投与後に無処置雄ラットと交配させた試験でも、血清FSHレベルの増加、及び同プロジェステロンレベルの減少がみられた (ATSDR Addendum (2015)) との記述がある。また、雌雄ラットに本物質を交配前70日間、及び交配、妊娠を経て、哺育20日まで強制経口投与した結果、高用量の125 mg/kg/dayでは妊娠期間の延長がみられたのに対し、マウスを用いた同様の試験では、生殖能及び性機能への影響はみられていない (ATSDR Addendum (2015))。この他、雌ラットにタングステン化合物 (非特定) を妊娠前及び妊娠期間を含め、最長8ヶ月間混餌投与し、妊娠20日に帝王切開して胎児を観察した試験で、胎児毒性、及び骨化遅延がみられたとの報告があるが、記述が不十分で詳細不明であるとされている (ATSDR (2005)、DFGOT vol. 23 (2007))。 以上、ラットに本物質を経口経路で投与した生殖影響評価試験において、雌雄とも性ホルモンレベルに変動を生じたものの、性機能に特段の変化はみられず、生殖能への有害影響も示されていない。しかしながら、妊娠動物を用いた発生影響について、評価に十分な試験成績がない。よって、本項はデータ不足のため分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 本物質のヒトのデータはない。実験動物では、モルモットの経口投与で食欲不振、協調運動失調、呼吸困難の記載がある (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 23 (2007)) が、用量等の詳細が不明なため区分を付けられない。 以上より、データ不足のため分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | 適切なデータが得られておらず分類できない |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
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