名称:N,N'-ジアセチルベンジジン
CAS番号:613-35-4
物質ID: | H27-B-054/C-090B_P |
分類実施者: | 厚生労働省/環境省 |
分類実施年度: | 平成27年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性結果がある (HSDB (Access on August 2015))。なお、In vivoでは、腹腔内投与によるラットの肝臓を用いたDNA結合試験で弱いDNA結合性が見られたとの報告がある (HSDB (Access on August 2015))。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質はベンジジンの一代謝物であり、ラットに腹腔内投与 (10、30 μmol/kg (2.7、8.0 mg/kg 相当)、2回/週、4週間) した試験で、親化合物のベンジジンと同様に、乳腺及びジンバル腺の腫瘍頻度の増加が報告されている (IARC vol. 29 (1982)、IARC 16 (1978)、Supl. 7 (1987))。国際機関による既存発がん分類結果としては、IARCが「2B」に (IARC 16 (1978)、Supl. 7 (1987))、日本産業衛生学会が「2B」に (許容濃度の勧告 (2014))、EUが「Carc. 1B」に (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))、それぞれ分類している。ヒトでの疫学情報はなく、EUの分類根拠も不明な状況であり、EU以外の分類結果を基に本項は区分2とした。なお、親化合物のベンジジンはヒトで発がん性が明らかな物質 (IARC Group 1) に属する。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 なお、旧分類で記載されたデータは反復投与のため採用しなかった。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2 (腎臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの情報はない。実験動物ではラット (Holtzman 系) に本物質を429 mg/kg飼料 (429 ppm) で8ヶ月間混餌投与した結果、雌雄とも10例中8例が糸球体腎炎により死亡した (IARC 16 (1978)、HSDB (Access on September 2015)) との記述、並びにラット (Buffalo 系) に本物質を2,500 mg/kg飼料 (2,500 ppm) で2〜4.5ヶ月間混餌投与した結果、高脂血症及び間質に脂肪沈着を伴った腎糸球体傷害がみられた (IARC 16 (1978)、HSDB (Access on September 2015)) との記述がある。また、投与期間の記載はないが、慢性糸球体腎炎の発症がSD系ラットに430 mg/kg飼料 (430 ppm) で混餌投与した試験でも認められ、傷害の発生は雄より雌の方が早期に生じた (IARC 16 (1978)、HSDB (Access on September 2015)) との記述もある。以上、異なる系統のラットで腎糸球体に組織傷害がみられていることから、本物質の標的臓器は腎臓と考えられた。用量換算のため、ラットの体重を0.4 kg、飼料摂取量を20 g/rat/dayと仮定し、投与量を推算すると1つ目の試験では約 21.5 mg/kg bw/day、2つ目では125 mg/kg bw./day (ガイダンス値換算: 83.3〜125 mg/kg/day) となり、概ね区分2のガイダンス値範囲内に該当する。よって、本項は区分2 (腎臓) とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
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