GHS分類結果

名称:エチル-セカンダリ-ペンチルケトン
CAS番号:541-85-5

結果:
物質ID: H27-B-042/C-078B_P
分類実施者: 厚生労働省/環境省
分類実施年度: 平成27年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点46℃ (closed cup) (GESTIS (Access on July 2015)) に基づいて区分3とした。 なお、UNRTDG分類はUN.2271、クラス 3、PGVである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットのLD50値として、3,500 mg/kgとの報告 (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、ウサギのLD50値として、> 16,000 mg/kgとの報告 (GESTIS (Access on August 2015)、RTECS (Access on August 2015)) がある。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - ラットへの4時間ばく露試験の結果、3,000 ppm (15.72 mg/L) では死亡例がなく、3,484 ppm (18.26 mg/L) において死亡例がみられ、5,888 ppm (30.9 mg/L) で4/6例死亡との報告 (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)) 及びラットへの35℃で6,000 ppm 8時間ばく露試験 (4時間換算値:12,000 ppm (62.9 mg/L)) の結果、4/6例死亡との報告 (ACGIH (7th, 2001)) がある。ガイダンスに従い、4時間試験の結果を優先的に採用して、区分外とした。なお、試験濃度が飽和蒸気圧濃度(2,631 ppm) より高いため、ミストの基準値を適用した。新たに入手した情報 (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)) の情報を追加し、区分を見直した。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、本物質は軽度の皮膚刺激性をもつとの記載がある (PATTY (6th, 2012)) が、区分外 (国連分類基準の区分3) とするにはデータ不足と判断した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱い後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ラット及びマウスに本物質の蒸気を4時間ばく露した結果、眼刺激性がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。また、ヒトにおいて、液体状の本物質が眼に接触した結果、一時的な角膜損傷がみられたとの報告や (ACGIH (7th, 2001))、本物質のばく露により眼刺激性がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on August 2015))。以上より、区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性、麻酔作用) 警告 H336: 眠気又はめまいのおそれ(気道刺激性、麻酔作用)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性、麻酔作用)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質はヒト、実験動物 (ラット、マウス) において気道刺激性の報告がある (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。また、ヒトの吸入ばく露で頭痛、悪心 (ACGIH (7th, 2001))、ラットの6,000 ppm (31.5 mg/L) (区分2超の用量) 吸入ばく露で、運動失調、活動性低下、昏睡が見られたが回復したとの報告がある(ACGIH (7th, 2001))。 以上より、本物質は気道刺激性、麻酔作用があり、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。 なお、ラットを用いた13週間反復毒性試験 (投与経路不明) において、410 mg/kg/day (90日間換算:296 mg/kg/day) で活動性低下、体重増加抑制、γジケトンニューロパチーがみられたとの報告があるが、区分2の範囲外であった (PATTY (6th, 2012))。なお、このデータはアブストラクトであり信頼性に乏しいと考えられる。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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