名称:ビス(2-クロロエトキシ)メタン
CAS番号:111-91-1
物質ID: | H27-A-034/C-064A_P |
分類実施者: | 厚生労働省/環境省 |
分類実施年度: | 平成27年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点が103℃ (closed cup) (GESTIS (Access on July 2015)) である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が395℃ (GESTIS (Access on July 2015)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素を含まず、酸素及び塩素を含む有機化合物であるが、この酸素及び塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P361+P364: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値として、65 mg/kg (NTP TR536 (2011)) に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分2 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P364: そして再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットのLD50値として、170 mg/kg (NTP TR536 (2011)) に基づき、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 【換気が不十分な場合】呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLCLo値 (4時間) として、62 ppmとの報告 (環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008))、ラットに対する4時間吸入試験の結果、60 ppmで死亡例なし、120 ppmで全例死亡との報告 (NTP TR536 (2011)) からLC50値 (4時間) は60〜120 ppmの範囲内であり、区分1又は区分2と推定される。62 ppmにおいて死亡例がみられたことから、安全サイドの区分を採用し、区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P362+P364: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 |
具体的な情報はないが、本物質は皮膚に対して刺激性を有するとの記載 (環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、HSDB (Access on July 2015)) があることから区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
本物質は眼に対して刺激性を有する (環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、HSDB (Access on July 2015)) との記載がある。また、ウサギの結膜嚢に本物質の原液0.5 mLを適用した結果、刺激性はみられなかったとの報告がある (NTP TR (2011)) 。以上より、安全側の情報を採用し区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | ガイダンスに従い、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、強制経口投与によるラット骨髄細胞の小核試験、経皮適用によるマウス末梢血赤血球の小核試験で陰性 (NTP TR536 (2011)) の報告があるが、細菌の復帰突然変異試験で陽性である (NTP TR536 (2011))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | ラット、又はマウスにエタノールに溶解した本物質を2年間 (5日/週) 経皮適用した発がん性試験において、ラットでは雄で前胃に炎症、潰瘍、肝臓に変性、雌で死亡例などが発現する用量まで、マウスでは雄で死亡例、前胃に潰瘍、適用部位に表皮の過形成、雌雄に心筋の変性、壊死、線維化などが発現する用量まで投与されたが、腫瘍発生の増加はみられず、本試験条件下ではラット、マウスの雌雄いずれも発がん性の証拠はないとされた (NTP TR536 (2011))。従って、経皮経路では区分外相当と考えられるが、他経路での発がん性及びヒトでの疫学研究の情報を欠いている。 国際機関による分類では米国EPAがD (not classifiable as to human carcinogenicity) と分類した実績 (IRIS Summary (Access on July 2015)) のみである。以上より、分類ガイダンスに従い、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2 (心臓、呼吸器) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(心臓、呼吸器) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトに関する情報はない。 実験動物では、ラットを用いた14週間 (70日間) 経皮投与毒性試験において、区分2の範囲である200 mg/kg/day (90日換算:156 mg/kg/day) で心臓の筋線維細胞の空胞化及び間質の単核細胞浸潤、心臓の筋線維壊死がみられている (NTP TR536 (2011))。また、ラットを用いた105週間経皮投与毒性試験において、区分2の範囲である150 mg/kg/dayで嗅上皮の変性、前胃の炎症がみられている (NTP TR536 (2011))。 以上のように、心臓、呼吸器、消化管に影響がみられたが、前胃はヒトにはないため標的臓器に含めなかった。 したがって、区分2 (心臓、呼吸器) とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 甲殻類(オオミジンコ)48時間LC50 = 201 mg/L(HSDB, 2003、AQUIRE, 2016)、魚類(ファットヘッドミノー)96時間LC50 = 184 mg/L(HSDB, 2003、AQUIRE, 2016)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。難水溶性ではなく(水溶解度=7800 mg/L、PHYSPROP Database, 2009)、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
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