名称:4-メチルイミダゾール
CAS番号:822-36-6
物質ID: | H27-A-032/C-062A_P |
分類実施者: | 厚生労働省/環境省 |
分類実施年度: | 平成27年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が555℃ (HSDB (Access on July 2015) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P361+P364: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値として、173 mg/kg (NTP TR535 (2007)) に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P362+P364: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 |
ウサギを用いたドレイズ試験において、皮膚に熱傷がみられたとの報告があるが回復性についての記載はない (HSDB (Access on July 2015))。また、本物質は皮膚に対して刺激性を有するとの記載がある (HSDB (Access on July 2015))。以上の結果から区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いたドレイズ試験において、眼に刺激性がみられたとの報告があるが回復性についての記載はない (HSDB (Access on July 2015))。また、本物質は眼に対して刺激性を有するとの記載がある (HSDB (Access on July 2015))。以上の結果から区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、ラット及びマウスの骨髄細胞を用いた腹腔内投与による小核試験、マウスの末梢血赤血球を用いた混餌投与による小核試験でいずれも陰性である (IARC 101 (2012)、NTP TOX067 (2004))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (IARC 101 (2012)、NTP TOX067 (2004))。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトでの発がん性に関する情報はない。実験動物ではラット、マウスを用いた経口経路 (混餌) での2年間発がん性試験において、マウスでは雌で312 ppm (約40 mg/kg/day) 以上で肺胞/細気管支腺腫、625 ppm (約80 mg/kg/day) 以上で肺胞/細気管支腺腫とがんの合計、雄では1,250 ppm (約170 mg/kg/day) で肺胞/細気管支がん、及び腺腫とがんの合計の各発生頻度の増加が、ラットでは雌で5,000 ppm (約260 mg/kg/day) で、単核球性白血病の頻度増加が認められた (NTP TR535 (2007)、 IARC 101 (2012)) ことから、IARC は実験動物では発がん性の十分な証拠があるとして、グループ2Bに分類した (IARC 101 (2012))。他の国際機関による分類結果はない。よって、本項は分類ガイダンスに従い「区分2」とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットに本物質を14週間混餌投与した結果、雄では用量依存的な精巣精細管の変性、前立腺の萎縮、精巣上体内精子の運動性低下がみられ、NTPは用量依存的な精巣の変性を根拠として、本物質は雄ラットに対して生殖毒性物質 (原文中記載: Reprotoxicant) であると結論している (NTP TR535 (2007))。また、雄ラットに本物質を50〜100 mg/kgで皮下注射後、LHの分泌低下が生じ、投与2時間後に血清及び精巣間質液中のテストステロン濃度の減少、並びに精巣間質液の産生量の減少がみられたことから、本物質はテストステロン産生及び精巣間質液産生を抑制することにより雄の生殖機能を低下させること、さらに以上の作用機序として本物質が下垂体LH分泌をかく乱することを介した機序が想定されるとの記述がある (NTP TR535 (2007))。 以上より、本物質は雄ラットに対し”特定標的臓器毒性 (反復暴露) において区分2を超える用量で”精巣毒性を示すが、非ばく露、又はばく露した雌との交配試験報告がなく、生殖能への影響について不明なため、データ不足のため分類できない。 なお、NTPは雌雄ラットの生殖能を検討するため、ラットを用いた連続交配試験を実施し完了したことを発表している (NTP Testing status (Access on July 2015)) が、2015年9月現在、データは公開されていない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3 (気道刺激性) | 警告 | H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質は吸入により気道及び粘膜の組織に重篤な傷害を与えるとの情報 (HSDB (Access on July 2015)) から、区分3 (気道刺激性) とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2 (肝臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトに関する情報はない。 実験動物では、ラットを用いた2年間混餌投与毒性試験 (混餌) において、区分2の範囲内である1,250 ppm (雄:55 mg/kg/day、雌:60 mg/kg/day) で肝臓の組織球症・慢性炎症・限局性肝細胞脂肪化がみられている (NTP TR535 (2007))。 したがって、区分2 (肝臓) とした。 なお、ラットを用いた14週間混餌投与毒性試験 (混餌) において、血液系、神経系、肝臓、精巣、前立腺への影響がみられ(NTP TOX067 (2004))、マウスを用いた2年間反復経口投与毒性試験 (混餌) において、肺への影響 (肺胞上皮過形成) がみられている (NTP TR535 (2007))。しかし、これらは区分2を超える範囲であった。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | デ-タ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | 適切なデータが得られておらず分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |