GHS分類結果

名称:ホウ酸アンモニウム
CAS番号:12007-89-5

結果:
物質ID: H27-A-023/C-053A_P
分類実施者: 厚生労働省/環境省
分類実施年度: 平成27年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性である (HSDB (Access on June2015))。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性である (HSDB (Access on June2015))。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性である (HSDB (Access on June2015))。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水溶解度が測定されており、水と激しく反応しないと推定される。水溶解度:7.07g/100 mL (HSDB (Access on July 2015))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P362+P364: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
P264: 取扱い後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
具体的な情報ではないが、本物質は皮膚に刺激性を示すとの記載 (HSDB (Access on July 2015)) から区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱い後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
具体的な情報ではないが、本物質は眼に刺激性を示すとの記載 (HSDB (Access on July 2015)) から区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - 国際機関による分類結果もなく、データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分1B 危険 H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質自体のデータはないが、本物質は水溶性のため、ホウ酸 (CAS: 10043-35-3) と同等の毒性を示すと考えられるため、ホウ酸の分類結果を適用する。すなわち、ホウ酸の生殖毒性影響に関しては、ラット及びマウスを用いた生殖毒性試験で生殖能低下が、また、ラット及びウサギを用いた発生毒性試験で、胎児毒性、奇形誘発 (頭部、顔面、脳、心血管系) がみられており、区分1Bに分類されている (平成25年度GHS分類結果 (NITE総合検索 (Access on July 2015)))。よって、本項は区分1Bとする。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、消化管)、区分3 (気道刺激性) 危険
警告
H370: 臓器の障害(中枢神経系、消化管)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P308+P311: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱い後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質自体のデータはないが、本物質は水溶性のため、ホウ酸 (CAS: 10043-35-3) と同等の毒性を示すと考えられるため、ホウ酸の分類結果を適用する。ホウ酸は、ヒトにおいて、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、中枢神経系の抑制、痙攣、呼吸息刺激の記述 (ACGIH (7th, 2005)、DFGOT vol.5 (1993)) があり、また、実験動物については、わずかな気道刺激性がみられた (ECETOC TR63 (1995))。以上より、区分1 (中枢神経系、消化管)、区分3 (気道刺激性) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - 本物質自体のデータはないが、本物質は水溶性のため、ホウ酸 (CAS: 10043-35-3) と同等の毒性を示すと考えられるため、ホウ酸の分類結果を適用する。すなわち、ホウ酸については、ヒトでの反復ばく露影響に関する報告はない。実験動物ではマウス及びラットに13週間又は2年間混餌投与した試験において、区分2のガイダンス値範囲を上回る用量 (150 mg/kg/day 相当以上) で、精巣 (萎縮、精細管萎縮)、脾臓 (髄外造血亢進)、血液系 (ヘモグロビン、へマトクリットの減少) への影響がみられた (NITE初期リスク評価書 (2008)) との記述より、経口経路では区分外相当であるが、他の経路による毒性情報がなく、データ不足のため分類できないとされている (平成25年度GHS分類結果 (NITE総合検索 (Access on July 2015)))。したがって分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)


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