GHS分類結果

名称:ホウ酸亜鉛
CAS番号:1332-07-6

結果:
物質ID: H27-A-022/C-052A_P
分類実施者: 厚生労働省/環境省
分類実施年度: 平成27年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性である (HSDB Access on July 2015)。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性である (HSDB Access on July 2015)。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性である (HSDB Access on July 2015)。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水溶解度が測定されており、水と激しく反応しないと推定される。水溶解度:3.0g/L (HSDB (Access on July 2015))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットのLD50 (雄) 値として、> 10 g/kg (HSDB (Access on July 2015)) に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギのLD50値 (雄、雌) として、> 10 g/kg (HSDB (Access on July 2015)) に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた皮膚刺激性試験で一次刺激指数 (PII) は0であり、刺激性はないとの報告や (HSDB (Access on July 2015)、EPA Pesticide Fact Sheet (1991))、モルモットを用いた皮膚刺激性試験において軽度の紅斑がみられたのみであったとの報告から (EPA Science review (1990))、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱い後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
本物質はウサギの眼に対して軽度の結膜炎を伴う刺激性を示したとの報告 (HSDB (Access on July 2015)) や、本物質は眼に刺激性を持つとの記載 (HSDB (Access on July 2015)) から区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いた皮膚感作性試験において、本物質による感作性はみられなかったとの報告があるが (HSDB (Access on July 2015)、EPA Science review (1990))、試験法等の詳細が不明であるため分類に用いるには不十分なデータとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは細菌の復帰突然変異試験で陰性である (HSDB (Access on July 2015)、EPA Pesticide Fact Sheet (1991))。
6 発がん性 分類できない - - - - 国際機関による分類結果もなく、データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、ホウ酸 (CAS: 10043-35-3) に関しては、ラット及びマウスを用いた生殖毒性試験で生殖能低下が、また、ラット及びウサギを用いた発生毒性試験で、胎児毒性、奇形誘発 (頭部、顔面、脳、心血管系) がみられており、区分1Bに分類されている (平成25年度GHS分類結果 (NITE総合検索 (Access on July 2015)))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - 本物質については分類に利用可能なデータはなく、データ不足のため分類できない。なお、ホウ酸は、ヒトにおいて、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、中枢神経系の抑制、痙攣、呼吸息刺激の記述 (ACGIH (7th, 2005)、DFGOT vol.5 (1993)) があり、また、実験動物については、わずかな気道刺激性がみられている (ECETOC TR63 (1995))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、ホウ酸 (CAS: 10043-35-3) に関しては、ヒトでの反復ばく露影響に関する報告はない。実験動物ではマウス及びラットに13週間又は2年間混餌投与した試験において、区分2のガイダンス値範囲を上回る用量 (150 mg/kg/day 相当以上) で、精巣 (萎縮、精細管萎縮)、脾臓 (髄外造血亢進)、血液系 (ヘモグロビン、へマトクリット値の減少) への影響が見られた (NITE初期リスク評価書 82008)) との記述より、経口経路では区分外相当であるが、他の経路による毒性情報がなく、データ不足のため分類できないとされている (平成25年度GHS分類結果 (NITE総合検索 (Access on July 2015)))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - 適切なデータが得られておらず分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - 適切なデータが得られておらず分類できない。
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)


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