GHS分類結果

名称:3-ブロモ-1-プロペン
CAS番号:106-95-6

結果:
物質ID: H27-B-002/C-023B_P
分類実施者: 厚生労働省/環境省
分類実施年度: 平成27年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分2 危険 H225: 引火性の高い液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点-1℃ (closed cup)、沸点71℃ (NFPA (13th,2002)) に基づいて区分2とした。 なお、UNRTDG分類はUN.1099、クラス3、副次危険6.1、PGIである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 タイプG - - - - 化学構造に不飽和結合 (オレフィン) を含むが、UNRTDG分類はUN.1099、クラス3、副次危険6.1に分類しているので、上位の自己反応性化学品には該当しない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない (発火点295℃ (HSDB (Access on June 2015))。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P361+P364: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
P264: 取扱い後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットのLD50値として、120 mg/kg (NTP (2008)) に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3 危険 H331: 吸入すると有毒 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P311: 医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットのLC50値 (30分) として、10,000 mg/m3 (2,020 ppm) (4時間換算値:714 ppm) との報告 (ACGIH (2012)) に基づき、区分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (187,000 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱い後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスを用いた皮膚刺激性試験において、本物質 (99%) 0.5 mLを3分間又は4時間適用した結果、3分間適用後に紅斑及び浮腫がみられ、紅斑は観察期間中 (7日間) に回復がみられなかった。4時間適用群では紅斑及び浮腫がみられ観察期間中に回復性はみられず、そのうち1匹は組織の崩壊がみられたことから屠殺した (ECETOC TR66 (1995))。また、本物質は皮膚に対して重度の刺激性を持つとの記載がある (HSDB (Access on June 2015))。以上の結果から区分1と判断した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
本物質は眼に対して重度の刺激性を持つとの記載がある (HSDB (Access on June 2015))。また、本物質は皮膚刺激性/腐食性の分類で区分1に分類されている。以上の結果から区分1と判断した。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、4種類のマウスの経口投与による末梢血を用いた小核試験でいずれも陰性の報告がある(NTP (2008)、ACGIH (7th, 2012))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性である(NTP (2008)、ACGIH (7th, 2012))。以上より、細菌の復帰突然変異試験で陽性であるが、本知見のみで区分2の根拠とはならないと判断した。
6 発がん性 分類できない - - - - ヒトの発がん性に関する情報はない。実験動物では、遺伝子改変マウス2種 (Tg. ACマウス (v-Ha-ras遺伝子導入マウス)、及びp53遺伝子欠損マウス) を用いた40週間強制経口投与による発がん性試験において、Tg. ACマウスを用いた評価系では、雌マウスに主に外陰部の皮下及び皮内に腫瘤形成がみられ、病理組織学的に扁平上皮乳頭腫の発生率の軽度増加がみられたが、同系の雄マウス、及びp53遺伝子欠損マウスでは雌雄ともに発がん性の証拠は示されなかった (NTP (2008)、ACGIH (7th, 2012))。以上より、ACGIHはA4に分類しており (ACGIH (7th, 2012))、本評価もACGIHの分類結果を支持し、「分類できない」とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、雄ラットに最大60 mg/kg/dayを2週間強制経口投与したが、精巣など生殖器官に毒性所見はみられなかったとの記述がある (ACGIH (7th, 2012)、HSDB (Access on June 2015))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質はヒトに気道刺激性がある (ACGIH (7th, 2012)、HSDB (Access on June 2015)) との記載から、区分3(気道刺激性) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。 ラットを用いた14日間強制経口投与毒性試験において、胃の炎症がみられている (ACGIH (7th, 2012))。マウスを用いた14日間強制経口投与毒性試験において、前胃の粘膜上皮の限局性変性・限局性過形成がみられている (NTP (2008))。これらは刺激性による所見と考えられるため分類には用いなかった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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