GHS分類結果

名称:3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキセン
CAS番号:19430-93-4

結果:
物質ID: H27-A-010/C-010A_P
分類実施者: 厚生労働省/環境省
分類実施年度: 平成27年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分2 危険 H225: 引火性の高い液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点-17℃ (closed cup)、沸点58℃ (ICSC (2008)) に基づいて区分2とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 自己反応性に関連する原子団 (エチレン基) を含むが、試験データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 塩素及び酸素を含まず、フッ素を含む有機化合物であるが、このフッ素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットの致死量として> 25 g/kg との報告 (ACGIH (7th, 2004)) に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、ばく露時間は不明であるが、マウスに7,196 ppmを吸入させた場合、毒性影響がみられなかったとの報告 (ACGIH (7th, 2004)) がある。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、ウサギを用いた本物質原液の皮膚刺激性試験で刺激性なし (ACGIH (7th, 2004)) との情報があるが、他には情報が得られなかったためデータ不足のため分類できないとした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱い後は...よく洗うこと。
具体的な記載はないが、ウサギに本物質を適用した眼刺激性試験で軽度の刺激がみられたが、2日以内に回復した (ACGIH (7th, 2004)) との記載から区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験 (OECD TG 406) において、感作性はみられなかったとの報告がある (ACGIH (7th, 2004)) が、試験条件等について詳細不明である。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - 分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性と報告されている (ACGIH (7th, 2004))。さらに、in vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験、hprt遺伝子突然変異試験のいずれも陰性である (ACGIH (7th, 2004))。
6 発がん性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、妊娠ラットに本物質を吸入ばく露した試験で、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量低下) が発現する用量においても、催奇形性はみられないとの記述 (ACGIH (7th, 2004)、HSDB (Access on June 2015)) がある。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ヒトに関する情報はない。 実験動物では、ラットを用いた2週間吸入毒性試験、28日間吸入毒性試験のデータがあるが、吸入経路において区分2までのガイダンス値範囲の用量で毒性所見はみられなかった。なお、肝臓への影響 (肝細胞の空胞化、部分トロンボプラスチン時間の短縮) が認められたが区分2の範囲外であった (ACGIH (7th, 2004))。 他の経路及びヒトでの有害性知見がなく、データ不足のため「分類できない」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)


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