名称:2,4−キシレノール
CAS番号:105-67-9
物質ID: | H27-B-03-METI/M-024B_P |
分類実施者: | 経済産業省/環境省 |
分類実施年度: | 平成27年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 可燃性を有するが、データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団及び自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が599℃ (ICSC (2003)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が55℃以下の固体ではあるが、データがなく分類できない。なお、アルミニウム、銅及び銅合金は腐食作用を受け、鋼、ステンレス鋼、ガラス、セラミック及び多くの合成物質は耐久性があるとの情報 (Hommel (1997)) がある。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値として、3,200 mg/kgとの報告 (環境省リスク評価第5巻 (2006)) に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぐこと。 P364: そして再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値として、1,040 mg/kgとの報告 (環境省リスク評価第5巻 (2006)) に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。なお、ばく露時間が不明であるが、ラットのLC値として、> 30 mg/m3との報告 (環境省リスク評価第5巻 (2006)) がある。GHSの定義における固体であるが、飽和蒸気圧濃度 (0.64 mg/L) よりも毒性値が小さいので蒸気とみなした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、本物質の適用により腐食性がみられたとの報告 (EPA Pestiside RED (1994)) や、本物質は皮膚に対して腐食性を示す (環境省リスク評価第5巻 (2006)、EPA Pesticide Fact Sheet (1994)) との記載が複数あることから区分1とした。なお、本物質はEU CLP分類において「Skin. Corr. 1B H314」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on October 2015))。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
本物質は眼に対して腐食性を示す (環境省リスク評価第5巻 (2006)) との記載がある。また、本物質は皮膚腐食性/刺激性の分類で区分1に分類されている。以上から区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いた皮膚感作性試験において、本物質を含む最終用途製品は皮膚感作性を生じるとの報告がある (EPA Pesticide Fact Sheet (1994)) が詳細不明であるため分類できないとした。旧分類の記載はList3の情報であり、詳細不明のため分類に用いなかった。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | In vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で弱い陽性 (ネズミチフス菌TA100) 及び陰性の結果、ヒトリンパ球の姉妹染色分体交換試験で陰性である (環境省リスク評価第5巻 (2006)、NTP DB (Access on November 2015)、HSDB (Access on October 2015))。したがって、ガイダンスに従い分類できないとした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | ヒトでの発がん性に関する情報はない。実験動物では、本物質をベンゼン溶液として、雌マウスの背部皮膚に10%又は20%の濃度で25 μL反復適用 (2回/週) した試験において、10%溶液塗布群では20週間後に適用部位に乳頭腫、28週間後に同がんの発生がみられ、20%溶液塗布群では10%群と比べ腫瘍発生率は増加し、用量依存性がみられた (環境省リスク評価第5巻 (2006)、HSDB (Access on November 2015))。また、イニシエーターのDMBA (9,10-ジメチル-1,2-ベンズアン卜ラセン) のベンゼン溶液を背部皮膚に塗布後、本物質をベンゼン溶液中20%の濃度で25 μL、同様に反復経皮適用 (2回/週) した試験において、DMBAとの併用群では15週間投与後、適用部位に乳頭腫が50%、がんが11%に発生し、23週間投与後にはがんの発生頻度は18%となった。一方、DMBA塗布のみの対照群では15週間後に乳頭腫が13%、がんは0%の発生頻度で、53週間後にがん発生頻度は6%となった。また、DMBA塗布後ベンゼンのみを反復適用した群では24週間後に乳頭腫が11%にみられた (環境省リスク評価第5巻 (2006)、HSDB (Access on November 2015))。以上の結果に対し、環境省リスク評価では、本物質はプロモーター作用を有するとの原著者による示唆に対し、溶媒に用いたベンゼン自体に発がん作用があるため、プロモーター作用の評価は困難であると記述されている (環境省リスク評価第5巻 (2006))。この他、発がん性の分類に利用可能な動物実験データはない。また、国際機関による発がん性分類もなされていない。したがって、本項はデータ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2 (呼吸器) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(呼吸器) |
P308+P311: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
詳細なデータではないが、本物質の影響は気道に腐食性を示し、また経口ばく露でも腐食性がみられ、エアロゾルの吸入では肺水腫を起こすことがある。経口摂取で灼熱感、腹痛、吐き気、嘔吐、吸入ばく露で灼熱感、咳、咽頭痛、息切れとの記載 (環境省リスク評価第5巻 (2006)) があり、本物質は呼吸器に影響があると判断した。環境省リスク評価第5巻 (2006) の出典はICSCであり、具体的なデータはないため区分2 (呼吸器) とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2 (肝臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトでの報告は得られていない。 実験動物では、ラットを用いた4週間強制経口投与毒性試験において、区分2の範囲である300 mg/kg/day (90日間換算=93.3 mg/kg/day) 投与群の雌で肝臓相対重量の増加、肝臓の類洞の拡張、うっ血がみられた (環境省リスク評価第5巻 (2006))。 したがって、区分2 (肝臓) とした。 なお、旧分類では、「最終剖検時、中用量投与の雌でBUN濃度が有意に上昇した」、「雌雄に嗜眠、全身衰弱、運動失調がみられた」 (IRIS (1990)) 等の記述があることから、腎臓、神経系が標的臓器とし、区分2の範囲でみられたことから区分2 (腎臓、神経系) としていた。しかし、確認したところ、BUNの増加は中用量 (50 mg/kg/day) でみられるが、高用量 (250 mg/kg/day) ではみられておらず、IRIS (2000) においてもLOAELを250 mg/kg/dayとし、中用量でのBUNの増加を影響としていない。また、神経系に対する影響は高用量 (250 mg/kg/day) でみられており、区分2の範囲外であった。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)48時間LC50 (MOR) = 2.1 mg/L(環境省リスク評価第5巻, 2006)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急速分解性があり(28日間でのBOD分解度=91%、TOC分解度=98%、HPLC分解度=100%(経済産業公報, 2002))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC (繁殖) = 0.27 mg/L(環境庁生態影響試験, 2001、環境省リスク評価第5巻, 2006)であることから、区分3とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
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