項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 123-86-4 |
名称 | 酢酸ブチル (再分類) |
物質ID | H26-B-118, R-068 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成21年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 |
P303+P361+P353
P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点22℃ (closed cup)、沸点126℃ (ICSC (2003)) に基づいて区分2とした。 なお、国連分類UN1123、クラス3、PGIIである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が420℃ (ICSC (2003)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 |
- |
- | - | 鋼及びアルミニウムが容器として使用できる (ホンメル (1991))。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、> 3,200-14,130 mg/kg (SIDS (2009))、10,700-14,130 mg/kg (DFGOT vol. 19 (2003))、12,760 mg/kg (雄)、10,736 mg/kg (雌) (SIDS (2009))、13,100 mg/kg (雄)、11,000 mg/kg (雌) (CICAD 64 (2005))、14,130 mg/kg (CICAD 64 (2005)、環境省リスク評価第1巻 (2002)、ACGIH (7th, 2001)) との報告に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ウサギのLD50値として、> 5,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2001))、> 5,000-17,600 mg/kg (SIDS (2009))、 > 14,080 mg/kg (雄、雌) (SIDS (2009))、> 20 mL/kg (=17,600 mg/kg) (DFGOT vol. 19 (2003)、ACGIH (7th, 2001)) との報告に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | ラットのLC50値 (4時間) として、2,000 ppm (ACGIH (7th, 2001))、> 4,000 ppm (DFGOT vol. 19 (2003))、> 32,000 mg/m3 (=6,752 ppm) (CICAD 64 (2005))、LC50値 (6時間) として> 8,000 ppm (雄、雌) (4時間換算値:9,798 ppm) (SIDS (2009)) との4件の報告がある。うち1件は区分3に該当するがその他3件の報告からは区分を特定できないので、分類できないとした。新たな情報源 (SIDS (2009)、CICAD 64 (2005)、DFGOT vol.19 (2003)) を追加し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | ラットのLC50値 (4時間) として、0.74 mg/L (OECD TG 403) (SIDS (2009)、0.74 mg/L、1.8 mg/L、5.1 mg/L、> 45 mg/L (CICAD 64 (2005))、1.86 mg/L (DFGOT vol.19 (2003)、ACGIH (7th, 2001))、> 23.4mg/L (OECD TG 403) (SIDS (2009)) との7件の報告がある。OECD TG 403準拠データ間においても大きなばらつきがあるために、分類できないとした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギに本物質 (99.6%) を4時間適用した結果、刺激反応はみられず、痂皮形成及び浮腫のスコアは0であったとの報告 (SIDS (2009)) や、モルモットを用いた試験において刺激性はみられなかったとの報告がある (SIDS (2009))。また、ヒトに対して本物質4%を48時間閉塞適用したパッチテストにおいても刺激性なしとの報告がある (SIDS (2009))。以上の結果から区分外 (国連分類基準の区分3) とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
ウサギの眼に本物質0.1 mLを適用した結果、軽度から中等度の虹彩炎がみられたが48時間後には回復したとの報告や (SIDS (2009))、ウサギを用いた他の眼刺激性試験で軽度の刺激性、又は刺激性なしとの結果が複数ある (SIDS (2009))。また、本物質 (70-1400 mg/m3) にばく露されたヒトにごく軽度の刺激性がみられたとの報告がある (SIDS (2009))。以上の結果から、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いた試験やマウスの耳介膨張試験において感作性はみられなかった (SIDS (2009)) との報告や、ヒトに対して感作性は認められない (環境省リスク評価第1巻 (2002)) などの記載があるが、試験法や結果の詳細について不明であるため、分類に用いるには不十分なデータとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。In vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である (SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 19 (2003)、NTP DB (Access on October 2014)、HSDB (Access on September 2014))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 ラットを用いた吸入経路による催奇形性試験において、母動物毒性 (体重減少) がみられる用量で、胎児成長の遅延、肋骨形成異常 (波状、癒合、分岐) がみられ 、ウサギを用いた吸入経路による催奇形性試験において、母動物毒性はみられなかったが、胎児に胸骨分節不整配列、網膜ひだの発生率の増加、胆嚢の形態学的変異がみられ、これらは奇形ではなく変異とみられており、催奇形性を含め児の発生に悪影響は認められていない (SIDS (2009)、CICAD 64 (2005)、DFGOT vol. 19 (2003)、ACGIH (2001))。 雌ラットに交配前3週間から吸入ばく露し、無処置の雄ラットと交配し、さらに妊娠16日まで吸入ばく露した試験において、母動物毒性 (摂餌量減少、体重減少、肝臓の絶対重量減少、腎臓及び肺の相対重量増加) がみられたが生殖能に影響はなく、胎児に対して胎児成長の遅延がみられた (CICAD 64 (2005)、DFGOT vol. 19 (2003)、環境省リスク評価第1巻 (2002)、ACGIH (2001))。 これらの試験では、催奇形性はみられず、胎児の成長遅延、変異はわずかな影響であることからガイダンスに従い分類根拠としなかった。 以上、 発生毒性、雌動物の生殖能に関して影響はみられていない。しかし、雄動物の生殖能に関する情報が不十分であることから分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3 (気道刺激性、麻酔作用) |
警告 |
H335
H336 |
P304+P340
P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
本物質は、気道刺激性がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994)、環境省リスク評価第1巻 (2002)、ACGIH (7th, 2001)、CICAD 64 (2005)、DFGOT vol. 19 (2003))。 ヒトにおいては、蒸気吸入ばく露により、頭痛、悪心、高濃度でめまい、呼吸困難、意識喪失、衰弱が報告されている(産衛学会許容濃度の提案理由書 (1994)、ACGIH (7th, 2001)、CICAD 64 (2005)、DFGOT vol. 19 (2003))。 実験動物では、ラットの1.3 mg/Lの吸入ばく露で運動失調、努力呼吸、麻酔作用、ラットの32.6 mg/Lの吸入ばく露で呼吸困難、ラット、マウスの10,736 mg/kgの経口投与で中枢神経系抑制、協調運動失調、衰弱、体温低下がそれぞれみられている (CICAD 64 (2005)、ACGIH (7th, 2001)、SIDS (2009))。 以上より、本物質は気道刺激性及び麻酔作用があると判断し、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 なお、旧分類で記載された知見で以下の項目は不採用とした。すなわち、ヒトの混合ばく露の事例については他物質の影響の可能性もあるため不採用とした。「ラットのエアゾールによる吸入ばく露試験において、540 ppm/4h (2.57mg/L/4h) で肺のうっ血、肺胞の出血、気管支粘膜の脱落、肺胞上皮細胞の壊死、肺水腫などが観察されている (ACGIH (7th, 2001)) 」の知見は、死亡動物のデータであったため不採用とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - | 実験動物ではラットに本物質 (蒸気と推定) を13週間吸入ばく露した試験において、区分外の高濃度 (1,500 ppm以上: 7.05mg/L/6時間) で、呼吸器への影響 (鼻腔刺激症状、嗅上皮の壊死) がみられたのみであった (SIDS (2009)、CICAD 64 (2005)、DFGOT vol. 19 (2003))。また、モルモットに本物質を28日間吸入ばく露した試験でも、4,840 mg/m3 (ガイダンス値換算: 1.00 mg/L/6時間) で、血液検査(血球数)、尿検査、病理検査(剖検) に影響を認めなかった (環境省リスク評価第1巻 (2002)、CICAD 64 (2005)) との記述がある。しかし、他の経路での毒性情報及びヒトでの知見がなく、データ不足のため「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 |
- |
H402 |
P273
P501 |
魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50=18 mg/Lである (CICAD 64, 2005、SIDS, 2009) こと から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり (BODによる分解度:98% (SIDS, 2009) 、藻類(セネデスムス)の72時間EC10=296 mg/L (CICAD 64, 2005)であることから、区分外となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50=18 mg/Lである (CICAD 64, 2005、SIDS, 2009) が、急速分解性があり (BODによる分解度:98% (SIDS, 2009))、生物蓄積性が低いと推定される(LogKow=1.78 (PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外となる。 以上の結果から、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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