項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 6484-52-2 |
名称 | 硝酸アンモニウム (再分類) |
物質ID | H26-B-115, - |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成22年度 平成21年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団 (N-O) を含むが、純物質はUN1942、クラス5.1、PGIIIに分類されており区分外とした。なお、可燃性不純物が0.2%を超えているものは、UN0222で爆発物 (等級1.1) となっている。また、UN0082の爆破薬、タイプBも爆発物(等級1.1) となっている。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2013)) である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団 (N-O) を含むが、UN1942、クラス5.1、PGIIIに分類されており分類対象外とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2013)) である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2013)) である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分3 |
警告 |
H272 | P370+P378 P210 P220 P221 P280 P501 |
国連番号1942、クラス5.1、PGIIIに分類されている。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、2,000-2,950 mg/kg (OECD TG 401) (SIDS (2007))、4,820 mg/kg (ECETOC TR27 (1988)) との報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値 (OECD TG 402) として、> 5,000mg/kg (SIDS (2007)) との報告に基づき、区分外とした。新たな情報源 (SIDS (2009)) を追加して、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLC50値 (4時間) として、> 88.8 mg/Lとの報告 (SIDS (2009)) に基づき、区分外とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(0.003 mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギに本物質を4時間適用した皮膚刺激性試験の報告が複数あり、軽度の刺激性あり、又は刺激性なしとの結果であった (SIDS (2009)、IUCLID (2000))。以上の結果から区分外 (国連分類の区分3) とした。なお、反復投与の結果であるが、本物質を4時間、5回投与した結果、紅斑及び浮腫のスコアはそれぞれ0.1又は0であり、症状は可逆性であったとの結果がある (SIDS (2009))。List外の情報を削除し、SIDS (2009) の情報を追加した結果区分が変更になった。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
ウサギに本物質100 mg (純度99.9%) を適用した眼刺激性試験において、角膜混濁、虹彩炎、結膜発赤が認められ、適用7日後に角膜混濁及び虹彩炎は全ての動物で回復性を示した。一方、結膜発赤は適用7日後までに回復しなかったが、10日後に完全に回復した (ECETOC TR 48 (1992))。また、本物質はヒトの眼に対して刺激性を持つとの記載がある (HSDB (Access on September 2014))。以上の結果から、区分2Aとした。回復性に関する記載をもとに細区分した。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | In vivoでは、マウス骨髄細胞の染色体異常試験で陰性 (SIDS (2009))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (SIDS (2009)、IUCLID (2000)、HSDB (Access on September 2014))。以上より、「分類できない」とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、IARCは、経口摂取による硝酸塩又は亜硝酸塩が生体内でニトロソ化される条件での発がん性をグループ2Aと総合評価している (IARC vol. 94 (2010))。IARCの評価には、「ヒトの体内では硝酸塩と亜硝酸塩の変換が起こる。消化管の酸性条件では亜硝酸塩から生じるニトロソ化物が二級アミン、アミドなど特にニトロソ化されやすい物質とともに直ちにN-ニトロソ化合物に変化する。硝酸塩、亜硝酸塩、ニトロソ化物の追加摂取により、ニトロソ化条件はさらに促進される。N-ニトロソ化合物の中にはこれらの条件下で既知の発がん性物質を形成する。」と記載されている。IARCは食物中、飲水中の硝酸塩のヒトでの発がん性は不確実な証拠である (IARC vol. 94 (2010)) と記載している。IARC以外の国際評価機関による発がん分類はない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 なお、ラットを用いた経口経路での催奇形性試験において、催奇形性はないとの報告がある (SIDS (2009))。しかし、SIDS (2009) では、詳細が不明なため評価に用いていない。したがって、分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - | 本物質の吸入経路及び経口経路でのヒトに対する毒性影響を示す報告はない。また、実験動物のデータはない。なお、旧分類は、本物質ではない硝酸ナトリウムについての知見であるため、今回旧分類のデータは採用しなかった。以上より、判断を行うに十分な情報が無く、「分類できない」とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (血液系) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
一般に水溶性硝酸塩を摂取したヒトにおける健康上の懸念には、食事、水に含まれる硝酸塩が腸内微生物により還元され生成した亜硝酸塩に起因する新生児メトヘモグロビン血症があり、新生児の場合、メトヘモグロビンの還元酵素系が未発達のためリスクが高い (ECETOC TR 27 (1988)) という記述、並びに硝酸アンモニウムを利尿剤として10 g/日で4-5日間服用した患者3名にメトヘモグロビン血症によるチアノーゼがみられ、硝酸アンモニウムを腎結石防止のために2-9 g/日で投与した患者268名のうち、メトヘモグロビン血症は僅かに2名にみられ、うち1名はメトヘモグロビン還元酵素の遺伝的欠損例であった (ECETOC TR 27 (1988)) との記述がある。 実験動物では本物質 (蒸気と推定) を雄のラット又はモルモットに1 mg/m3 で4週間吸入ばく露した結果、体重及び呼吸器系への有害影響はみられなかったとの報告がある (SIDS (2009)) が、ガイダンス値換算値 (0.0003 mg/L/6時間) より区分1の極低濃度域での結果であり、区分2までの範囲での毒性発現の有無については不明である。その他、本物質自体に関する毒性情報はない。ただし、アンモニウム塩以外の硝酸塩の毒性情報に関して、分類に利用可能な以下の知見が得られた。すなわち、硝酸ナトリウムをラットに6週間混餌投与した試験において、区分外の高濃度 (100,000 ppm 以上: 5,000 mg/kg/day相当) で、メトヘモグロビンによる血液及び脾臓の色調変化がみられ (SIDS (2009))、一方、ラットに硝酸ナトリウム又は亜硝酸ナトリウムを4,000 mg/Lの濃度で14ヶ月間飲水投与した結果、血中のメトヘモグロビン濃度は硝酸ナトリウム投与時の 0-2% に対し、亜硝酸ナトリウム投与時には 1-35% に増加し (SIDS (2009))、硝酸塩 (本物質含む) の経口投与後に、腸管内で生成する亜硝酸塩により血中メトヘモグビン濃度が増加し、チアノーゼを生じるとするヒトでの仮説 (ECETOC TR 27 (1988)) を裏付ける結果と考えられた。 以上より、本物質経口ばく露で、ヒト、特に新生児にメトヘモグロビン血症を生じるリスクがあることから、区分1 (血液系) に分類した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - |
- |
- | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - |
- |
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12 | オゾン層への有害性 | - |
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- | - | - |
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