項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 7726-95-6 |
名称 | 臭素 (再分類) |
物質ID | H26-B-113, - |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2009)) |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2009)) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2009)) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない |
- |
- | - | ハロゲン物質であるが、データがなく分類できない。なお、強酸化剤であり、可燃性物質や還元性物質と激しく反応する。大部分の有機化合物、無機化合物と反応し、火災及び爆発の危険をもたらす。金属、ある種のプラスチック、ゴム、被膜剤を侵す (ICSC (2009)) との記載があるが、UN1744、クラス8、副次危険6.1、PGIに分類されており、副次危険5.1が付いていないことから区分外と推察される。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機物質 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分1 |
警告 |
H290 |
P234
P390 P406 |
試験データはないが、アルミニウム、水銀、チタンと激しく反応する (Bretherick (J) (1998)) ことから、腐食性の基準を満たすと判断した。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、2,600 mg/kg (IUCLID (2000)、HSDB (Access on September 2014))、3,100 mg/kg (HSDB (Access on September 2014)) との報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。ガイダンスにおける情報源の優先度の変更に伴い、旧分類根拠のLD50値 (1700 mg/kg (RTECS (2004)) を優先度の高い新たな情報源 (IUCLID (2000)、HSDB (Access on September 2014)) の値に変更し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 |
危険 |
H330 |
P304+P340
P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
マウスのLC50値として、240 ppm (60分) (4時間換算値:120 ppm)、240 ppm (90分) (4時間換算値:155 ppm) との報告 (ACGIH (2001)) に基づき、区分2とした。なお、マウスのLC50値として、750 ppm (9分) (4時間換算値:46.5 ppm) との報告 (ACGIH (2001)) があるが、ばく露時間が短いために分類には採用しなかった。LC50値が飽和蒸気圧濃度 (230,010 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。分類ガイダンスに従い、ばく露時間が4時間に近いデータを優先的に採用し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
本物質の蒸気はヒトの皮膚に対して極度の刺激性を示し (ACGIH (7th, 2001))、皮膚組織に傷害を与える (HSDB (Access on September 2014)) との記載があり、本物質にばく露されたヒトにおいて小水疱や濃胞の形成がみられた (PATTY (6th, 2012)) との報告がある。また、ラットについて刺激性ありとの報告があるが試験条件等の詳細不明である (IUCLID (2000))。以上、ヒトにおける極度の刺激性の報告から、区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類において「C; R35」、EU CLP分類において「Skin Corr. 1A H314」に分類されている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
本物質は極度の眼刺激性を持つ (ACGIH (7th, 2001)) との記載や、本物質の蒸気はヒトの眼に対して著しい刺激性を示すとの記載がある (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on September 2014)) 。また、本物質は皮膚腐食性/刺激性で区分1に分類されている。以上の結果から区分1とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。なお、ヒトにおいて喘息性気管支炎の報告があるが (ACGIH (7th, 2001))、例数等詳細不明であるため区分に用いるには不十分なデータとした。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質は強い気道刺激性がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1964)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。ヒトにおいては、蒸気の吸入ばく露で、咳、鼻からの出血、気管支肺炎、肺の化学性火傷、肺・気管の重度の傷害、肺水腫、頭痛、めまい、悪心、呼吸困難、羞明、眼瞼痙攣、腹痛、下痢が報告されている (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1964))。実験動物では、ウサギ、モルモットの300 ppm (1.96 mg/L) 蒸気吸入ばく露で中枢神経機能障害、肺水腫、胃粘膜の出血がみられている (ACGIH (7th, 2001))。これらの実験動物の症状は、区分1に相当する範囲の用量で認められた。 以上より、本物質は中枢神経系及び呼吸器に影響があると考えられ、区分1 (中枢神経系、呼吸器) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (神経系、呼吸器、内分泌系) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
IPCS にはヒトにおける本物質の反復吸入ばく露影響として、呼吸器傷害 (間質性の肺線維症、肺気腫、気道過敏症) を生じるおそれがあると記述されている (IPCS PIM 80 (1999)) 。ただし、引用された呼吸器影響の症例は本物質、又は臭化物への急性ばく露影響、又は二次的影響による呼吸器影響と考えられた (Lossos, I.S. et al. (1990)、Kraut, A. and Lilith, R. (1988))。 一方、実験動物では、原著の入手が困難で詳細は確認できないが、以下に示す吸入及び経口経路での反復ばく露試験報告がある。すなわち、ラット、マウス又はウサギに本物質を 0.2 ppm (注: ACGIH (7th, 2001) はこの知見を 2 ppm ばく露としているが、0.2 ppm の誤記載と判断された) で、4ヶ月間吸入ばく露した試験で、「呼吸器」、「神経系」及び「内分泌系」に機能障害を生じた (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001) との記述がある。本試験結果より、蒸気によるばく露と推定した場合、ばく露時間は記述がなく不明であるものの、影響濃度 (0.2 ppm= 1.3 mg/m3 (0.0013 mg/L)) は明らかに区分1のガイダンス値範囲内と考えられた。また、本物質をラットに 0.01 mg/kg相当の用量で6ヶ月間飲水投与した試験において、行動変化及びコリンエステラーゼ活性低下がみられた (ACGIH (7th, 2001)) との記述があり、神経系への影響を支持する知見と考えられた。 以上、ヒト及び実験動物における有害性知見より、区分1 (神経系、呼吸器、内分泌系) に分類した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - |
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- | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - |
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12 | オゾン層への有害性 | - |
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- | - | - |
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