項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 540-59-0 |
名称 | 1,2-ジクロロエチレン (再分類) |
物質ID | H26-B-047, - |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点6℃ (closed cup)、沸点55℃ (ICSC (2003)) に基づいて区分2とした。 なお、国連分類はUN1150、クラス3、PGIIである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 分子内に自己反応性に関連する原子団 (不飽和結合) を含むが、通常流通しているものは安定剤が含まれる。国連分類はUN1150、クラス3、PGIIに分類している。したがって、安定剤を含むものについて、タイプGとした。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が460℃ (ICSC (2003)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 低沸点の液体に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P362+P364 P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、770 mg/kg との報告 (HSDB (Access on June 2014)、GESTIS (Access on July 2014)) に基づき、区分4とした。新たな情報源 (HSDB (Access on June 2014)、GESTIS (Access on July 2014)) を追加し、文章を見直した。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、本物質はtrans-異性体とcis-異性体との混合物であるが、trans-1,2-ジクロロエチレン (CAS No.:156-60-5) は「区分外」に該当し、cis-1,2-ジクロロエチレン (CAS No.:156-59-2) は「分類できない」に該当する。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分外 |
- |
- | - | 本物質はtrans-異性体とcis-異性体との混合物であり、本物質 (異性体混合物) としてのデータはない。trans-1,2-ジクロロエチレン (CAS No.:156-60-5) 及びcis-1,2-ジクロロエチレン (CAS No.:156-59-2) はいずれも区分外に該当することに基づき、区分外とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (348,470 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、trans-1, 2-ジクロロエチレン (CAS No. 156-60-5) では、ウサギに原液0.5 mLを24時間閉塞適用した結果、軽度から中等度の紅斑がみられた (NITE初期リスク評価 (2008)、ATSDR (1996)、IRIS TR (2010)) との報告や、ウサギに5,000 mg/kgを適用した結果、重度の刺激性がみられたが回復性については不明である (ATSDR (1996)) との報告がある。さらに、ヒトに対しても皮膚を刺激する (環境省リスク第4巻 (2005)) との記載がある。旧分類の根拠は、trans-1, 2-ジクロロエチレンのデータからの分類であったため分類に用いなかった。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
ヒトへのばく露により、焼灼感を伴う眼の痛みがみられたとの報告 (NITE初期リスク評価書 (2008)) や中等度の刺激性がみられたとの報告 (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1970)) から区分2Aとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoではマウスの末梢血赤血球の小核試験で陰性 (IRIS TR (2010))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性、ヒト培養細胞の小核試験で陽性、姉妹染色分体交換試験で陽性である (IRIS TR (2010)、NTP DB (Access on July 2014))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (呼吸器、肝臓)、区分3 (麻酔作用) |
危険 警告 |
H370 H336 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ヒトにおいては、吸入ばく露でめまい、吐き気、強い麻酔作用を有し、本物質の蒸気を狭い場所で吸入後、死亡例が報告されている (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1970)、ACGIH (7th, 2001)、NITE初期リスク評価書 (2008))。 実験動物では、ラットに trans-異性体、cis-異性体の混合物63.44 mg/Lを吸入ばく露した試験で、中枢神経系の抑制、平衡障害及び虚脱がみられたとの報告 (NITE初期リスク評価書 (2008))、ラットの吸入で、麻酔作用、中枢神経系への影響、ラットの3.97 mg/L及び11.90 mg/Lの吸入で、著しい肺の充血、肺胞中隔膜の拡張及び肺浸潤が認められた。また、肝小葉及びクッパー細胞の脂肪変性の報告がある (ACGIH (7th, 2001))。ラットとマウスを用い、電気的誘発発作の伝播、維持の阻害作用を本物質の吸入ばく露で検討した報告では、ラットに後肢強直性の延長時間を30%低下させた濃度は1,810 ppm (換算値:7.18 mg/L)、マウスに後肢強直性延長時間を30%増加させた濃度は3,400 ppm (換算値:13.48 mg/L)との記載がある (ATSDR (1996))。なお、以上の実験動物の知見は、呼吸器及び肝臓の影響が区分1に相当するガイダンス値の範囲で認められた。 以上より、区分1 (呼吸器、肝臓)、区分3 (麻酔作用) とした。なお、旧分類で記載されている「実験動物については、「遊泳試験において行動能の45% 喪失」 (ATSDR (1996)) 」については、ATSDRが「遊泳運動の期間変化についての神経学的重要性についてはわかっていない。」と記載していることから、根拠データから外した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - | ヒトにおける知見はない。実験動物では50:50 (cis-:trans-) 異性体混合物を雄ラットに485 mg/kg/日 (162mg/kg/day (90日換算)) で30日間強制経口投与した結果、肝臓相対重量の増加、血液所見 (赤血球数、ヘモグロビン濃度の減少など) がみられた (IRIS TR (2010)、ATSDR (1996)) が、1用量のみの試験であり、区分2までの用量範囲での影響の有無については不明である。また、吸入経路では58:42 (cis-:trans-) 異性体混合物をラット、ウサギ、モルモット又はイヌに6ヶ月間吸入ばく露した試験において、ラット又はウサギに区分外の高濃度で、肝臓及び/又は腎臓重量の増加がみられた (IRIS TR (2010)、ATSDR (1996)) との報告があるが、区分2までの濃度範囲での影響が同様に不明である。以上、経口、吸入いずれの経路も分類に適した試験データがなく、データ不足により分類できない。 なお、旧分類は、ATSDR (1996) の記述より、区分2 (血液系) に分類したが、「全血球算定、赤血球、ヘモグロビン及びヘマトクリットの顕著な減少」との記述内容は485 mg/kg/day、30日間投与での所見であり、分類ガイダンスに従い90日換算した用量は区分外相当であり、旧分類の区分2は誤りである。 混合物ではなく、異性体についての参考情報として、trans-異性体についても分類に適したデータはなく、今回の分類では「分類できない」とした。他方、cis-異性体について、経口経路では唯一の試験結果がラットの経口投与で区分2相当量で組織変化を伴わない肝臓及び腎臓重量の増加を示した (IRIS TR (2010)) との報告であるが、区分2 (肝臓、腎臓) に分類するには証拠が不十分である。吸入経路の毒性情報はなく、cis-異性体についても同様にデータ不足のため、「分類できない」とするのが妥当である。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
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- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - |
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11 | 水生環境有害性(長期間) | - |
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12 | オゾン層への有害性 | - |
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