項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 75-34-3 |
名称 | 1,1-ジクロロエタン (再分類) |
物質ID | H26-B-045, R-019 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点-6℃ (closed cup)、沸点57℃ (ICSC (1993)) に基づいて区分2とした。 なお、国連分類はUN2362、クラス3、PGIIである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が458℃ (ICSC (1993)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、アルミニウム、鉄を侵すという記載がある (ICSC (1993))。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、725 mg/kg (ATSDR (2013)、PATTY (6th, 2012))、8,200 mg/kg (環境省リスク評価第8巻 (2010))、14,100 mg/kg (ATSDR (2013)、PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価第8巻 (2010)) の3件の報告がある。分類ガイダンスに従い、最も多くのデータが該当する区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 |
警告 |
H332 | P304+P340 P261 P271 P312 |
ラットのLC50値 (4時間) として、13,000 ppm との報告 (環境省リスク評価第8巻 (2010)、ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分4とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (236,920 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。新たな情報源 (環境省リスク評価第8巻 (2010)) を追加し、分類ガイダンスに従い、4時間データを優先して分類を見直した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 | P302+P352 P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
本物質の蒸気はヒトの皮膚に対して刺激性を持つとの記載 (PATTY (6th, 2012)) から区分2とした。なお、ウサギへの反復ばく露により軽度の浮腫や、軽度の壊死がみられ中等度の刺激性あり (IUCLID (2000)) との報告がある。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
ウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜への刺激や局部的な腫れがみられたが、1週間後に回復したとの記載がある (IUCLID (2000))。また、本物質の蒸気はヒトの眼に対して刺激性をもつとの記載 (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2014)) がある。以上の結果から区分2とした。なお、本物質はEU DSD分類で「Xi; R36」、EU CLP分類で「H319 Eye Irrit. 2」に分類されている。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
In vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験、染色体異常試験、ラット及びマウスの肝臓、腎臓、胃、肺におけるDNA、RNA、タンパク質との付加体形成試験でいずれも陽性、マウス肝臓のDNA損傷試験で陰性である (環境省リスク評価第8巻 (2010)、ATSDR (2013)、ACGIH (7th, 2001)、IUCLID (2000))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の姉妹染色分体交換試験、ラット及びマウスの初代肝細胞の不定期DNA合成試験でいずれも陽性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験でのみ陰性 (環境省リスク評価第8巻 (2010)、ATSDR (2013)、IUCLID (2000)、ACGIH (7th, 2001)、NTP DB (Access on July 2014)) となっている。以上より、in vivoで陽性を示し、in vitroでも復帰突然変異試験など陽性結果が認められることから、本物質はin vivoで変異原性を有すると判断し、ガイダンスに従い区分2とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ACGIH (2008) でA4、EPA (2000) でCと分類されているため、より新しいACGIHの情報を優先し、「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットを用いた吸入経路での催奇形性試験において、母動物で摂餌量減少、体重増加抑制がみられる用量で胎児にわずかな影響 (骨化遅延) がみられたのみであった (環境省リスク評価第8巻 (2010)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2012))。しかし、生殖能に対する影響に関してはデータがなく不明のため分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) |
危険 警告 |
H370 H335 H336 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ヒトにおいては、吸入ばく露により、気道刺激性、流涎、眩暈、嗜眠、感覚鈍麻、吐き気、嘔吐、意識喪失、流涙、チアノーゼ、循環器系不良、高濃度の場合には意識喪失などが認められ、中枢神経系抑制作用があるが、麻酔剤として使用された場合、不整脈を引き起こす可能性があるため、使用されなくなったとの報告がある。経口摂取では、灼熱感が認められている。経口摂取で急性中毒により死亡した14 人の神経系を形態学的に調べた報告では、血管障害やび漫性変化が脳にみられ、脳、脊髄の形態的変化は急性の腫脹や萎縮、虚血性変化であり、中程度のミエリン変性で示される脊髄及び末梢神経の変化があったとされている (環境省リスク評価第8巻 (2010)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2013)、PATTY (6th, 2012))。 実験動物では、ラットの4000 mg/kgの経口投与で中枢神経系抑制、ラットの吸入ばく露で麻酔作用の報告がある (PATTY (6th, 2012))。 以上より、実験動物への影響は区分2の範囲を超える用量でみられているが、ヒトへの影響が明確に認められているため、区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。なお、旧分類で、区分1 (肝臓、腎臓) と分類されているが、これらの十分な知見が認められなかったため採用しなかった。また、旧分類で中枢神経系を採用していなかったが、今回中枢神経系を採用した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - | ヒトでは塩化ビニルとの混合ばく露を受けた工場労働者で、肝機能検査、血液検査の一部の項目で影響を疑う所見があったが、「塩化ビニル症」と診断された症例では混合ばく露による影響であるとされ (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第8巻 (2010))、本物質ばく露との関連性については不明である。この他、ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第8巻 (2010)、ATSDR (2013) にはヒトでの本物質ばく露による影響についての記述はみられない。 実験動物では、ラット、マウスに6週間及び78週間強制経口投与した試験で、いずれも区分2までの用量範囲では毒性影響はなく、78週間投与試験においてラットで382 mg/kg/day、マウスで2,885 mg/kg/dayの高用量で生存率の低下がみられたが、特定の臓器への毒性は示されなかった (環境省リスク評価第8巻 (2010)、ATSDR (2013))。 一方、吸入経路ではラット、モルモット、ウサギ、ネコに500 ppmを13週間吸入ばく露し、その後 1,000 ppmに濃度を上げて、13週間追加ばく露した試験で、1,000 ppm までの濃度でラット、モルモット、及びウサギには毒性影響は認められなかったが、ネコでは体重増加抑制を示し、血中尿素窒素及びクレアチニンの増加、腎尿細管に結晶析出、管腔の閉塞、拡張がみられた (環境省リスク評価第8巻 (2010)、ATSDR (2013))。この吸入ばく露試験における本物質の存在状態は蒸気と推定され、区分外相当の1,000 ppm (4,050 mg/m3) で、ネコにのみ腎臓への影響が観察された。 以上、実験動物での毒性情報より、経口及び吸入経路では区分外相当であると考えられるが、経皮経路、ヒトへの影響に関して知見が不足しており、データ不足のため分類できないとした。なお、旧分類ではList 3又はList以外の情報源より、ヒトの知見に基づき分類されたが、今回の List 1の情報源からの調査では、上記のようにヒトで分類に利用可能な信頼性のあるデータはないことが判明した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 |
- |
H402 | P273 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 34.3 mg/L (環境省生態影響試験, 2008、環境省リスク評価第8巻, 2010)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 |
- |
H411 | P273 P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(ハロゲン化脂肪族炭化水素は一般的に生分解しにくいと考えられており、異性体である1,2-ジクロロエタンのBODによる分解度は0%(環境省リスク評価第8巻, 2010))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.525 mg/L (環境省生態影響試験, 2008、環境省リスク評価第8巻, 2010)であることから、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(メダカ)の96時間LC50 > 112 mg/L(環境省生態影響試験, 2008、環境省リスク評価第8巻, 2010)であり、難水溶性ではない(水溶解度=5040mg/L、PHYSPROP Database, 2009)ことから、区分外となる。 以上の結果を比較し、区分2とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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