項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 95-48-7 |
名称 | o-クレゾール (再分類) |
物質ID | H26-B-032, - |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が555℃ (ICSC (2008)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が55℃以下の固体状の物質ではあるが、データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P361+P364 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、121 mg/kg (ATSDR (2008)、NTP TR550 (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価書第5巻 (2006)、SIDS (2001)、EHC 168 (1995))、1,350 mg/kg (環境省リスク評価書第5巻 (2006)、ACGIH (7th, 2001)) の2件の報告がある。区分3と区分4とに、それぞれ1件ずつ該当するが、LD50値の最小値が該当する区分3とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 |
P302+P352
P280 P312 P321 P361 P364 P405 P501 |
ラットのLD50値として、620 mg/kg (環境省リスク評価第5巻 (2006)、SIDS (2001)、EHC 168 (1995))、620-1,000 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2007))、ウサギのLD50値として、890 mg/kg (ATSDR (2008)、NTP TR550 (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006)、EHC 168 (1995))、890-1,380 mg/kg (SIDS (2001))、890-2,000 mg/kg 以上 (NITE初期リスク評価書 (2007)) との報告がある。分類ガイダンスに従い、最も多くのデータが該当する区分3とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ラットのLC50値 (1時間) として、>1,220 mg/m3 (4時間換算値:610 mg/m3 (=138 ppm)) との報告 (PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価第5巻 (2006)) がある。飽和蒸気圧濃度 (325.8 ppm (=1.44 mg/L)) の90%よりLC50値が低いので、ミストを含まないものとみなした。このLC50値からでは、区分2、区分3、区分4、区分外のいずれかを特定できないので、分類できないとした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ウサギの皮膚に本物質を適用した試験で、強度の刺激性及び腐食性がみられたとの報告が複数ある (EHC 168 (1995)、NITE初期リスク評価書 (2007)、PATTY (6th, 2012))。また、本物質は皮膚に対して腐食性を示す (SIDS (2001)、環境省リスク評価第5巻 (2006)) との記載がある。以上より、区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類で「C; R34」、EU CLP分類で「H314 Skin Corr. 1B」に分類されている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
ウサギに本物質の33%溶液を適用した試験で、持続性の角膜混濁と血管新生がみられたとの記載がある (NITE初期リスク評価書 (2007))。また、本物質はウサギの眼に対して強度の刺激性又は腐食性を示す (SIDS (2001)、環境省リスク評価第5巻 (2006)、DEFGOT vol. 14 (2000)) との記載がある。以上より、区分1とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウスの優性致死試験、マウス及びラット骨髄細胞の小核試験、マウス骨髄細胞の染色体異常試験でいずれも陰性である (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006)、SIDS (2001)、ATSDR (2008)、DFGOT vol.14 (2000))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、ラット培養肝細胞の不定期DNA合成試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験で陽性、ヒト細胞では姉妹染色分体交換試験陰性の結果となっている (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006)、SIDS (2001)、DFGOT vol.14 (2000)、ATSDR (2008))。以上より、in vitro染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性の結果であるが、in vivo試験でいずれも陰性であるため、本物質はin vivoで変異原性を示さないと判断した。 |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
EPAでCに分類されている (EPA (2002)) ことから、区分2とした。ガイダンスに従い区分を変更した。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
ラットを用いた経口経路 (強制) での2世代生殖毒性試験、マウスを用いた経口経路 (混餌) での連続交配試験、ミンクを用いた1世代生殖毒性試験において生殖能に影響はみられず、児に対してはラット及びマウスで体重に影響がみられたほかには影響はみられていない (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006))。 ラットを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験においては、死亡を含む母動物毒性 (25例中4例死亡、体重増加抑制、自発運動の低下、運動失調、振戦、攣縮、腹臥位姿勢、呼吸時の雑音) がみられる用量 (450 mg/kg bw/day) で胎児に側脳室拡張 (1例)、軽微な骨格変異 (5例) がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006))。この試験では母動物の死亡が10%以上であるので不採用とする。ウサギを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験においては、母動物毒性 (異常呼吸音、眼脂、自発運動低下) がみられる用量において胎児にわずかな影響 (表皮下の血腫 (頭部)、胸骨骨化遅延) がみられた (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006))。この試験では胎児にみられた影響が軽微であるの不採用とする。 ヒトの疫学において、クレゾールとクロロベンゼンあるいは塩化ホスホリルを使う工場で働く女性で女性ホルモン量変化と月経の異常、周産期死亡率と奇形発生率の増加したとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006))。しかし、みられた変化はo-クレゾールばく露との関連性が明らかでないため分類に用いるには適当でない。 以上のように、2世代生殖毒性試験、連続交配試験において生殖に影響はみられれていない。旧分類の分類根拠とした所見の意義について検討した結果、性周期の異常については、該当する情報がなかったが、被験物質としてクレゾール (o-、m-、p-の混合物) を用いたラットにおける4ヶ月間の吸入毒性試験において発情周期及び発情期の延長と発情間期の短縮、卵巣で一次卵胞の減少、閉鎖卵胞の増加を認めたとした報告がある (環境省リスク評価第5巻 (2006)、EHC 168 (1995))。この情報は、異性体混合物を用いた試験であること、詳細が不明であることから分類に用いることは不適当と判断した。したがって、旧分類の区分2を分類できないに変更した。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓)、区分3 (麻酔作用) |
危険 警告 |
H370
H336 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ヒトにおいては、気道の刺激性を示し、蒸気やエアロゾルの吸入では鼻の狭窄感、乾き、咽喉の刺激症状、肺水腫を起こす。また、灼熱感、咽頭痛、咳、頭痛、吐き気、嘔吐、息苦しさ、息切れ、呼吸不全 (咳、努力・頻呼吸) が報告されている。経口摂取では、嘔吐、腹痛、灼熱感、ショック/虚脱、出血性下痢、口、喉、胃の白色壊死病斑、経路不詳であるが、中枢神経系抑制、錯乱、蒼白、発汗、脱力感、頭痛、めまい、耳鳴り、不整脈、低血圧、浅呼吸、低体温症、呼吸不全を伴うショック、発作、意識不明、昏睡、心血管系、溶血性貧血、肺水腫、肺・肝臓・膵臓・脾臓・心臓・腎臓の損傷、代謝性アシドーシスがみられている。急性肺水腫は経皮ばく露によっても起こる (環境省リスク評価第5巻 (2006)、ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on June 2014))。 実験動物では、マウス、ラットへの吸入ばく露では、マウスに粘膜の刺激、興奮、筋収縮、間代性けいれん、経口投与で、自発運動低下、流涎、協調運動失調、筋収縮、振戦、けいれん、呼吸困難、衰弱、嗜眠、昏睡、死亡がみられ、剖検所見として、吸入ばく露では、肺浮腫、肝臓の脂肪変性及び小葉中心性の壊死、腎臓の浮腫、糸球体の腫大及び尿細管上皮の変性、経口投与では、消化管の炎症、肺、肝臓、腎臓の充血及び出血が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007))。 以上より、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓)、区分3 (麻酔作用) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (中枢神経系、心血管系、血液系、呼吸器、肝臓、腎臓) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ヒトでは、本物質を含むクレゾール混合物の蒸気 (濃度不明) に1.5-3ヶ月間、吸入ばく露された作業者7名に吐き気と嘔吐を伴う頭痛、うち4名には加えて血圧上昇、腎機能障害、血中カルシウム濃度異常、及び顕著な振戦が認められた (ACGIH (7th, 2001)、 DFGOT vol. 14 (2000)、PATTY (6th, 2012)) との記述がある。 実験動物では、ミンク又はフェレットに28日間混餌投与した試験において、区分2相当量 (80 mg/kg/day相当 (ミンク:24 mg/kg/day (ガイダンス値換算))、140 mg/kg/day相当 (フェレット:44 mg/kg/day (ガイダンス値換算)) で、肝臓相対重量の増加がみられたが、ラット又はマウスの13週間混餌投与試験では、区分2までの範囲内で毒性所見はなく、区分外の高用量 (175 mg/kg/day超) において、肝臓相対重量増加、貧血傾向所見 (赤血球数減少、ヘモグロビン濃度減少)、神経症状 (嗜眠、振戦、痙攣) がみられている (NITE初期リスク評価書 (2007)、SIDS (2001)、ATSDR (2008))。一方、吸入経路では1用量のみの試験であるが、マウス1ヶ月間及びラット4ヶ月間吸入ばく露試験において、区分1に該当するばく露濃度 (マウス:50 mg/m3 (0.0056 mg/L/6hr (ガイダンス値換算))、ラット:9 mg/m3 (0.006 mg/L/6 hr (ガイダンス値換算)) で、呼吸器 (上気道の炎症、肺の水腫、出血、血管周囲の線維化)、中枢神経系 (自発運動減少、嗜眠、神経細胞及びグリア細胞の変性)、心血管系 (心筋の変性)及び血液系 (白血球数増加、骨髄におけるE/M (赤芽球系細胞/顆粒球系細胞) 比の減少) への影響、並びに心筋、肝臓、腎臓の変性が認められている (NITE初期リスク評価書 (2007)、SIDS (2001)、ATSDR (2008))。 以上より、ヒト (混合物) 及び実験動物 (本物質: o-異性体) の吸入経路での毒性情報を基に、区分1 (中枢神経系、心血管系、血液系、呼吸器、肝臓、腎臓) に分類した。なお、旧分類はList 3の情報源からの分類結果であり、今回はList 1の情報源を基に、かつ他の異性体、クレゾール混合物に対する分類との整合性も勘案し、分類結果を見直した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - |
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- | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - |
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- | - | - |
12 | オゾン層への有害性 | - |
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- | - | - |
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