項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 80844-07-1 |
名称 | 2-(4-エトキシフェニル) -2-メチルプロピル=3-フェノキシベンジルエーテル (別名:エトフェンプロックス) (再分類) |
物質ID | H26-B-024, R-008 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 150℃で安定 (DSC) (農薬登録申請資料) と記載されているので、常温で空気と接触しても自然発火しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が55℃以下の固体ではあるが、データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg、> 42,880 mg/kg (JMPR (2011)、農薬抄録 (2010))、 に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg (JMPR (2011))、> 2,140 (農薬抄録 (2010)) に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLC50値 (4時間) として、> 5.88 mg/L (JMPR (2011))、>5,900 mg/m3 (農薬抄録 (2010)) に基づき、区分外とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(1.23×10-9 mg/L) より高いため、粉じん・ミストの基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギ6匹を用いた一次刺激性試験 (GLP準拠) において、未希釈の本物質0.5 mLを適用した結果、5匹には刺激性はみられず、1匹に軽度の紅斑がみられたが7日後には回復したとの報告がある (JMPR (2011)、農薬抄録 (2010)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1995))。以上より、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギ6匹を用いた眼刺激性試験 (GLP準拠) において、軽度 (グレード1) の紅斑 (6/6匹) や軽度の浮腫 (1/6匹) がみられたが、72時間以内に回復したことから眼刺激性なしと判断されたと記載がある (JMPR (2011)、農薬抄録 (2010)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1995))。以上より、区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 なお、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験 (GLP準拠) において、本物質の20%を適用した結果感作性は示さなかったとの報告がある (JMPR (2011)、農薬抄録 (2010)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1995))。旧分類の判断根拠は、本物質20%の適用であり、分類に用いるには不十分なデータと判断した。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性である (農薬抄録 (2010)、JMPR (2011))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験でいずれも陰性である(産衛学会許容濃度の提案理由書 (1995)、Etofenprox_eval_WHO_july_2007、JMPR (2011)、農薬抄録 (2010))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ラット及びマウスを用いた2年経口投与による発がん性試験では本物質に関連する腫瘍の発生は認められていない (日本農薬学会誌 14, 505-509 (1989)、『食品衛生研究』 vol.46 No.11 (1996)、農薬抄録 (1986))。しかし、国際機関等による発がん性分類がないことから、「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 |
- |
- | - | ラットを用いた経口経路 (混餌) での2世代投与試験において、親動物毒性がみられる用量 (F0では4,900 ppm、F1及びF2では700 ppm以上) で性機能又は生殖能に何ら影響が認められていない (JMPR (2011))。また、ラットを用いた器官形成期投与試験においても、母動物毒性 (流涎と口周辺部の赤褐色の着色等の症状及びわずかな体重増加の抑制) がみられる用量 (5,000 mg/kg bw/day) においても母動物 (F0) 及びF1母動物の生殖能に影響がみられず、児動物 (F1とF2) にも異常がみられておらず (JMPR (2011))、ウサギを用いた器官形成期投与試験を含めて催奇形性はないと判断されている (JMPR (2011))。 以上のように、生殖毒性を示唆する明らかな証拠が認められないことから区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系)、区分3 (麻酔作用) |
危険 警告 |
H370 H336 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ラットへの21,440及び42,880 mg/kgの経口投与で、下痢、軟便、立毛、円背位、自発運動低下、呼吸頻度の減少、剖検所見では肺の散在びまん性出血、マウスへの50,000 mg/kgの経口投与で、自発運動の抑制、ラットへの5.88 mg/Lの吸入ばく露で、閉瞼、呼吸運動異常、一時的活動亢進、嗜眠、ラットへの2,140 mg/kgの経皮適用で、自発運動低下、うずくまりが見られているが、いずれの経路でも死亡例はなく観察期間終了時の病理組織学的検査で異常はなかった(JMPR (2011)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1995)、農薬抄録 (1986))。以上の所見は、経口経路、経皮経路、吸入経路ともに区分に相当するガイダンス値の範囲外であった。 本物質は殺虫剤であり、その作用機作は他のピレスロイド剤と同様、神経機能の阻害であるとの記載がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1995))。 以上より、区分1 (中枢神経系)、区分3 (麻酔作用) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2 (肝臓、腎臓) |
警告 |
H373 | P260 P314 P501 |
ラットに13週間混餌投与した試験では、区分2をやや超える用量 (1,800 ppm: 120 mg/kg/day相当) で、肝臓 (肝細胞肥大、血清AST、ALT及びLDH活性の上昇) 及び甲状腺 (小濾胞数の増加及び血漿T4濃度の低下) への影響がみられ、ラット及びマウスに2年間混餌投与した試験では、ラットで700 ppm (25.5 mg/kg/day相当)、マウスで100 ppm (10.4 mg/kg/day相当) と、いずれも区分2に該当する用量から、肝臓への影響 (ラット: 好酸性肝細胞巣、肝細胞の空胞化)、又は腎臓への影響 (マウス: 腎皮質尿細管の拡張又は好塩基性化) がみられた (JMPR (2011)、WHO Specification and Evaluation (2007))。ラットの試験では甲状腺の組織変化 (嚢胞性濾胞の増加) もみられたが、発現した用量は区分2を遥かに超える用量 (4,900 ppm: 249.1 mg/kg/day相当) であった (JMPR (2011)、WHO Specification and Evaluation (2007))。以上より、区分2(肝臓、腎臓) とした。なお、旧分類を行った年度以降に、JMPR、WHOにより詳細な評価が行われており、それらを情報源としたため、分類結果が変わった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC50 = 0.0188μg/L (AQUIRE, 2015)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.103μg/L(AQUIRE, 2015)であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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