GHS分類結果 (経済産業省・環境省平成20年度事業(注))

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ID1-395-2) ペルオキソ二硫酸ジアンモニウム(CAS番号 7727-54-0) 分類実施日 H21.3.31
使用マニュアル 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 区分外 - - - 爆発性に関わる「隣接した酸素原子」を含むが国連危険物輸送勧告がクラス・分類5.1III(国連番号1444(ICSC, 2001))で区分外とした。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - 固体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - 固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - 国連危険物輸送勧告がクラス・分類5.1III(国連番号1444(ICSC, 2001))で区分外とした。
8 自己反応性物質および混合物 区分外 - - - 爆発性に関わる「隣接した酸素原子」を含むが国連危険物輸送勧告がクラス・分類5.1III(国連番号1444(ICSC, 2001))で区分外とした。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - 固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - 不燃性の無機化合物。
11 自己発熱性物質および混合物 区分外 - - - 不燃性の無機化合物。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - 固体である。
14 酸化性固体 区分3
警告 火災助長のおそれ:酸化性物質 国連危険物輸送勧告がクラス・分類5.1、容器等級 III(国連番号1444(ICSC, 2001))で区分3。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。


健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4
警告 飲み込むと有害 ラットを用いた経口投与試験(OECD TG 401、GLP)のLD50値495 mg/kg(雌) (SIDS (2005)、 NICNAS (2001)、IUCLID (2000)) から区分4とした。
なお、EU分類はXn; R22(EU-Annex I)であり、区分3-4に相当する。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - ラットを用いた経皮投与試験(OECD TG 402、GLP)のLD50値>2,000 mg/kg (SIDS (2005)、NICNAS (2001)、IUCLID (2000)) から区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - ラットを用いた4時間吸入暴露試験(OECD TG 403、GLP)のLC50値は>2.95 mg/L (SIDS (2005)、NICNAS (2001)、IUCLID (2000)) である。固体より、粉塵基準を適用すると、区分を特定できないので分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2
警告 皮膚刺激 動物については、非希釈液をウサギに塗布した4時間皮膚刺激性/腐食性試験(OECD TG 404、GLP)で、「紅斑/浮腫の平均スコア値は0」(SIDS (2005))、「24時間以内に消失する浮腫がみられた」 (NICNAS (2001))旨の記述がある。ヒトについては、本物質の5%水溶液を適用したパッチテスト、本物質の17.5%水溶液を4時間適用した試験でいずれも「刺激性あり」(SIDS (2005)) の旨の記述がある。SIDS (2005)は結論として、ウサギについては「slightly irritating」としているが、ヒトについては本物質の5%以上の水溶液で「can cause skin irritation」と記述している。以上より区分2とした。
なお、EU分類はXi; R36/37/38(EU-Annex I)であり、区分2-3に相当する。

3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 眼刺激 動物については、ウサギを用いたDraize試験(OECD TG 405、GLP)で、「適用後48時間の間は結膜炎の症状がslight to mildで認められた」(SIDS (2005))旨の記述がある。また、同じ試験について、「結膜炎および虹彩炎がslight to mild で認められた試験結果より、文献の著者は『本物質は眼刺激性である』と結論している」(NICNAS (2001)) 旨の記述もある。以上より区分2Bとした。
なお、EU分類はXi; R36/37/38(EU-Annex I)であり、区分2に相当する。

4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:区分1
皮膚感作性:区分1


(呼吸器感作性)危険
(皮膚感作性)警告
(呼吸器感作性)吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息又は呼吸困難を起こすおそれ
(皮膚感作性)アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
呼吸器感作性:ヒトについては、in vivo 免疫学的試験(皮膚プリック試験)で「製造工場従業員の52人中3人が本物質のみに陽性、2人が類縁物質のペルオキソニ硫酸ジカリウム (CAS No. 7727-21-1、以降ジカリウム塩と記述する) のみに陽性、3人が本物質とジカリウム塩両方に陽性であった。陽性結果と肺機能のわずかな低下には相関傾向がみられた」(SIDS (2005)) 旨の記述がある。また、SIDS (2005)では、美容師に職業性喘息の報告もあり、「ヒトでの試験報告は、本物質が職業暴露で呼吸器感作性物質であることを示す」と結論している。以上より、区分1とした。
なお、EU分類はXi; R42/43(EU-Annex I)であり、区分1に相当する。また、ドイツMAKリストの表示はSah(ACGIH-TLV/BEI(2005))である。
皮膚感作性:動物については、モルモット20匹を用いたmaximization試験(OECD TG 406)で、「経皮では陰性ではあるが、皮下では20匹とも陽性なので疑わしい」(SIDS (2005))旨の記述がある。ヒトについては、パッチテストで「美容師の49人中12人が陽性であった」(SIDS (2005))旨の記述があり、さらに、美容師に職業暴露として、「湿疹、皮膚病、吹き出物がみられた」(SIDS (2005))、「アレルギー性皮膚炎がみられた」(NICNAS (2001))旨の記述があり、SIDS (2005)は「ヒトでの試験報告は、本物質が職業暴露で皮膚感作性物質であることを示す」と結論している。以上より、区分1とした。
なお、EU分類はXi; R42/43(EU-Annex I)であり、区分1に相当する。また、ドイツMAKリストの表示はSah(ACGIH-TLV/BEI(2005))である。

5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - in vitroの変異原性試験(チャイニーズハムスター線維芽細胞を用いた染色体異常試験、ネズミチフス菌と大腸菌を用いたAmes試験)でそれぞれ「陰性」(SIDS (2005)、NICNAS (2001)) との記述があるが、in vivo試験のデータがないので分類できない。
なお、類縁物質であるペルオキソニ硫酸ジナトリウム (CAS No. 7775-27-1) では、in vivoの変異原性試験(マウス赤血球を用いた小核試験)、in vivoの遺伝毒性試験(ラット肝細胞を用いたUDS試験) でそれぞれ「陰性」(SIDS (2005)、NICNAS (2001)) との記述がある。

6 発がん性 分類できない - - - 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データが不足しているので分類できない。
なお、雌マウスを用いた51週間経皮投与試験について「本物質には皮膚がんプロモーター活性はない」(SIDS (2005))旨の記述と、「本物質に起因する皮膚がん形成のデータはあるが、試験群の規模が小さく、投与方法がガイドラインに沿ったものではないため、最終的な結論を下すことはできない」(NICNAS (2001))旨の記述がある。

7 生殖毒性 分類できない - - - ラットを用いた生殖/発生毒性スクリーニング試験 (OECD TG 421、GLP) において、「最高用量である 250 mg/kg まで受精能、受精率、胎児異常、胎児生存率、精子形成、精子形成周期に影響はみられなかった」 (SIDS (2005)) 旨の記述がある。 しかし、この試験では児動物の催奇形性のデータが不十分である。他の試験データもないため、分類できない。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分2 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性)

警告 臓器(中枢神経系)の障害のおそれ
(気道刺激性)呼吸器への刺激のおそれ
ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG 401、GLP)で、「振戦、流涎、流涙、蒼白、自発運動の低下、運動失調が認められた。これらの症状は、生存動物においては5日以内に回復した」(SIDS (2005)) 旨の記述がある。この影響は区分2のガイダンス値の範囲内で見られた。また、ラットを用いた4時間吸入暴露試験(GLP)で、「呼吸困難がみられた」(SIDS (2005)) 旨の記述がある。結論として、「本物質は職業暴露で気道刺激性であることを示す」(SIDS (2005))旨の記述もある。以上より、区分2 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) とした。
なお、ICSC(2001)には、「短期暴露の影響 : ・・・気道を刺激する。粉塵を吸入すると、喘息様反応を引き起こすことがある」旨の記述がある。

9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分2(呼吸器系)
警告 長期又は反復暴露による臓器(呼吸器系)の障害のおそれ 動物については、ラットを用いた13週間吸入暴露試験(OECD TG 413、GLP)において、区分1のガイダンス値の範囲内で、「雌でラ音の増加、呼吸数の増加」(SIDS (2005))が、区分2のガイダンス値の範囲内で、「雌でヘモグロビン値およびヘマトクリット値の増加、気管の炎症、雄雌でラ音の増加、呼吸数の増加、体重減少、体重増加抑制、摂餌量の減少、肺の絶対および相対重量の増加、脳の相対重量の増加、気管支の炎症、気管支内の過度の粘液分泌、重大な症状として肺胞組織球症」(SIDS (2005))がみられた旨の記述がある。以上より、区分2(呼吸器系)とした。
なお、ICSC(2001)には、「長期または反復暴露の影響 : 反復または長期の吸入により、喘息を引き起こす」旨の記述がある。

10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データがないので分類できない。


環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - 水生生物に有害 藻類(セネデスムス)の96時間EC50 = 33 mg/L(AQUIRE, 2008)より、区分3とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分外 - - - 水溶液が強酸となることが毒性の要因と考えられるが、環境水中では緩衝作用により毒性影響が緩和されるため、区分外とした。

(注)
「物理化学的危険性」及び「健康に対する有害性」:平成20年度経済産業省委託事業による分類結果
「環境に対する有害性」:平成20年度環境省委託事業による分類結果


参考資料

政府向けGHS分類ガイダンス

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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