GHS分類結果 (経済産業省・環境省平成20年度事業(注))

ID1-384 1-ブロモプロパン(CAS番号 106-94-5) 分類実施日 H21.3.31
使用マニュアル 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - 液体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - 液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - 液体である。
6 引火性液体 区分2
危険 引火性の高い液体及び蒸気 ICSC(2004)による引火点は-10℃(密閉式)、沸点は71.0℃であるので、区分2に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - 液体である。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点490℃(Lide,88th,2007))。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - 液体である。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - 液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない。 - - - データがなく分類できない。


健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - ラットを用いた経口投与試験のLD50値が>2,000 mg/kg(ACGIH(7th, 2001))との記述がある。RTECS(2008)にLD50値 3,600 mg/kgが記述されており、国連GHS急性毒性区分5に該当するが、国内では不採用区分につき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - ラットを用いた経皮投与試験で「2,000 mg/kgまで投与しても死亡例がなく、LD50値 >2,000 mg/kg」(ACGIH(7th, 2001))との記述があるので、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4
警告 吸入すると有害 本物質の飽和蒸気圧濃度(20℃)は132,000 ppmであり、ラットを用いた4時間吸入暴露試験でのLC50値 7,000 ppm(ACGIH(7th, 2001))との記述から気体基準を適用し区分4とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データがないので分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - ラットを用いた24時間半密閉投与試験で「皮膚反応は見られなかった」(ACGIH(7th, 2001))との記述があるが、EU分類はXi; R36/37/38(EU-Annex I)であり、他に陰性の試験結果が得られていないので、データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2
警告 強い眼刺激 HSDB(2006)にヒト影響として「眼に刺激性」の記述、ICSC(2004)の短期暴露影響の項に「眼を刺激する」との記述がある。程度は不明だが刺激性を有すると考えられるため、区分2とした。EU分類はXi; R36/37/38 (EU-Annex I)である。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:分類できない
- - - 呼吸器感作性:データがないので分類できない。
皮膚感作性:モルモットに25%パラフィン油溶液を10日間塗布し、12日後に再度塗布した試験で「感作性の症状が見られなかった」との記述、さらに「皮膚感作性の根拠となるデータはない」(ACGIH(7th, 2001))旨の記述があるが、データ不十分なため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - 生殖細胞in vivo経世代変異原性試験(ラットを用いた優性致死試験)で「陰性」(ACGIH(7th, 2001))、体細胞in vivo変異原性試験(マウス末梢血を用いた小核試験)で「陰性」(NTP DB(Access on December 2008))との記述から、区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。
7 生殖毒性 区分2
警告 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い ラットを用いた吸入暴露による二世代試験で「250 ppm以上の暴露群で雌ラットに生殖機能の低下がみられた。F0とF1で、発情周期の長期化に用量依存性が見られ、受精率と一腹あたりの児数が減少した」(ACGIH(7th, 2001))旨の記述があるが、この試験では母動物への影響に関する記述はなく、一次文献の入手は困難である。また、ラットを用いた吸入暴露試験で「試験結果より、不妊症の雌ラットでは卵胞発育の阻害による卵巣機能障害が起こっているはず」(HSDB(2006))との記述がある。妊娠6-19日のラットに吸入暴露した試験で「母動物の体重増加抑制と摂餌量の減少が見られた用量から骨化遅延が用量依存的に見られた。また、最高用量では肋骨の歪曲が有意に増加した」(ACGIH(7th, 2001))旨の記述がある。以上より区分2とした。EU分類はCat. 2; R60とCat. 3; R63(EU-Annex I)である。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性、麻酔作用)
警告 (麻酔作用)眠気又はめまいのおそれ
(気道刺激性)呼吸器への刺激のおそれ
動物についてはACGIH(7th, 2001)に「1時間吸入暴露したラットに立毛、活動低下、運動失調、流涙が発現したが、どのラットにも肉眼的病理所見は見られなかった」との記述があり、また、ICSC(2004)の短期暴露の項に「気道を刺激する。中枢神経系に影響を与え、意識を喪失することがある」と記述されていることから、区分3(気道刺激性、麻酔作用)とした。
なお、EU分類はR36/37/38、R67(EU-Annex I)である。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系)
危険 長期又は反復暴露による臓器(中枢神経系)の障害 動物については、ラットを用いた28日間吸入暴露試験で「中枢神経系、泌尿器系、血液系、リンパ系組織に異常」、またラットを用いた13週間吸入暴露試験で「肝臓の小葉中心部空胞化」(ACGIH(7th, 2001))等の記述がある。中枢神経系への影響は区分2のガイダンス値範囲内でみられたが、それ以外の影響は区分2のガイダンス値を超える用量でみられた。ヒトについては、「1-ブロモプロパン95.5%含有の脱脂溶剤に作業暴露する19歳男性が、2ヵ月後に下肢と右手の痺れ、嚥下と排尿困難等を発症し、中枢神経系の障害によると結論」(ACGIH(7th, 2001))との記述がある。以上より、区分1(中枢神経系)とした。EU分類はXn; R48/20(EU-Annex I)である。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データがないので分類できない。


環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - 水生生物に有害 魚類(ファットヘッドミノー)による96時間LC50 = 67.3mg/L(HSDB, 2006; Aquire, 2009)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分3 - - 長期的影響により水生生物に有害 急性毒性区分3であり、急速分解性に関するデータがないことから区分3とした。

(注)
「物理化学的危険性」及び「健康に対する有害性」:平成20年度経済産業省委託事業による分類結果
「環境に対する有害性」:平成20年度環境省委託事業による分類結果


参考資料

政府向けGHS分類ガイダンス

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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