GHS分類結果 (経済産業省・環境省平成20年度事業(注))

ID1-319 1-ノナノール(CAS番号 143-08-8) 分類実施日 H21.3.31
使用マニュアル 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - 液体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - 液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - 液体である。
6 引火性液体 区分4 - 警告 可燃性液体 NFPA(13th,2002)による引火点は74℃であり、区分4に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - 液体である。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点260℃(Lide,88th,2007))。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - 液体である。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - 液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - データがなく分類できない。


健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - ラットを用いた経口投与試験のLD50値3,560 mg/kg、12,000 mg/kg(環境省リスク評価 第6巻(2008)、HSDB(2006))から、低い値3,560 mg/kgは国連GHS急性毒性区分5に該当するが、国内では不採用区分につき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値2,960 mg/kg(Patty(5th, 2001)) は国連GHS急性毒性区分5に該当するが、国内では不採用区分につき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4
警告 吸入すると有害 25℃における飽和蒸気圧濃度は0.18 mg/Lである。マウスを用いた2時間吸入暴露試験のLC50値5,500 mg/m3(環境省リスク評価第6巻(2008)、Patty(5th, 2001))よりミスト基準を適用する。4時間換算LC50値は2.75 mg/Lであり、ミスト基準を適用し、区分4とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - ウサギを用いた24時間皮膚刺激性試験の結果で、「非希釈液で刺激性スコア5.8/8.0であり、10-14日で回復」(HSDB(2006))との記述があるが、データ不足のため分類できない。
なお、ヒトについて、「ボランティア実験で、本物質2%を含むワセリンは皮膚の刺激や感作を示さなかった」(環境省リスク評価第6巻(2008)、Patty(5th, 2001))との記述があるが、非希釈の本物質を使用したデータではないため採用できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A
警告 強い眼刺激 「1-ノナノールの眼刺激性スコアをEU基準で評価すると眼刺激物質であると考えられる」(Patty(5th,2001))との記述、及び、ウサギを用いた24時間眼刺激性試験で「非希釈液の平均刺激スコアが33.3/110であり、症状はslightな紅斑、大量の眼漏(copious discharge)、角膜のにごりである」(HSDB(2006))との記述から、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:分類できない
- - - 呼吸器感作性:データがないので分類できない。
皮膚感作性:「ボランティア実験で、本物質2%を含むワセリンは皮膚の刺激や感作を示さなかった」(環境省リスク評価 第6巻(2008))、「ヒトに対してノナノール(2%ペトロラタム溶液)は皮膚感作性物質ではない」(Patty(5th, 2001))旨の記述があるが、一般化するには不充分であり、加えて動物データもないので分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - データがないので分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - 妊娠期間1日から19日の雌ラットを用いた7時間吸入暴露試験で、「母ラットの体重、胚吸収、胎仔の体重、性比、骨格、内臓等への投与に関連した影響はみられなかった」(環境省リスク評価 第6巻(2008)、Patty(5th, 2001))旨、記述されている。また、妊娠期間1日から15日の雌ラットを用いた経口投与試験で、「胚・胎児毒性、骨化遅延を含む胎児の発育遅延が報告されている」(Patty(5th, 2001))旨の記述があり、一次文献(Sov. J. Dev. Biol. 22 (1990))を調査したところ、「胎児について、催奇形性はみとめられないが内臓や骨格の発育異常をもたらす」旨、記述されているが、症状については、メタノールからデカノールまでのいくつかのアルコールに対する結果で、ノナノールでいかなる症状が現れたのかは不明である。以上より、分類できない。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)
警告 (気道刺激性)呼吸器への刺激のおそれ 動物に対する急性試験の結果で、「皮膚や眼、気道に対する刺激性がある」(Patty(5th, 2001))との記述から、区分3(気道刺激性)とした。
なお、ラットを用いた経口投与試験の結果、「体重減少、衰弱の進行(increasing weakness)、眼漏、虚脱の兆候があり、剖検の結果、肺の出血、肝臓の変色、胃腸炎が観察された」(HSDB(2006))旨の記述があるが、発現した投与量が不明である。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分2(眼)
警告 長期又は反復暴露による臓器(眼)の障害のおそれ ウサギを用いた6ヶ月間吸入暴露試験で、区分2のガイダンス値の範囲内で「網膜の光受容細胞及びミュラー線維で微細構造に変化がみられた」(環境省リスク評価第6巻(2008)、HSDB(2006))旨、記述されていることから、区分2(眼)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - 「10匹中10匹のラットがaspirationにより死亡し、死亡は即時であり、呼吸停止が原因である」(Patty(5th, 2001))旨の記述がある。また、20℃における動粘性率を計算すると14.13mm2/s(HSDB(2006))であり、40℃では20.5mm2/s以下になることが予想されるが、炭化水素ではないため該当しない。国連GHS区分2に該当するが国内では不採用区分であり、分類できない。


環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - 水生生物に毒性 藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間EC50 = 2.2mg/L(環境庁生態影響試験, 1999)から区分2とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分2
- 長期的影響により水生生物に毒性 急性毒性区分2であり、急速分解性に関するデータがないため、区分2とした。

(注)
「物理化学的危険性」及び「健康に対する有害性」:平成20年度経済産業省委託事業による分類結果
「環境に対する有害性」:平成20年度環境省委託事業による分類結果


参考資料

政府向けGHS分類ガイダンス

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


物質一覧ページに戻る

GHS関連情報トップページに戻る