項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 96-45-7 |
名称 | 2-イミダゾリジンチオン (別名:エチレンチオウレア) |
物質ID | 25B0059 |
分類実施年度 | 平成25年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成21年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、ICSC(1994)では「可燃性」との記載がある。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、900 mg/kg、940 mg/kg、1,832 mg/kg の報告(DFGOT vol.11(1998)、NITE初期リスク評価書(2008)、NTP TR388(1992)、JMPR(1993))に基づき、区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、DFGOT vol.11(1998)には、モルモットを用いた24時間閉塞適用した試験の記載があるが、刺激の強さ等の記載がない。また、NITE初期リスク評価書(2008)には、本物質がヒトの皮膚と眼に対して刺激性を有するとの報告があるが、詳細は不明であるとの記載がある。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、NITE初期リスク評価書(2008)には、ウサギを用いた24時間眼一次刺激性試験で軽度の刺激性がみられたとの報告、及びヒトの皮膚と眼に対して刺激性を有するとの報告があるが、詳細は不明である。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
DFGOT vol.11(1998)には、ヒトへの影響で、手と腕にかゆみを伴う発疹を生じたゴム工場の女性労働者がパッチテストを行った結果、陽性であったとの報告、皮膚科200人にパッチテストを行った結果、1人で陽性であったとの報告、皮膚科で患者30人中2人で陽性結果が得られたとの報告がある。またモルモットを用いたマキシマイゼーション試験で10匹中7匹に陽性がみられたとの報告がある(DFGOT vol.11(1998))。以上の情報に基づき区分1とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、マウスの優性致死試験、ラット骨髄細胞、マウス骨髄細胞及び末梢血の小核試験、ラット骨髄細胞の染色体異常試験、マウス骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験、マウス骨髄細胞のDNA損傷試験でいずれも陰性である(NITE初期リスク評価書(2008)、IARC 79(2001))。In vitroでは、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性、細菌の復帰突然変異試験及びマウスリンフォーマ試験で陰性に陽性が混じるが、この陽性結果はいずれも高用量での反応であり、かつ弱い陽性である(厚労省既存化学物質毒性データベース(Access on September 2013)、NITE初期リスク評価書(2008)、IARC 79(2001)、NTP DB(Access on September 2013))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | IARCはグループ3と記載されている(IARC 79(2001))。しかし、ラットを用いた発がん性試験で、甲状腺の濾胞細胞腺腫/がん及びジンバル腺腫瘍や単核球性白血病が有意に増加し、また、マウスの発がん性試験で肝がん及びリンパ腫、甲状腺の濾胞細胞腺腫/がん、肝細胞腺腫/がん、及び下垂体前葉の腺腫/がんが有意に増加した(NITE初期リスク評価書(2008))などの発がん性を示す報告がある。また、日本産業衛生学会では第2群Bに(産衛学会勧告(2013))、NTPではRに分類されている(NTP ROC 12th(2011))。したがって、IARC 79(2001)を優先し、「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットの経口投与2世代試験で生殖毒性はみられなかった(DFGOT vol.11(1998))が、ラット用いた経口投与試験(器官形成期:妊娠8-19日に単回投与)で親に毒性を示さないばく露量で、吸収胚の増加、水頭症がみられ(NITE初期リスク評価書(2008))、ラット用いた経口投与試験(器官形成期:妊娠6-15日)で親の毒性の記載はないが、水頭症、欠指がみられた(NITE初期リスク評価書(2008))。また別のラットを用いた経口投与試験(器官形成期:妊娠7-21日)で親に毒性を示さないばく露量で水頭症、親に毒性を示すばく露量で中枢神経系及び骨格の奇形、口蓋裂などがみられた(NITE初期リスク評価書(2008)、IARC 79(2001))。更に、ウサギを用いた経口投与試験(器官形成期:妊娠7-21日)で親に影響がない用量で吸収胚の増加(NITE初期リスク評価書(2008)、IARC 79(2001))、ハムスターを用いた経口投与試験(器官形成期:妊娠6-13日)親に影響がない用量で用量依存的な胎児の死亡数増加や体重減少のほか、骨格系及び肺に奇形がみられ、中枢神経系に影響が認められている(DFGOTvol.11(1998))。以上の情報に基づき、区分1Bとした。なお、EU DSD分類では「Repr.Cat.2;R61」、EU CLP分類では「Repr. 1B、H360D」に分類されている。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ラットの経口投与において肝臓の相対重量増加と脂肪蓄積がみられたとの報告があるが、その他の毒性所見や投与量については不明であることから標的臓器としなかった(NITE初期リスク評価書(2008))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(下垂体、甲状腺) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ラットに13週間、1年間、又は2年間混餌投与した試験において、区分1の用量範囲(0.25-8.3 mg/kg/day)で甲状腺への影響(重量増加、濾胞上皮細胞の過形成、甲状腺ホルモンの変動、濾胞腔内のコロイドの減少)、区分2に該当する用量(12.5-25 mg/kg/day)で下垂体の細胞空胞化がみられた(NITE初期リスク評価書(2008))。また、ラットの28日間強制経口投与試験において、区分1に該当する用量(6-30 mg/kg/day(90日換算値: 1.9-9.3 mg/kg/day))で、甲状腺に腫大、濾胞上皮細胞の肥大、コロイドの減少、下垂体前葉に好塩基性細胞の肥大がみられている(厚労省既存化学物質毒性データベース(Access on October 2013))。すなわち、下垂体-甲状腺系が標的臓器と考えられた。なお、下垂体-甲状腺系への影響はマウスの反復経口ばく露でも認められたが、区分2又は区分外の用量での所見であった。また、ラット、マウスの一部の試験では肝臓に小葉中心性肝細胞肥大がみられたが、異物に対する適応反応と考え、肝臓は標的臓器に含めなかった。以上より区分1(下垂体、甲状腺)とした。なお、今回の分類では新たに厚労省報告を情報源として加えたため、「下垂体」の区分が旧分類から変更された。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 |
- |
H402 |
P273
P501 |
甲殻類(オオミジンコ)による48時間EC50 = 13.3 mg/L(NITE初期リスク評価, 2008)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 急速分解性がないが(BODによる分解度:0%(既存点検, 1982))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 2.50 mg/L(NITE初期リスク評価, 2008)であることから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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