GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 57-06-7
名称 イソチオシアン酸アリル
物質ID 25B0057
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成21年度  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点46℃(密閉式)(ICSC(1997))に基づいて区分3とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 タイプG
-
-
- - 分子内に自己反応性に関連する原子団(不飽和結合)を含むが、UNRTDGで国連分類UN1545、クラス6.1、副次危険3、PGII(安定剤(BHT)を含むもの)であり、タイプGと判断した。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - UNRTDGで国連分類UN1545、クラス6.1、副次危険3、PGII(安定剤を含むもの)であり、優先評価のクラス4.2、PGIには該当しない。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立されていない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、339 mg/kg、490 mg/kg の報告(NTP TR234(1982)、IARC 73(1999)、EPA Pesticide(1993))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分2


危険
H310 P302+P352
P361+P364
P262
P264
P270
P280
P310
P321
P405
P501
ウサギのLD50値として、88 mg/kg の報告(RTECS(2008)、E.H. Vernot, et al.,(1977))に基づき、区分2とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ヒトに対し「粘膜を刺激し、湿疹様又は小水疱性皮膚反応を生じる」及び「本物質は皮膚、粘膜に対し強い刺激性を起こす」(IARC 73(1999))との記述に基づき区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、HSDB(Access on December 2013)には、本物質は非常に強い刺激臭を有し、その蒸気は視力障害を伴う角膜炎を引き起こす可能性があるとの記載がある。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
本物質は感作性物質としてFrosch接触アレルゲンリスト(Frosch et al. Contact Dermatitis 5th Ed.(2011))に収載されていることから、区分1とした。なお、旧分類でIUCLD(2000)の情報が報告されていたが、今回の見直しでは確認できなかった。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、マウス及びラットの優性致死試験で陰性(IARC 73(1999))、マウス骨髄細胞及び末梢血の小核試験、マウス及びラット骨髄細胞の染色体異常試験で陰性(マウス骨髄細胞の染色体異常試験で"equivocal(あいまいな結果)"との結果あり)、マウス骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験で陽性である(NTP DB(Access on September 2013)、IARC 73(1999))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性、陽性の結果が存在し、マウスリンフォーマ試験で陽性である(NTP DB(Access on September 2013)、IARC 73(1999))。なお、マウス骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験での陽性結果は、媒体にDMSOを用い腹腔内投与した知見であり、妥当性に疑問がある。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - IARCによりグループ3に分類されている(IARC 73(1999))ことから、分類ガイダンスの改訂により「分類できない」とした。なお、ラット及びマウスの103週間経口投与試験が実施されており、ラットでは、雄の膀胱に対照群では認められなかった移行上皮乳頭腫の発生、また、雌の皮下組織に線維肉腫の発生増加傾向を示したが、マウスでは腫瘍発生頻度の増加は認められなかった。その結果、ラット雄に発がん性があり、雌は発がん性が不確実、マウスでは雌雄ともに発がん性なしとの報告がある(NTP TR234(1982))。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットを用いた経口経路(強制)での発生毒性試験において、母動物毒性がみられる用量においても胎児に影響がみられていないとの報告がある(IARC 36(1985))。また、マウス、ラット、ハムスター、ウサギを用いた経口経路(強制)での発生毒性試験において、いずれの動物種でも投与に関連した母体の毒性及び催奇形性は認められなかったが、マウスでのみ最高用量群(28 mg/kg/day)で胎児の死亡及び吸収胚の増加がみられたが有意ではなかった(死亡又は吸収、高用量群:38/276;対照群:15/264、平均生存胎児/腹、高用量群:9.92;対照群:11.3)との報告がある(IARC 36(1985))。母体に毒性が認められていない用量での発現であるが有意でないこと、生殖能に関する試験報告が得られていないことから分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、ラットの強制経口投与(200-400 mg/kg)により回復性の不活発、流涙、粗毛がみられ(NTP TR234(1982))、マウスの強制経口投与試験(100-800 mg/kg)では不活発、粗毛、胃粘膜表面の肥厚と壊死がみられた(NTP TR234(1982))。胃粘膜の所見は本物質の刺激性に起因するものと考えられる。その他の所見は特定標的臓器に区分するに足らないと判断し、分類できないとした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(肝臓、腎臓、膀胱)


警告
H373 P260
P314
P501
ラットの6週間強制経口投与試験において、区分2に該当する用量(40 mg/kg/day;(90日換算値:18.5 mg/kg/day))で腎臓への影響(腎機能低下に関連した組織変化)がみられた(IARC 73(1999))との記述、並びにラット及びマウスの2年間強制経口投与試験において、区分2の用量範囲(12-25 mg/kg/day)で、膀胱移行上皮の過形成(ラット)、肝臓の細胞質の空胞化(マウス)がみられた(NTP TR234(1982))との記述より、区分2(肝臓、腎臓、膀胱)とした。なお、旧分類ではNTPの14日間及び13週間投与試験の結果のみで分類しているが、今回はIARCの記述、NTPの2年間投与試験の結果も考慮し、標的臓器を特定した。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
魚類(メダカ)による96時間LC50=0.077 mg/L(ECETOC TR91, 2003)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急速分解性がなく(BIOWIN)、魚類(メダカ)28日間NOEC = 0.0085 mg/L(ECETOC TR91, 2003)であることから、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る