GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 62-23-7
名称 p-ニトロ安息香酸
物質ID 25B0052
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成22年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない
-
-
- - 爆発性に関連する原子団(ニトロ基)を含み、酸素収支は-120と判定基準の-200より高いがデータがなく分類できない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、ICSC(2008)では「可燃性」との記載がある。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 爆発性に関連する原子団(ニトロ基)を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 発火点が300℃(ICSC(2008))であり、常温では発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素(N)と結合しているが、データがなく、分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、1,960 mg/kg(NTP TR442(1994))の報告に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - ウサギを用いた試験(OECD TG 404)で、刺激性なしと報告されている(IUCLID(2000))ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた試験(OECD TG 405)で、軽度の刺激性と報告されている(IUCLID(2000))ことから、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、マウス末梢血赤血球の小核試験、チャイニーズハムスター骨髄細胞の染色体異常試験で陰性(NTP TR442(1994)、IUCLID(2000)、NTP DB(Access on September 2013)、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性(NTP TR442(1994)、IUCLID(2000)、NTP DB(Access on September 2013))、hgprt遺伝子突然変異試験で陰性である(IUCLID(2000))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、ラット及びマウスに2年間混餌投与した試験において、ラットでは雄で発がん性の証拠はなく、雌で陰核腺腺腫、陰核腺の腺腫と癌腫を合わせた発生頻度の増加が認められたが、マウスでは雌雄とも発がん性の証拠はみられなかったとの報告がある(NTP TR442(1994))。
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
マウスを用い交尾前7日間及び98日間の同居期間中に混餌投与した連続交配試験で、受胎能及び生殖能とも用量依存的な障害を生じ、ほとんど全ての生殖指標に悪影響を及ぼした。交差交配の結果、雌の生殖系に対する影響が示された(NTP TR442(1994)、NTIS PB90-253766(1990))。以上の影響は、一般毒性として体重増加抑制が起きていない用量群でも認められたことから、区分1Bとした
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(血液系)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
ラットの急性経口毒性試験において、1,960 mg/kgを投与した群で、肝臓の髄外造血及び脾臓赤脾髄の骨髄様化生が報告されている(NTP TR442(1994))。さらにマウスの経口投与においても類似の所見(IUCLID(2000))が得られている。また、芳香族ニトロ化合物投与後にメトヘモグロビン形成と造血毒性が認められ、毒性はしばしばマウスよりラットの方が強い(NTP TR442(1994))との報告がある。以上の知見に基づき、区分2(血液系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ラット及びマウスの13週間混餌投与試験において、区分2のガイダンス値範囲内の用量までばく露しても毒性影響はみられなかった。ただし、ラットでは区分外の高用量2,500 ppm(170 mg/kg/day)から脾臓(うっ血、色素(ヘモジデリン)沈着、重量増加)、腎臓(色素(ヘモジデリン)沈着、重量増加)への影響、10,000 ppm(660-680 mg/kg/day)では、加えて血液系(メトヘモグロビン、ハインツ小体及び網状赤血球数の増加並びに赤血球数、ヘモグロビン及びヘマトクリット値の減少)、精巣(精細管萎縮)がみられている。また、2年間の混餌投与試験では、ラットで2,500 ppm(100-125 mg/kg/day)まで、マウスで5,000 ppm(675-905 mg/kg/day)まで非腫瘍性の病変は認められなかった(NTP TR442(1994))。したがって、経口経路では区分外相当であるが、他の経路での毒性情報がなく、データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外
-
-
- - 魚類(ゼブラフィッシュ)による96時間LC50 > 500 mg/L(IUCLID, 2000)であることから、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-
-
- - 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。難水溶性ではなく(水溶解度=200mg/L、HSDB, 2013)、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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