GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 118-96-7
名称 トリニトロトルエン
物質ID 25B0031
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 等級1.1


危険
H201 P370+P380
P210
P230
P240
P250
P280
P372
P373
P401
P501
国連分類はUN0209、クラス1.1Dに分類されている。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - 爆発物に分類されているが、可燃性に関するデータがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 国連分類はUN0209、クラス1.1Dに分類されている。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - 爆発物に分類されているが、自然発火性に関するデータがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 爆発物に分類されているが、自己発熱性に関するデータがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 区分外
-
-
- - 国連分類はUN0209、クラス1.1Dに分類されている。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットLD50値として(795 mg/kg(雌)(ATSDR(1995)、ACGIH(7th, 2001)、IARC 65(1996)、DFGOT vol.1(1991))、820 mg/kg((ATSDR(1995)、DFGOT vol.1(1991))、1,010 mg/kg(雄)(ATSDR(1995))、1,320 mg/kg(雄)(ATSDR(1995)、ACGIH(7th, 2001)、IARC 65(1996)、DFGOT vol.1(1991))、1,663.8 mg/kg(雌)(DFGOT vol.1(1991))、1,837.8 mg/kg(雄)(DFGOT vol.1(1991))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ACGIH(7th, 2001)、DFGOT vol.1(1991)、IARC 65(1996)のヒトばく露例で皮膚炎が認められた事例の記述、及び産衛学会許容濃度の提案理由書(1993)の皮膚に対し刺激性を有するとの記述から、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
PATTY(6th, 2012)、IARC 65(1996)のヒトで眼に対し刺激性を有するとの記述から、区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
IARC 65(1996)のヒトでアレルギー性接触皮膚炎の報告があるとの記述から、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いる小核試験及びラットの骨髄細胞を用いる染色体異常試験(IRIS(2012)、IARC 65(1996))並びに、ラットの肝細胞を用いる不定期DNA合成試験(IARC 65(1996)、IRIS(2012)、ATSDR(1995))で陰性の報告がされている。一方、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験(IARC 65(1996)、DFGOT vol.1(1991)、IRIS(2012)、ACGIH(7th, 2001))及び哺乳類培養細胞を用いるマウスリンフォーマ試験(IARC 65(1996)、ACGIH(7th, 2001))で陽性である。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - IARC 65(1996)でグループ3、IRIS(1996)でCに分類されていることから、分類できないとした。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
PATTY(6th, 2012)には、男性労働者の職業ばく露による精子への影響を示唆する記述や、ATSDR(1995)の精液量及び運動性精子数の減少並びに精子奇形の増加を示すケースコントロール調査の結果についての記述があるが、ばく露による影響であることの証拠としては不十分であると述べられている。一方、ACGIH(7th, 2001)、DFGOT vol.1(1991)、IARC 65(1996)のラットの反復ばく露で他の毒性作用を示す用量で精巣萎縮が認められたとの記述があることから、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(血液系、肝臓)、区分3(気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトでの吸入ばく露による影響として、DFGOT vol.1(1991)及びACGIH(7th, 2001)に溶血による貧血様影響及び肝障害を示唆する血中酵素(SGOT、LDH)活性の上昇、ACGIH(7th, 2001)及びPATTY(6th, 2012)にメトヘモグロビン血症、急性肝障害(黄色萎縮化)、肝炎の記述があり、標的臓器は血液系及び肝臓と考えられ、区分1とした。また、ACGIH(7th, 2001)及びPATTY(6th, 2012)にヒトの鼻及び喉を刺激する可能性があるとの記述、IARC 65(1996)のヒト職業ばく露例で呼吸器症状の発現が多いとの記述から、気道刺激性があると考えられ、区分3とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(血液系、肝臓、眼、心臓、末梢神経系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトでの吸入反復ばく露による影響として、ACGIH(7th, 2001)、DFGOT vol.1(1991)、IARC 65(1996)、PATTY(6th, 2012)に貧血、肝障害及び白内障が認められるとの記述、DFGOT vol.1(1991)、ACGIH(7th, 2001)の職業ばく露例で心筋ジストロフィー又は心臓の異常、及び末梢神経炎がみられるとの記述から、標的臓器は血液系、肝臓、眼、心臓、末梢神経系と考えられ、区分1とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(ミシッドシュリンプ)による96時間LC50=0.26 mg/L(AQUIRE, 2013)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.48 mg/L(AQUIRE, 2013)であることから、区分2となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の96時間IC50 = 0.72 mg/L(AQUIRE, 2013)であることから、区分1となる。
以上の結果を比較し、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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