項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 84-74-2 |
名称 | フタル酸ジ-n-ブチル |
物質ID | 25B0015 |
分類実施年度 | 平成25年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成19年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 引火点157℃(closed cup)(HSDB(Access on July 2013))であり、93℃を超える。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が402℃(HSDB(Access on July 2013))であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットに対する経口投与のLD50 = 6,300 mg/kg(EU-RAR(2004))、8,000 mg/kg(EU-RAR(2004), PATTY(6th, 2012))に基づき、区分外とした。なお、23歳の男性労働者がおよそ10 gを誤飲したヒト事例において、嘔吐、めまい、数時間後に流涙、眼の痛みを生じ、重度の角膜炎を生じた。尿検査で、顕微血尿、シュウ酸結晶、白血球が認められた(EU-RAR(2004))との記載がある。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - |
ウサギに対する経皮投与のLD50 ≧4,000 mg/kg(EHC 189(1997))、> 20,000 mg/kg(EU-RAR(2004)、PATTY(6th, 2012)、NITE 初期リスク評価書(2005))に基づいて、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 |
- |
- | - | ラットにおけるLC50(ミスト)≧15.68 mg/L(EU-RAR(2004))に基づいて、区分外とした。なお、エアロゾル吸入試験によるとの記載に基づき、分類にはミストとして mg/Lを単位とする基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | NITE初期リスク評価書(2005)、EU-RAR(2003)には、皮膚刺激性がみられたとの記載があるが、EU-RAR(2003)の補遺EU-RAR(2004)(Addendum to the Environmental Section)にて、OECD TG404に準拠した試験で刺激性となしの結果が記載され、補遺 EU-RAR(2004)の結論として刺激性なしとしていることから、区分外(国連分類基準の区分3)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 |
- |
- | - |
NITE初期リスク評価書(2005)、EU-RAR(2003)には、眼刺激性がみられ、48又は72時間後に回復しているとの記載があるが、EU-RAR(2003)の補遺EU-RAR(2004)(Addendum to the Environmental Section)にて、OECD TG405に準拠した試験で刺激性となしの結果が記載され、補遺EU-RAR(2004)の結論として刺激性なしとしていることから、区分外(国連分類基準の区分3)とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
EU-RAR(2004)、EHC 189(1997)の記述から、動物実験ではフタル酸ジブチルは皮膚感作性を示していないが、ヒトの事例研究から陽性を示唆する結果があり、産衛学会勧告(2012)は皮膚感作性を第2群に、日本職業・環境アレルギー学会特設委員会(2004)は皮膚感作性有りに分類しているため、区分1とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | 分類ガイダンスの改訂により、「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、In vivoでは、マウスの末梢血赤血球を用いる小核試験で陰性の結果が報告されている(NITE初期リスク評価書(2005)、 EHC 189(1997)、EU-RAR(2004))。さらに、in vitroでは、細菌を用いる復帰突然変異試験の1例で代謝活性化系非存在下のTA100において陽性がみられているが、その他の復帰突然変異試験ではすべて陰性である。また、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験も陰性である。哺乳類培養細胞を用いるマウスリンフォーマ試験では陰性及び陽性結果が認められるものの、EU-RAR(2004)、EHC 189(1997)、SIDS(2001)、CaPSAR(1994)では、本物質は変異原性なしと結論している。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | IRIS(1993)でDに分類されていることから、分類ガイダンスの改訂に従い、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
NITE初期リスク評価書(2005)の記述から、ラット及びマウスに経口(混餌)投与した生殖毒性試験でF0の生殖能低下、精巣の萎縮、精子生産能の低下、妊娠中期の流産、出産児数(率)の低下がみられ、また、妊娠ラット及びマウスに経口(強制または混餌)投与した複数の発生毒性試験で胎児、児動物に奇形(外表奇形、骨格奇形)が見られ、さらに、ラットでは次世代雄の精巣及び副生殖腺の発生異常が見られている。ラットの生殖毒性及びラット、マウスにおける発生毒性影響の多くは親動物に体重増加抑制、肝臓重量増加などの一般毒性影響がみられない用量から発現している。したがって、分類ガイダンスに従い区分1Bに分類した。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) |
警告 |
H335 |
P304+P340
P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
マウスに吸入ばく露(エアロゾル)した試験で、250 mg/m3(ガイダンス値換算: 0.125 mg/L/4hr)で上気道刺激、呼吸抑制症状などがみられており(ACGIH(7th, 2001))、区分3(気道刺激性)に分類した。なお、旧分類では区分1(腎臓)も分類に採用していたが、ヒトの腎臓への影響に関する報告は1例のみの症例報告であり、ヒトの神経系への影響は本物質による影響と結論できない(NITE 初期リスク評価書(2005))など、ヒトへの影響に関して分類に用いるのに適切なデータはないと判断した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ラットの4週間吸入(エアロゾル)ばく露試験で、区分1のガイダンス値の範囲内の低濃度(118 mg/m3: ガイダンス値換算濃度: 0.00036 mg/L/6 hr)から、局所影響として鼻腔粘膜細胞の過形成及び喉頭の扁平上皮化生が認められたとの記述(EU-RAR(2004))があり、区分1(呼吸器)に分類した。経口投与ではマウス及びラットのいずれの試験も区分2のガイダンス値を超える高用量(238 mg/kg/day以上)で、肝臓、血液、精巣などに有害性影響が見られた(NITE初期リスク評価書(2005))。したがって、区分1(呼吸器)とした。なお、ヒトへの影響に関して信頼できる報告はない。また、旧分類の区分2(肝臓)は旧分類で分類根拠を示しておらず、今回も標的臓器に含まれないことを確認したため、削除した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
魚類(イエローパーチ)の96時間LC50 = 0.35 mg/L(NITE初期リスク評価, 2005; CEPA, 1994; EU-RAR, 2003; EHC 189, 1997)から区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 |
- |
H411 |
P273
P391 P501 |
急速分解性があり(28日間BOD分解度=69%(既存点検, 1975)、BOD5:COD ratio = 0.63(EU-RAR, 2003))、甲殻類(ヨコエビ科の一種)の10日間NOEC = 0.10 mg/L(NITE初期リスク評価, 2005他)、魚類(ニジマス)の99日間NOEC = 0.10 mg/L(NITE初期リスク評価, 2005他)であることから、区分2とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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