GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 7446-20-0
名称 硫酸亜鉛七水和物
物質ID 25B0003
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外
-
-
- - 不燃性(ICSC(2001))。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 不燃性(ICSC(2001))。
11 自己発熱性化学品 区分外
-
-
- - 不燃性(ICSC(2001))。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 水溶解度:54 g/100 mL(20℃)(ICSC(2001))という情報があり、水と激しく反応しないことが認められている。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - 所定の試験によるデータがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 無機物質である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットにおけるLD50=1,000-2,000 mg/kg bw(EU-RAR(2004))、1,757.17 mg/kg(雄)、1,229.27 mg/kg(雌)(農薬工業会(1994))より区分4とした。

【注記】 硫酸亜鉛1水和物(CAS No. 7446-19-7)及び本物質の無和物である硫酸亜鉛(CAS No. 7733-02-0)の分類結果についても参照のこと。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ラットにおけるLD50>2,000 mg/kg bw(EU-RAR(2004))より区分外とした。今回の調査で入手した EU-RAR(2004)のデータを追加したため区分が変更になった。

【注記】 硫酸亜鉛1水和物(CAS No. 7446-19-7)及び本物質の無和物である硫酸亜鉛(CAS No. 7733-02-0)の分類結果についても参照のこと。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - NITE総合検索(2012)に蒸気圧について"実質的に 0 mmHg "との記載があり、蒸気ばく露は困難と考えられ、分類対象外とした。

【注記】 硫酸亜鉛1水和物(CAS No. 7446-19-7)及び本物質の無和物である硫酸亜鉛(CAS No. 7733-02-0)の分類結果についても参照のこと。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

【注記】 硫酸亜鉛1水和物(CAS No. 7446-19-7)及び本物質の無和物である硫酸亜鉛(CAS No. 7733-02-0)の分類結果についても参照のこと。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験(Directive 92/69/EEC B.4 及び OECD guideline 404準拠)では、耳介に本物質0.5gを4時間、半閉塞適用した結果、刺激性はみられなかった(EU-RAR(2004))。また、ウサギを用いた他の皮膚一次刺激性試験では、背部皮膚2か所(健常皮膚および損傷皮膚)に本物質0.5gを4時間適用した結果、健常皮膚と損傷皮膚のいずれにも皮膚反応は認められなかった(農薬工業会(1994))。さらに、EU-RAR(2004)には、「本物質は皮膚腐食性物質ではない」との記述があり、「EUおよびOECD ガイドライン準拠の試験に基づき、硫酸亜鉛は皮膚刺激性/腐食性物質とは考えられない」と結論している。以上の情報に基づき区分外とした。今回の調査で入手したList1(EU-RAR(2004))及びList2(農薬工業会(1994))のデータをもとに分類した。

【注記】 硫酸亜鉛1水和物(CAS No. 7446-19-7)及び本物質の無和物である硫酸亜鉛(CAS No. 7733-02-0)の分類結果についても参照のこと。

3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギを用いた眼刺激性/腐食性試験(Directive 92/69/EEC B.5 及び OECD guideline 405準拠)では、角膜損傷、結膜発赤、結膜浮腫及び眼脂がみられた。下眼瞼組織、瞬膜及び/もしくは強膜に黄色/白色斑が適用後7日からみられ、いずれも試験期間内に回復しなかった(EU-RAR(2004))。EU-RAR(2004)には、「これらの黄色/白色斑は壊死の徴候である」と記載されており、「ECクライテリアでは、本物質は眼に重度の刺激を引き起こすと考えられ、「R41」相当とするべきである」との記載がある。以上の情報に基づき区分1とした。今回の調査で入手したList1(EU-RAR(2004))のデータをもとに分類した。

【注記】 硫酸亜鉛1水和物(CAS No. 7446-19-7)及び本物質の無和物である硫酸亜鉛(CAS No. 7733-02-0)の分類結果についても参照のこと。

4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分外
-
-
- - モルモットを用いた皮膚感作性試験(Directive 96/54/EC B.6及びOECD TG 406準拠のマキシマイゼーション試験)では、本物質0.1%水溶液を皮内投与後、50%水溶液で経皮適用して感作、50%水溶液で経皮適用して惹起した結果、陰性であった(EU-RAR(2004))。また、別のモルモットを用いた皮膚感作性試験(マキシマイゼーション法)で、「陽性対照群には全例に赤斑、痂皮および浮腫がみられ、明らかな陽性反応を示したが、検体群および陰性対照群ではいずれの観察時にも皮膚反応は認められなかった。」との記載がある(農薬工業会(1994))。さらに、EU-RAR(2004)では、「本物質は皮膚感作性物質とは考えられない」と結論している。以上の情報に基づき区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。すなわち、ほとんどの硫酸亜鉛の情報は、無水物、水和物の記載がなく、明確に7水和物と記載されたデータはない。なお、無水物と記載された情報としては、マウスのin vivoコメットアッセイの陽性結果(NITE(2008))のみである。また、硫酸亜鉛(無水物、水和物の記載なし)のin vivoの情報は、染色体異常試験、小核試験、優性致死試験のいずれも陰性の結果である(NITE(2008)、EU-RAR(2004)、ATSDR(2009)、EHC(2001)、IUCLID(2000)、HSDB(2006))。さらに、硫酸亜鉛(無水物、水和物の記載なし)のin vitroの情報は、細菌の復帰突然変異試験(NITE(2008)、EU-RAR(2004)、ATSDR(2009)、EHC(2001)、IUCLID(2000)、HSDB(2006))、哺乳類培養細胞の染色体異常試験(NITE(2008)、EU-RAR(2004)、IUCLID(2000)、HSDB(2006))で陰性、哺乳類培養細胞のHGPRT遺伝子突然変異試験(IUCLID(2000))で陽性である。

【注記】 硫酸亜鉛1水和物(CAS No. 7446-19-7)及び本物質の無和物である硫酸亜鉛(CAS No. 7733-02-0)の分類結果についても参照のこと。


6 発がん性 分類できない
-
-
- - 既存分類や毒性情報がないため、「分類できない」とした。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

【注記】 硫酸亜鉛1水和物(CAS No. 7446-19-7)及び本物質の無和物である硫酸亜鉛(CAS No. 7733-02-0)の分類結果についても参照のこと。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(消化管)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
ラットの経口投与による急性毒性試験(OECD TG 423)において、2,000 mg/kgで2/6例が死亡し、死亡例では消化管に胃粘膜の肥厚及び小腸の出血などの肉眼的変化が認められた(EU-RAR(2004))ことから、区分2(消化管)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。経口経路における動物試験の情報では、毒性が発現する用量がラットで2,486-2,514 mg/kg/day 及びマウスで4,878-4,927 mg/kg/day であり、ガイダンス値の上限100 mg/kg/dayより高く(NITE(2008)、EU-RAR(2004))、区分外に相当する。しかし、他の経路での情報が不十分であり、データ不足のため分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(ネコゼミジンコ属の一種)による96時間LC50=0.095 mg/L(ECETOC TR91, 2003)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、金属化合物で水中での挙動が不明であり、魚類(ニジマス)の8か月間NOEC = 0.343 mg/L(EU-RAR, 2010)であることから、区分2となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、金属化合物で水中での挙動が不明であり、甲殻類(ネコゼミジンコ属の一種)による96時間LC50=0.095 mg/L(ECETOC TR91, 2003)であることから、区分1となる。
以上の結果を比較し、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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