項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 1314-13-2 |
名称 | 酸化亜鉛 |
物質ID | 25B0001 |
分類実施年度 | 平成25年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成21年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性(ICSC(2004))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性(ICSC(2004))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性(ICSC(2004))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水に不溶という情報があり(Merck(2006))、水と激しく反応しないことが認められている。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | 所定の試験によるデータがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機物質である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットLD50 >5,000 mg/kg bw 及び LD50 >15,000 mg/kg bw(EU-RAR(2004))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ウサギの経皮LD50 >5,000 mg/kg(EPA Pesticide(1992))のデータから「区分外」とした。今回の調査で入手した EPA Pesticide(1992)のデータをもとに分類した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 |
- |
- | - | ラットLC50 >5.7 mg/L(4hr)(EU-RAR(2004))に基づきJIS分類による区分外とする。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギの皮膚(耳)に500 mgを24時間閉塞適用して刺激性なしの結果(EU-RAR(2004))、さらにウサギの背部皮膚に0.5 mLを5日間継続し開放または閉塞適用により刺激性なしの結果(EU-RAR(2004))に基づき、区分外とした。なお、モルモットおよびマウスに5日間継続的に開放適用して刺激性なし(ACGIH(2003))、また、ヒトでボランティア6人に40%軟膏 を閉塞適用し1人だけ発疹と小胞性膿疱を認めたが、酸化亜鉛によるものかまたは他の刺激によるものか分からないとしている(EU-RAR(2004))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギ3匹の結膜嚢に適用した試験(OECD TG 405)において、角膜混濁は見られず、虹彩炎は適用1時間目のみ1匹だけがスコア1、結膜発赤は全例がスコア1~2で72時間目で完全に回復、結膜浮腫(分泌物は適用1時間目のみ全例がスコア1)は適用1時間目のみ全例がスコア2であった(EU-RAR(2004))ことから、区分外とした。なお、ウサギを用いた別の試験でも、適用2日後まで軽度の結膜発赤と浮腫を認めたのみで「刺激性なし」あるいは「軽度の刺激性」と評価されている(EU-RAR(2004))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 |
- |
- | - | モルモットの皮膚感作性試験(マキシマイゼーション試験: Directive 96/54/EC B.6 & OECD TG 406)の結果が3件報告され(EU-RAR(2004))、各試験での陽性率はそれぞれ(1)試験群:40%(4/10)、対照群:0%(0/5)、(2)試験群:0%(0/10)、対照群:20%(1/5)、(3)試験群:0%(0/10)、対照群:0%(0/5)であった。1回目の試験で陽性率40%と相容れない結果となったが、酸化亜鉛が強い感作性を有することを示す証拠ではないと述べられている(EU-RAR(2004))。また接触アレルギーの検討を目的としたヒトパッチテストで、酸化亜鉛のみを使用した場合に被験者の14人全員に陽性反応は認められなかった(EU-RAR(2004))。EU-RAR(2004)では結論として「皮膚感作性について分類・表示すべきでない」と述べている。以上の情報に基づき区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、吸入ばく露よるラットの骨髄細胞を用いたin vivo染色体異常試験で極めて軽度の数的異常が認められたものの、本知見はin vivoにおける明確な証拠とは評価されていない(SIDS(2006)、EU-RAR(2004))。なお、in vitro変異原性試験では復帰突然変異試験で陰性、マウスリンフォーマ試験で陽性と報告されている(NITE(2008)、SIDS(2006)、EU-RAR(2004)、EPA IRIS(2005))。なお、旧分類で「ハムスター胚細胞を用いた形質転換試験で陽性(EU-RAR(2004))」の記載があるが、分類ガイダンスに従い検討データの対象から外した。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
米国EPAによりgroup I に分類されている(IRIS(2005))ことに基づき、分類できないとした。分類ガイダンスの改訂に従い区分を変更した。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットを用いた交配21日前から妊娠15日までの混餌投与により0.4%の濃度で全胎児の吸収(NITE(2008)、EU-RAR(2004))、及びラットの妊娠0日から14日までの混餌投与により、2000 ppm以上で死産児の発生(NITE(2008)、EU-RAR(2004))がそれぞれ報告されている。以上の毒性用量で母動物の一般毒性の発現が否定されていないので区分2とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器、全身毒性) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ヒトで酸化亜鉛微粉塵の吸入による金属ヒューム熱の発症が多数報告され、咳、胸痛、悪寒、発熱、呼吸困難、筋肉痛、嘔気など呼吸器系だけでなく全身性に症状が見られている(NITE(2008)、ACGIH(2003))。金属ヒューム熱は主に呼吸器系の症状を呈することから、区分1(呼吸器、全身毒性)に分類した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ラット、フェレットを用いた経口投与による試験が報告されている(EHC(2001)、NITE(2008))が、実施年の古い試験(1953年)、1用量のみの試験あるいは推奨動物種ではないなど、いずれも反復ばく露試験として分類に用いるには疑義が残る。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)による48時間LC50 = 0.098 mg Zn/L(NITE初期リスク評価書, 2008)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
本物質が金属化合物で水中での挙動が不明であるため、慢性毒性データを用いた場合、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC = 24μg Zn/L(29.9μg ZnO/L)(EU-RAR, 2010))であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、本物質が金属化合物で水中での挙動が不明であり、甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50 = 0.098 mg Zn/L(NITE初期リスク評価書, 2008)であることから、区分1となる。 以上の結果から、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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