GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 26444-49-5
名称 りん酸クレジルジフェニル
物質ID 25A0044
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- - 引火点が232℃(closed cup)(HSDB(Access on October 2013))であり、93℃を超えるため区分外とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない(りん酸のP-Oは自己反応性でない)。
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 水溶解度:2.4 mg/L(25 ℃)(HSDB(Access on October 2013))という情報があり、水と激しく反応しないことが認められている。
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素(P)と結合しているが、データがなく、分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値として、6,400 mg/kg(SIDS(2002))の報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ウサギのLD50値として、> 5,000 mg/kg の報告(SIDS(2002))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。SIDS(2002)にはウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404)中で、「重度の刺激性」と、「刺激性なし」との相反する結果の記載があるため、データ不足のため、分類できないとした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
SIDS(2002)にはウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG 405)で重度の刺激がみられたと記載があるため、区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。SIDS(2002)にはヒトとラットに対するパッチテストで感作性はみられなかったとの記載があるが、試験の詳細が不明のため、分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性である。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である。In vivo小核試験で陰性であるため、染色体異常誘発性はないと判断される。なお、SIDSでは本物質には変異原性がないと評価されている(SIDS(2002))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットを用いた経口経路(強制)での反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、60 mg/kg bw/dayで親動物毒性(副腎の肥大と皮質の空胞化(雌雄)、 摂餌量の減少、総コレステロールの増加、コリンエステラーゼの減少、肝臓の肥大(雄)、体重増加抑制、肝臓、腎臓及び胸腺の組織学的変化(雌))がみられ、300 mg/kg bw/dayで雄の精子形成障害に起因すると考えられる生殖影響(受胎率の低下、着床率の低下)がみられた(SIDS(2002)、厚労省既存化学物質毒性データベース(Access on October 2013)、環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート(2011))。親動物毒性がみられる用量で生殖影響がみられることから区分2とした。なお、発生毒性に関する報告は得られていない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(肝臓、腎臓、副腎、胸腺)


警告
H373 P260
P314
P501
ラットに強制経口投与した反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、区分2に該当する用量(30 mg/kg/day(90日換算))で、副腎(肥大及び皮質の空胞化)、肝臓(肥大及び肝細胞の淡明細胞化)、腎臓(近位尿細管上皮の好塩基性化)、胸腺(萎縮)がみられた(SIDS(2002)、厚労省既存化学物質毒性データベース(Access on October 2013)、HSDB(Access on October 2013))。したがって、区分2(肝臓、腎臓、副腎、胸腺)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間EbC50 = 0.99 mg/L(SIDS, 2002)から区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存点検, 1996))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC(繁殖)= 0.12 mg/L(SIDS, 2002)であることから、区分2となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存点検, 1996))、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 1.3 mg/L(SIDS, 2002)であることから、区分2となる。
以上の結果から区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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