GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 13674-84-5
名称 トリス(1-クロロ-2-プロピル)=ホスファート
物質ID 25A0012
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- - 引火点185℃(closed cup)(SIDS(2009))に基づいて区分外とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点> 500℃(IUCLID(2000))より、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 水溶解度1.6g/L(IUCLID(2000))という情報があり、水と激しく反応しないことが認められている。
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - フッ素を含まず、酸素及び塩素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素(P)と結合しているが、データがなく、分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットLD50値として、> 500 mg/kg(雄)、632 mg/kg(雌)、707 mg/kg(雌)、1,011 mg/kg(雌)、< 2,000 mg/kg(雄)、2,800 mg/kg(雌)、3,300 mg/kg(雌)(いずれもEU-RAR(2008))の報告がある。最多数が該当する区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値、> 12.9 g/kg(EU-RAR(2008))、> 2,000 mg/kg(NICNAS(2001)、SIDS(2009))及びウサギのLD50値、> 2,000 mg/kg(EU-RAR(2008)、NICNAS(2001))、> 5,000 mg/kg(EU-RAR(2008))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外
-
-
- - ラットのLC50値(4時間)として、4.6 mg/L(SIDS(2009))、> 5.05 mg/L(雄)、約 5 mg/L(雌)、> 7 mg/L(EU-RAR(2008))報告に基づいて、区分外とした。なお、エアロゾルとの記載に基づき、mg/L を単位とする粉じん及びミストの基準値を適用した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - SIDS(2009)には、製品を含む本物質の試験結果が4件報告されている。代表的なウサギを用いたドレイズ試験における、一次刺激性スコアは8点中0.5であり、健常皮膚と損傷皮膚の違いはみられていない。また、24, 72時間後の一次刺激性スコアはそれぞれ、8点中0.5、8点中0.0であり、刺激性はほとんどみられていないことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外
-
-
- - SIDS(2009)には、製品を含む本物質の試験結果が5件報告されている。代表的なウサギを用いたドレイズ試験における、1、24、48、72時間後の平均スコアはそれぞれ、平均スコアは110点中それぞれ、3、0、0、0であり、眼刺激性はみられていないことから、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス及びラットの末梢血を用いた小核試験、ラット骨髄細胞の染色体異常試験で陰性である(EU-RAR(2008)、NTP DB(Access on August 2013))。また、ラット肝臓を用いたコメットアッセイで陰性である(EU-RAR(2008))。in vitroでは、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性及び陰性、細菌の復帰突然変異試験で陰性である(ATSDR(2012)、EU-RAR(2008)、NTP DB(Access on August 2013))。そのうち、マウスリンフォーマ試験の陽性結果は「Small colony」であり、染色体異常に起因すると判断される。しかし、上記のようにin vivoでは染色体異常が陰性であるため染色体異常誘発性はないと判断した。なお、NICNAS(2001)では、in vivo、in vitroともに遺伝毒性なしと記載している。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットを用いた経口経路(混餌)での発生毒性試験、2世代生殖毒性試験において催奇形性はみられていない。ラットを用いた経口経路(混餌)での2世代生殖毒性試験において、性周期、子宮重量の影響、児の発育不全がみられている(EU-RAR(2008)、SIDS(2009))。したがって区分2と判断した。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(中枢神経系)、区分3(麻酔作用)



警告
H371
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ラットの経口投与において区分2のガイダンスの範囲内(464-2,000 mg/kg)で活動の亢進又は抑制、眼瞼下垂、円背位、振戦、間代性/強直性痙攣、散発的な身体のねじれ、攻撃性、歯をならす、唾液分泌増加、口周囲の赤褐色の被毛の汚れ、下痢、立毛、粗毛、脱毛、脱水、体温低下、痩せ、呼吸困難など主に中枢神経系を介すると考えられる症状がみられたため、区分2(中枢神経系)とした。またラットの吸入ばく露(ミスト)により、ガイダンスの範囲外(5.05 mg/L)において活動抑制、半眼及び閉眼、体重減少、脱毛症、痙攣、呼吸困難がみられている(SIDS(2009)、EU-RAR(2008))ため区分3(麻酔作用)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(肝臓、甲状腺)


警告
H373 P260
P314
P501
ラットの13週間混餌投与試験において、区分2のガイダンス値範囲内の用量(52 mg/kg/day相当)で、雄に肝臓重量の増加、甲状腺濾胞上皮細胞の過形成がみられた(EU-RAR(2008)、IUCLID(2000))との記述がある。ラットに28日間強制経口投与した試験では、最高用量群(1,000 mg/kg/day)においてのみ肝臓への影響(重量増加、肝細胞肥大、血清ALTの低下)が見られている(EU-RAR(2008)、IUCLID(2000))。一方、甲状腺への影響は雄のみの所見であるが、病理学的に重大な意味を有する変化と判断された。以上より、区分2(肝臓、甲状腺)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50 = 51 ppm(EU-RAR, 2008)から区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3
-
-
H412 P273
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(28日間でのBOD分解度=0 %(既存点検, 1989))、 藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(r)= 6 mg/L(EU-RAR, 2008)から区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(28日間でのBOD分解度=0%(既存点検, 2002))、魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50 = 51 ppm(EU-RAR, 2008)であることから区分3となる。
以上の結果から、区分3とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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