GHS分類結果 (経済産業省・環境省平成20年度事業(注))

ID1-292 トリブチルアミン(CAS番号 102-82-9) 分類実施日 H21.3.31
使用マニュアル 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - 液体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - 液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - 液体である。
6 引火性液体 区分4 - 警告 可燃性液体 ICSC(2005)による引火点は63℃(密閉式)であり区分4に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - 液体である。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点210℃(ICSC,2005))。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - 液体である。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機を含まない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - 液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - データがなく分類できない。


健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4
警告 飲み込むと有害 ラットを用いた経口投与試験のLD50値として、540 mg/kg(Patty (5th, 2001)、114 mg/kg(RTECS (2008))がある。List1の情報源に記述されているLD50値 540 mg/kgから、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分2
危険 皮膚に接触すると生命に危険 ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値 250μL/kg(換算値:195 mg/kg)(Patty (5th, 2001)、RTECS (2006))から、区分2とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分1
危険 吸入すると生命に危険 ラットを用いた4時間吸入暴露試験において「暴露濃度75 ppmで死亡数:4/6匹」(Patty (5th, 2001)との記述があり、LC50値は<75 ppmと考えられる。本物質の飽和蒸気圧濃度122.89 ppm(25℃)から、気体基準を適用し、区分1とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データがないので分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2
警告 皮膚刺激 ウサギを用いた24時間皮膚刺激性試験で、アミン類の刺激性をGrade 1-10で評価したところ、本物質は「Grade 4」(Patty (5th, 2001))との記述があり、4時間暴露のデータではないが、本物質は刺激性ありと推定される。また、「皮膚刺激性である」(Patty (5th, 2001)、ICSC (2005))、「皮膚にやけど」、「刺激性がある」(HSDB (2002))との記述があり、可逆性については不明であるがこれらの所見より、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2
警告 強い眼刺激 ウサギを用いた眼刺激性試験で、アミン類の刺激性をGrade 1-10で評価したところ、本物質は「Grade 1:未希釈物質0.5 mLを点眼したところ、非常にわずかな壊死を示す」(Patty (5th, 2001)旨の記述があるが、刺激の程度については不明である。また、「ほとんどの脂肪族アミン類は眼刺激性である」(Patty (5th, 2001))、「重度の影響あり、流涙、結膜炎、角膜浮腫を引き起こす可能性がある」、「刺激性がある」(HSDB (2002))、「軽度の刺激性あり」(ICSC (2005))との記述がある。刺激の程度に重度〜軽度までばらつきがあるが、本物質は皮膚刺激性物質なので区分2とした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:分類できない
- - - 呼吸器感作性:データがないので分類できない。
皮膚感作性: 「皮膚感作性を引き起こす」(Patty (5th, 2001)、HSDB (2002)) 旨の記述があるが、詳細不明であり、データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - in vivo試験のデータがないので、分類できない。
なお、in vitro変異原性試験(ネズミチフス菌を用いたAmes試験)で「陰性」(NTP DB (Access on November 2008))との記述がある。
6 発がん性 分類できない - - - 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - データがないので分類できない。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)
警告 (気道刺激性)呼吸器への刺激のおそれ マウスを用いた吸入暴露でのRD50値(50%呼吸数抑制濃度)を求める試験で「呼吸数の減少から肺の刺激性が推定される」(HSDB (2002))旨の記述から、区分3(気道刺激性)とした。
なお、Patty (5th, 2001)に、脂肪族アミン類は「非常に強い刺激性を示し、動物を高濃度で蒸気暴露すると、粘膜及び気道を刺激する」、「致死に近い濃度での単回投与で、気管炎、気管支炎、肺炎及び肺水腫を起こす」との記述がある。また、本物質の哺乳動物(動物種不明)を用いた経口投与試験で「嗜眠、興奮」(RTECS (2008))、「頭痛、悪心、嘔吐、眩暈、興奮及びけいれんを引き起こす」(HSFS (1999))との記述がある。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分2(中枢神経系)
警告 長期又は反復暴露による臓器(中枢神経系)の障害のおそれ 雌雄ラットを用いた19日間吸入暴露試験で「鼻に対する刺激性、不穏、協調運動失調及び振戦が見られた」(Patty (5th, 2001)、HSDB (2002))旨の記述がある。これらの症状は、区分1のガイダンス値の範囲内で見られているが、OECD TG準拠、GLPが不明なので、区分2(中枢神経系)とした。また、「脂肪族アミン類を致死下濃度で反復吸入暴露すると気管炎、気管支炎、肺炎及び肺水腫を起こす」(Patty (5th, 2001))旨の記述があるが、暴露期間及び濃度が特定できないので採用しない。
なお、「中枢神経を刺激するとの報告がある」(Patty (5th, 2001)、(HSDB (2002))との記述がある。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データがないので分類できない。


環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - 水生生物に毒性 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 8mg/L(AQUIRE, 2008)から区分2とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分2
- 長期的影響により水生生物に毒性 急性毒性区分2であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:2%(既存点検, 2002))ことから区分2とした。

(注)
「物理化学的危険性」及び「健康に対する有害性」:平成20年度経済産業省委託事業による分類結果
「環境に対する有害性」:平成20年度環境省委託事業による分類結果


参考資料

政府向けGHS分類ガイダンス

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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