GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID1275 トリブチルスズオキシド(CAS番号 56-35-9) 分類実施日 2007/2/20 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義における液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体。
6 引火性液体 区分外 - - - 引火点が190℃(C.C.)(ICSC(J), 1998)で93℃を超えるため、区分外とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 用途が殺菌・防黴剤、船底塗料添加剤等であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 区分外 - - - 水に対して安定。(水溶解度の数値が得られている。)
13 酸化性液体 分類できない - - - データなし。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - データなし。

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
飲み込むと有毒
ラット経口LD50値が127-234 mg/kg(CICAD 14, 1999)あるいは92-194 mg/kg(DFGOT 1, 1991)であることから、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分3 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
皮膚に接触すると有毒
ラット経皮LD50値605mg/kg(ACGIH 7th, 2001; DFGOT 1, 1991)から、区分3とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義における液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
吸入すると生命に危険
ラット吸入LC50値65 mg/m3/4H(=0.065mg/L/4H)より(DFGOT 1, 1991; CICAD 14、1999; ATSDR, 2005)、区分2とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
皮膚刺激
ヒトおよびウサギ皮膚を用いたドレイズ試験において強い刺激性を示し(RTECS, 2004)、強力な皮膚刺激性物質とされている(CICAD 14, 1999)ことから、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
強い眼刺激
ウサギ眼を用いたドレイズ試験において強い刺激性を示し(RTECS, 2004)、強い眼刺激性物質とされている(CICAD 14, 1999; ICSC, 1998)ことから、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:分類できない
- (呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
呼吸器感作性:データなし。
皮膚感作性:モルモットを用いた皮膚感作性試験(Magnussen-Kligman法)において陰性(CICAD 14, 1999)、ならびにヒトにおいてアレルギー性は認められなかった(ATSDR, 2005)との知見がある一方、近年マウスにおいて接触性感作性作用が認められていることから(ATSDR, 2005; CICAD 14, 1999)から、分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - マウス小核試験で陰性、in vitro変異原性試験のAmes試験および細胞遺伝子突然変異試験での陰性(ATSDR, 2005; CICAD 14, 1999)から、区分外とした。なお、in vitro染色体異常試験では細胞毒性濃度で陽性とされており(CICAD 14, 1999)、また、一部のマウス小核試験では弱い反応を認めているが、総合的に陰性と評価されている(ATSDR, 2005; CICAD 14, 1999)。
6 発がん性 区分外 - - - 本物質について、ラットにおいて内分泌系における腫瘍発現が軽度にみられたものの、マウスにおいては陰性であったこと(CICAD 14, 1999)、EPAではD(ヒト発がん性には分類できない)(IRIS, 2002)あるいはI(ヒト発がん性評価には証拠が不十分)(ATSDR, 2005)に分類されており、また、有機スズ化合物はACGIHにおいてA4(ヒト発がん性物質に分類できない)に分類されていることから、指針に従い区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - 胎児重量低下、骨化変異、一腹胎児数など軽微な生殖発生への影響が認められたが、それらは母体毒性ならびに免疫系への影響を示す用量であり(IRIS, 2002; CICAD 14, 1999)、総合的には本物質は生殖発生毒性物質とは考えられていない(CICAD 14, 1999)ことから、区分外とした。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
(気道刺激性)呼吸器への刺激のおそれ
ヒトに気道刺激性を示す知見がある(CICAD 14, 1999)ことから、区分3(気道刺激性)とした。なお、本物質については他の有機スズ化合物と異なり神経系へ影響は認められていない(CICAD 14, 1999)。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(免疫系) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
長期または反復暴露による臓器(免疫系)の障害
動物試験により得られた知見から、本物質の主要毒性は免疫系への影響(胸腺依存性免疫機能低下)である(CICAD 14, 1999)こと、本知見は区分1のガイダンス値において認められることから、区分1(免疫系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データなし。

環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告を表わす水生生物と毒物のシンボル
警告 水生生物に非常に強い毒性 魚類(マスノスケ)の96時間LC50=1.5μg/L(EHC116、1990)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分1 警告を表わす水生生物と毒物のシンボル
警告 長期的影響により水生生物に非常に強い毒性 急性毒性が区分1、急速分解性がなく(BODによる分解度:2%(既存化学物質安全性点検データ))、生物蓄積性がある(BCF=12100(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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