GHS分類結果 (経済産業省平成20年度事業)
(3省GHS分類物質の再分類)

本分類結果は、政府向けGHS分類ガイダンスに基づき、「健康に対する有害性」について再分類したものです。

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ID1-213 N・N-ジメチルアセトアミド(CAS番号 127-19-5) 分類実施日 H21.3.31
使用マニュアル 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - ラットを用いた経口投与試験のLD50値 3,000-6,000 mg/kg (SIDS (2001))との記述がある。「これは9つの試験結果をまとめたものである。試験の多くはLD50値 >5,000 mg/kgである」(SIDS (2001))旨の記述があり、Patty(5th, 2001)にも、「急性毒性は弱い」旨の記述があることから、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値2,100-3,600 mg/kg(SIDS (2001))は、国連GHS急性毒性区分5に相当するが、国内では不採用区分につき区分外とした。
なお、EU分類はXn; R20/21(EU-Annex I)であり、区分3-4に相当する。

1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3
危険 吸入すると有毒 ラットを用いた1時間吸入暴露試験のLC50値8.81 mg/L (SIDS (2001))と記述されている。25℃での飽和蒸気圧濃度2631.58 ppm (9.38 mg/L)より、蒸気基準を適用すると4時間換算LC50値は4.41 mg/Lとなり、区分3とした。
なお、EU分類はXn; R20/21(EU-Annex I)であり、区分3-4に相当する。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4
警告 吸入すると有害 25℃での飽和蒸気圧濃度は2631.58 ppm (9.38 mg/L)である。ラットを用いた1時間吸入暴露試験のLC50値10.01 mg/L (SIDS (2001))は飽和蒸気圧濃度より大きいため、ミスト基準を適用すると、4時間換算LC50値は2.50 mg/Lとなり、区分4とした。
なお、EU分類はXn; R20/21(EU-Annex I)であり、区分3-4に相当する。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - SIDS (2001)は、ウサギを用いた皮膚刺激性試験で「非希釈液でnot irritating」、モルモットを用いた皮膚刺激性試験で「irritating」、マウスを用いた皮膚刺激性試験で「slightly irritating」との記述に基づき、「slight skin irritant」と結論しているので、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 眼刺激 ウサギを用いた眼刺激性試験で「非希釈液を滴下すると、mildで可逆的な刺激」(SIDS (2001))との記述から、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:区分外
- - - 呼吸器感作性:データがないので分類できない。
皮膚感作性:モルモットを用いた皮膚感作性試験で「感作性なし」(SIDS (2001)、Patty(5th, 2001))の旨の記述があり、結論としてSIDS (2001)では「not a skin sensitiser」と記述しているので、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - 生殖細胞in vivo経世代変異原性試験(ラットを用いた優性致死試験(吸入暴露1件、経皮投与1件))で、それぞれ「陰性」(SIDS (2001))の旨、記述されている。また、体細胞in vivo変異原性試験(ヒトの末梢リンパ球を用いた染色体異常試験)で「染色体異常の有意な増加はみられなかった」(SIDS (2001))旨の記述もある。以上より、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - ACGIH-TLV/BEL(2005) でA4に分類されていることから、ガイダンスに従い区分外とした。
なお、SIDS (2001)には、ラットを用いた52週間強制経口投与試験、ラットを用いた24ヶ月間経口投与試験、ラットを用いた2年間吸入暴露試験、マウスを用いた18ヶ月間吸入暴露試験、ハムスターを用いた6週間経皮投与試験の5試験の記述があるが、いずれも陰性である。
7 生殖毒性 区分1B
危険 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ ラットを用いた強制経口投与(妊娠期7-21日)による生殖毒性試験(GLP)で、「母動物に体重増加抑制や摂餌量の減少などの毒性影響がみられる用量で、胚の死亡率の増加、平均胎児重量の減少、胎児奇形の増加がみられた。奇形の大部分は頭部(耳頭症、外鼻腔閉鎖、小顎症、大脳室拡張)と心臓血管系(肺動脈、大動脈などの心臓の欠陥、心室中隔欠損)にみられた」(SIDS (2001))旨の記述、ウサギを用いた吸入暴露(妊娠期7-19日)による生殖毒性試験(GLP)において、「母動物に毒性影響がみられない用量で、胎児に有意な発生変異(骨化遅延)の増加がみられた」(SIDS (2001))旨の記述がある。以上より、区分1Bとした。
なお、EU分類はRepr. Cat. 2; R61(EU-Annex I)であり、区分1に相当する。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用)
警告 (麻酔作用)眠気又はめまいのおそれ 動物では、ウサギの経皮致死量を求める単回投与試験で、「致死量未満の濃度で、心臓、肝臓、腎臓の変性がみられた」(SIDS (2005)) 旨の記述がある。しかし、非公開データで詳細が不明であり、用量を特定できないので、採用しない。ヒトでは、「めまい、嗜眠、衰弱がみられた」(ACGIH(7th, 2001))旨の記述がある。以上より、区分3(麻酔作用)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(肝臓)
区分2(呼吸器系)

危険 長期又は反復暴露による臓器(肝臓)の障害
長期又は反復暴露による臓器(呼吸器系)の障害のおそれ
動物では、ラットの6ヶ月間吸入暴露試験で「肺刺激、体重増加抑制、有意な用量依存性の鼻および上気道の刺激、肝臓の損傷(肝細胞の変性)」(SIDS (2001))が、ラットの2年間吸入暴露試験で「肝重量の増加、肝海綿状変性(hepatic cystic degeneration)、肝ぺリオーシス(hepatic peliosis)、クッパー細胞内のリポフスチン/へモジデリンの蓄積」(SIDS (2001))が、区分2のガイダンス値の範囲内でみられた。また、ヒトでは、2年から10年の間経皮あるいは吸入暴露されていた41人の作業者で「最も多くみられたのは肝機能障害で、41人中19人にみられた。気管支、上気道、胃、神経系の不調も多発していた」(SIDS (2001)、ACGIH(7th, 2001))旨の記述がある。以上より、区分1(肝臓)、区分2(呼吸器系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データがないので分類できない。


参考資料

政府向けGHS分類ガイダンス

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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