項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 139-13-9 |
名称 | ニトリロ三酢酸 |
物質ID | 24B6520 |
分類実施年度 | 平成24年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - |
発火点は200℃であり(GESTIS(Access on Apr. 2012)、常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値が1100 mg/kg(環境省リスク評価 第4巻(2005))より区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 5 mg/L(ダスト)までの濃度に4時間ばく露し、死亡も異常な症状も起きなかった(BUA 5(1993))ことから、LC50値は5 mg/Lを超える(区分外に相当)が、動物種の記載がなく詳細も不明なため「分類できない」とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | 「本物質は眼、皮膚、気道を刺激し、吸入すると咳、咽頭痛を起こし、眼や皮膚に付くと発赤を生じる」(環境省リスク評価 第4巻(2005))との記載、および本物質のpHは飽和水溶液で2.3とのデータがあるが、それ以上の情報、または皮膚の刺激性に関するデータは得られていないない。したがって、データ不足のため「分類できない」とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
動物試験で動物種不明であるが、本物質の濃縮生成物または10%水溶液が眼との接触で回復性の軽度の結膜炎を起こした(BUA 5(1993))との報告に加え、本物質は皮膚を刺激し、眼に付くと発赤を生じる(環境省リスク評価 第4巻(2005))との記載に基づき区分2Bとした。なお、本物質のpHは飽和水溶液で2.3である(HSDB(2009))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 |
- |
- | - | マウスの腹腔内投与による優性致死試験(IARC 73(1999))およびマウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(HSDB(2009))の結果が得られている一方、マウスの精原細胞を用いたin vivo染色体異常試験(生殖細胞in vivo 変異原性試験)で異数性がみられ陽性(IARC 73(1999))との結果であるが十分な証拠とはみなせず、ラットの腎臓での小核試験(体細胞in vivo 変異原性試験)で陽性結果も得られているが標準的試験でない。また腎臓のコメット試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)で陽性であったが、臓器特異的な影響は考慮すべきものの、生殖細胞を含む全身体的な影響は考えがたく、染色体異常の誘発作用は2次的な影響と考えられている。以上からin vivo体細胞に対する変異原性の明確な証拠はないとの専門家判断により区分外とした。なお、in vitro試験では、エームス試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験で陰性(NTP DB(Access on Apr. 2012))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 |
P308+P313
P201 P202 P281 P405 P501 |
発がん性評価として、IARCによりグループ2B(IARC 73(1999))、日本産業衛生学会により2群B(産衛誌53巻(2011))、NTPによりR(NTP RoC 12th(2011))に分類されていることから区分2とした。なお、ラット及びマウスに18か月間混餌投与後ラットでは6か月、マウスでは3か月間経過観察した試験において、両動物種とも高用量(15000 ppm)群で、対照群では発生しなかった、あるいは試験動物の系統では発生が稀な尿路系腫瘍の発生率が有意に増加し、本物質がラットおよびマウスの尿路系に対し発がん性を有することを示した(NTP TR 6(1977))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | マウスの妊娠6~18日に本物質2%の濃度で飲水投与した試験で、骨に本物質の蓄積がみられたが、骨格系及び内臓系の奇形はなく(環境省リスク評価 第4巻(2005))、妊娠ウサギおよび妊娠ラットに経口投与により、母体、胚、胎仔への悪影響は報告されていない(IARC 73(1999))。また、本物質三ナトリウム水和物を用い、妊娠ラットの器官形成期に飲水投与した試験で、胎児に水腎症と膀胱の障害が見られたが、これらは変異と見なされ、その他、胚および胎仔の数、胎児の骨格に異常は認められなかった(IARC 48(1990)、元文献:TOXICOLOGY AND APPLIED PHARMACOLOGY(1972))。しかし、性機能および生殖能に対する影響に関してはデータがなく不明のため「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - | ラットに単回経口投与後に組織学的に観察し得る腎臓の病変が発生する可能性はあるが、低用量では回復が速やかで、障害の持続が予期されるのは慢性ばく露の場合のみである(BUA 5(1993))との記載がある。また、動物種不明であるが5 mg/L(ダスト)までの濃度に4時間ばく露し、死亡も異常な症状も起きなかった(BUA 5(1993))との報告がある。いずれも具体的なデータの裏付けがなく、詳細不明のため「分類できない」とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(腎臓) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
本物質の長期または反復ばく露によって腎臓に影響が現れることがある(環境省リスク評価 第4巻(2005))と記載されている。本物質の主な毒性は腎臓および尿路に与える障害であり、細胞の電解質代謝を阻害し、腎臓を介して直接排泄されるため、腎臓や尿路では濃度が最も高くなり、周辺細胞(尿細管細胞、尿路の移行上皮)が最も強く影響を受ける標的組織になる(BUA 5(1993))とのList 2の評価文書の記述に基づき、区分2(腎臓)とした。なお、動物試験ではラットおよびマウスに18ヵ月間混餌投与した試験において、ガイダンス値範囲を超える高用量で、尿路系の非腫瘍性病変として腎炎または/および水腎の発生が報告されている(NTP TR 6(1977))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 |
- |
H402 |
P273
P501 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)による72時間ErC50 > 30 mg/L(環境省リスク評価第4巻, 2005)であった。本試験の最終報告書から30mg/L区での生長阻害率は44.7%(生長速度法、pHは正常範囲内)であり、72hErC50は明らかに30-100mg/Lの間にあるとの専門家判断から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 |
- |
H411 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性(4週間でのBODによる分解度:1%)(既存点検, 2003))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC = 0.3 mg/L(環境省リスク評価第2巻, 2003)であることから、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(メダカ)の96時間LC50 > 100 mg/L(環境省リスク評価第2巻, 2003)であることから、区分外となる。 以上の結果を比較し、区分2とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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