項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 117-84-0 |
名称 | フタル酸ジ‐ノルマル‐オクチル |
物質ID | 24B6514 |
分類実施年度 | 平成24年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 引火点は215℃[密閉式](NFPA(14th, 2010))であり93℃超である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は390℃であり(NFPA(14th, 2010))、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値は47000 mg/kg(環境省リスク評価第9巻(2011))および53700 mg/kg(ASTDR(1997))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | モルモットのLD50値は73500 mg/kg(NICNAS(2008))および>5000 mg/kg(環境省リスク評価第9巻(2011))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - |
ウサギおよびモルモットを用いた皮膚刺激性試験において、両動物種とも刺激性は軽度(mild irritationまたはslight irritant)との評価結果(NICNAS(2008))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3に相当)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
ウサギおよびモルモットを用いた眼刺激性試験において、両動物種とも刺激性は軽度(only mild irritationまたはslight conjunctival irritation)との評価結果(NICNAS(2008))に基づき、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
喘鳴や鼻炎、湿疹の症状のあった子供を対象とし、子供の寝室の粉じんに含まれるフタル酸ジエステルとの関連を検討した調査では、本物質とアレルギー症状の間に関連は見られなかった(環境省リスク評価 第9巻(2011))。一方、本物質蒸気に職業的にばく露された1人の作業者が本物質に対し喘息反応を起こしたが、抗アレルギー剤の投与により反応が抑制された(NICNAS(2008))との報告もある。総合的には本物質の感作性を判断するにはデータ不十分である(NICNAS(2008))と記載されており、「分類できない」とした。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
モルモットのマキシマイゼーション試験(OECD TG、GLP)では陰性の結果(NICNAS(2008))が示されている。また、ヒトではアレルゲンとして可塑剤または接着剤に対する皮膚症が疑われた被験者173人の中に、パッチテストで本物質にアレルギー反応を示した患者はいなかった(PATTY(5th, 2001))と報告されている。その一方、プラスチック製の靴工場で作業者400人中60人にフタル酸エステル類を含む一組の標準物質によるパッチテストにおいて、接触皮膚炎を有する作業者の中から6人が感作反応を示し、本物質に対しても反応が見られた(NICNAS(2008))と報告されている。以上の結果を含め、総合的には本物質の感作性を判断するにはデータ不十分である(NICNAS(2008))と記述されていることから「分類できない」とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | in vivo試験データが無いので分類できない。なお、in vitro試験としてはエームス試験で陰性の結果(NTP DB(1982))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。なお、詳細不明であるが、雄ラットに15ヵ月間混餌投与し、肝臓に多数の結節形成がみられた(NICNAS(2008))ことが報告されている。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P281 P405 P501 |
マウスの妊娠6~13日に9780 mg/kg/dayを経口投与した発生毒性試験において、同腹仔数の有意な低下が認められ(NTP-CERHR Monograph(2003)、List1相当)、さらにラットの妊娠5、10、15日目に4890 mg/kg/dayおよび9780 mg/kg/dayを腹腔内投与した試験では、外表奇形の発生率が用量依存的に増加した(NTP-CERHR Monograph(2003))ことに基づき、母動物の一般毒性に関する記述がないことから、区分2とした。なお、マウスに交配1週間前から二世代(14週間)にわたり混餌投与した生殖毒性試験では、受胎能、生殖能および仔の発生に対し悪影響は報告されていない(NTP RACB85047(1985))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) |
警告 |
H335 |
P304+P340
P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
本物質を含むフタル酸エステルにばく露された労働者に上気道の刺激がみられたとの1件の事例報告(NICNAS(2008))に加え、本物質は眼、皮膚、鼻、喉を刺激し、咳や息切れを起こし、高濃度では肺の刺激や傷害を生じることがある(環境省リスク評価 第9巻(2011))との記載により、区分3(気道刺激性)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
ラットの13週間混餌投与試験において、最高用量(350-403 mg/kg bw/day)で肝臓の空胞化、内皮の隆起、核の大小不同や濃色化、小胞形成がみられ(環境省リスク評価第9巻(2011))、また、ラットに11週間混餌投与試験では、300 mg/kg bw/day以上の用量で細胞の肥大と増殖、空胞化、慢性炎症および壊死を特徴とする顕著な肝障害が観察された(NICNAS(2008))が、いずれもガイダンス値範囲の上限を超えた高用量の所見である。肝臓は動物試験で確認されている唯一の標的臓器であると記載されている(ATSDR(1997))が、ガイダンス値範囲の上限付近の用量ではデータがなく、分類根拠として肝臓に対する影響を判断できないため「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 |
- |
- | - | 魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50 > 0.045mg/L(環境省リスク評価 第9巻, 2011)、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 > 0.000669mg/L(環境省リスク評価 第9巻, 2011)から、本物質の水溶解度(0.022mg/L(PHYSPROP Database, 2009))において当該毒性を示さないさことが示唆されるため、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - |
慢性毒性データを用いた場合、魚類(ファットヘッドミノー)の34日間NOEC > 0.045 mg/L(環境省リスク評価第9巻, 2011)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC > 0.00607 mg/L(環境省リスク評価第9巻, 2011)より、本物質の水溶解度(0.022mg/L(PHYSPROP Database, 2009))において当該毒性を示さないことが示唆されるため、区分外とした。 慢性毒性データが得られていない栄養段階(藻類)については、信頼できる急性毒性データが得られておらず、急性毒性データを用いた分類は行えない。 以上の結果より、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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