GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 13463-41-7
名称 2-ピリジンチオール-1-オキシドの亜鉛塩(別名:ジンクピリチオン)
物質ID 24A6137
分類実施年度 平成24年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない
-
-
- - 爆発性に関わる原子団(N-オキシド類)を含むが、データがなく分類できない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 爆発性に関わる原子団(N-オキシド類)を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 分子内に金属(Zn)を含むが、水溶解度123000mg/L(25℃)(SRC PhysProp(Access on Oct. 2012))というデータがあり、水と急激な反応をしないと考えられる。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が水素および炭素以外の元素(N、Zn)と化学結合しているが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として対象とした2件のデータ 177 mg/kg(PATTY(6th, 2012))および267 mg/kg(EPA RED(2004))はいずれも区分3に該当する。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値は>2000 mg/kg(EPA RED(2004))、およびウサギのLD50値は2270-8000 mg/kg(PATTY(6th, 2012))と報告され、いずれもJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外に相当)に該当する。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットの4時間ばく露によるLC50値は0.14 mg/L(RTECS(2007):元文献 National Technical Information Service: OTS0527753-1)に基づき、区分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(3.2E-08 mg/L)より高いので、ミストの吸入試験とみなした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P264
P280
P321
P362
ウサギを用いた皮膚刺激性試験で中等度の刺激性(moderate irritant)との報告(PATTY(6th, 2012))に基づき、区分2とした。なお、ウサギを用いた別の試験では軽度の紅斑と浮腫が報告されている(EPA RED(2004))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ウサギの眼にに本物質10 mgを適用した試験で、重度の結膜刺激と角膜混濁(severe conjunctival irritation and corneal opacity)を起こしたとの結果(PATTY (6th, 2012))に基づき、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P261
P272
P280
P321
P363
P501
接触アレルギー物質としてContact Dermatitis(5th,(2011)に記載があることに基づき、区分1とした。なお、モルモットのビューラー試験では感作性なし(no sensitization)と報告されている(EPA RED(2004))が、ヒトでは本物質を含むシャンプーを使用し、パッチテストで本物質に陽性反応を示した事例報告、あるいはアレルギー性接触性皮膚炎を発症した事例報告が散見される(PATTY(6th, 2012)、HSDB(2011))。
5 生殖細胞変異原性 区分外
-
-
- - マウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で、陰性の結果(PATTY(6th, 2012))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験として、エームス試験(NTP DB(1982))、およびCHO細胞を用いたHGPRT試験(PATTY(6th, 2012))でいずれも陰性が報告されている。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、ラットに10~50 ppmの用量で2年間混餌投与した試験において、病理学組織学的所見はなく、発がん性の証拠は認められなかった(PATTY(6th, 2012))との記載があるが、詳細は不明である。また、ピリチオンナトリウムとしてはUSEPAによりグループ Dに分類されている(EPA RED(2004))。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
ラットの経口投与による発生毒性試験(用量:0.75、3、15mg/kg/day)において、明らかな母体毒性として流涎の増加、体重増加抑制と摂餌量の低下が見られた一方、胚の早期吸収の増加に相応した着床後胚損失率の用量依存的な増加、同腹生存仔数の有意な低下、さらに外表、内臓、骨格の奇形・変異(主に指の異常と腎盂拡張)を有する仔を含む同腹数の有意な増加が認められた(EPA RED(2004))。さらにウサギの経口投与による発生毒性試験(用量:0.5、1.5、3 mg/kg/day)では、外表、内臓、骨格異常の発生率に影響は認められなかったが、用量に相関した胚の早期吸収の増加、それに相応した着床後胚損失率の用量依存的な増加および生存仔数の減少がラットと同様に観察されたこと(EPA RED(2004))から、区分2とした。なお、ラットに交配前からの経口または経皮投与した試験では、性機能および受胎能に対し悪影響は報告されていない(経産省生殖試験(2009)、PATTY(6th, 2012))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系)


危険
H370 P307+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ラットの急性経口毒性試験におけるLD50値は177 mg/kgで、活動低下、立毛、筋脱力、下痢の症状が報告されている(PATTY(6th, 2012))。一方、本物質について急性または亜急性の経口投与後に明らかな神経系障害が観察されている(EPA RED(2004))との記載、また、ブタの静脈内投与(5 mg/kg)によるデータであるが、投与後30~60分にコリン作動性の影響がみられた(EPA RED(2004)との報告と併せ、ラットに経口投与後の上記症状も神経系に関連する所見と判断され、区分1(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系、呼吸器系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ラットに250 ppm(12.5 mg/kg/day)の用量を9~14日間混餌投与した試験(90日換算:約1.6 mg/kg/day)で、後肢脱力、協調運動不能、知覚および知覚/運動の混合神経における誘発電位の振幅の低下がみられた(EPA RED(2004))。さらに、ラットに14日間強制経口投与した試験では、30 mg/kg/day 以上で死亡が認められ、体重増加抑制および後肢麻痺に起因する歩行失調が3 mg/kg/day(90日換算:0.465 mg/kg/day)の用量から観察された。この結果はガイダンス値範囲の区分1に相当する用量での神経症状を示していることから、区分1(神経系)とした。また、ラットの90日間吸入ばく露試験(エアロゾル、6時間/日)において、0.0025 mg/L以上のばく露濃度で死亡が発生し、ラ音、努力性呼吸、喘ぎの症状が観察され、さらに肺重量が増加し、関連する病理組織学的所見として、ガイダンス値区分1に相当する0.01 mg/Lの濃度で肺の間質組織に軽度の亜急性炎症、および肺動脈の中膜肥大がみられた(EPA RED(2004)、HSDB(2011))ことから、区分1(呼吸器系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(珪藻)のEC50 = 2.6 ppb(U.S. EPA: RED, 2004)から区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2003)、魚類(ファットヘッドミノー)のNOEC = 1.22 ppb(U.S. EPA: RED, 2004)から区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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