GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 50-21-5,598-82-3,79-33-4,10326-41-7
名称 乳酸(DL-, L-, D-)
物質ID 24A6053
分類実施年度 平成24年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- - 引火点は110℃[密閉式](ICSC(1997))であり93℃超である。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データなし。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値は3730mg/kg(JECFA 344(1974))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に相当)とした。

なお、本物質は、L-乳酸(CAS 79-33-4)およびD-乳酸(CAS 10326-41-7)の異性体混合物であり、一部L体の情報も記載した。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。なお、L体ではウサギのLD50値は >2000 mg/kg(SIDS(2008))と報告され、区分外に相当する。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。なお、L体ではラットの4時間ばく露(エアゾール)によるLD50値は >7.94mg/L(SIDS(2008))と報告され、区分外に相当する。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
本物質のpH値は約1.2(USEPA/HPV(2002)、List1相当)との記載により区分1とした。なお、本物質(80%)に緩衝剤として水酸化ナトリウムを加え、ウサギに適用した試験(OECD TG 402、GLP)では刺激性なし(not irritating)との結果(USEPA/HPV(2002))、また、本物質のL体(88%)をウサギに適用した試験(OECD TG 402、GLP)では腐食性あり(OECD TG 402、GLP)との結果(USEPA/HPV(2002))がそれぞれ報告されている。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
本物質のpH値は約1.2(USEPA/HPV(2002))と記載され、さらにウサギの眼に本物質750 μgを適用した試験において、傷害の程度は10段階評価によるグレード8(最も重度の場合10)で重度(severe)と報告されている(RTECS(2010):元文献 American Journal of Ophthalmology: 29, 1363, 1946)ことから、区分1とした。なお、皮膚腐食性/刺激性の項でも腐食性物質として分類している。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 区分外
-
-
- - モルモットのマキシマイゼーション試験の結果、感作性なし(not sensitizing)と結論付けられている(USEPA/HPV(2002)、HSDB(2006))ことから、区分外とした。なお、本物質のL体についても、モルモットを用いたビューラー試験(EPA OPP 81-6、GLP)で感作性なし(not sensitizing)と報告されている(USEPA/HPV(2002))。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験として、エームス試験(NTP DB ID: A10575(1997))で陰性、染色体異常試験で陽性(pH低値による疑陽性)(Mutat Res., 240, 195-202,(1990))、CHO細胞の染色体異常試験で陰性(SIDS(2008))の報告がある。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。なお、乳酸カルシウムについては、ラットに2年間飲水投与した試験で発がん性の証拠は認められなかった(SIDS(2008))と報告されている。
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - データ不足。なお、妊娠マウスの器官形成期に570 mg/kg/dayを経口投与した試験で、母動物および仔の発生に対する影響はなかった(SIDS(2008))と記載されているが、詳細は不明であり、また、性機能および生殖能に対する影響も不明である。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - ラットに経口投与により、24時間以内に650 mg/kgで5匹中2匹、1300 mg/kgで5匹中1匹が死亡し、8日後生存例に同量を再投与したところ1300 mg/kg群の2匹に呼吸困難、鼻汁、嘔吐、腹部膨満がみられ死亡したと報告されている(HSDB(2006))。しかし、それ以上の詳細は不明のため「分類できない」とした。なお、L体の急性経口毒性試験(LD50値:3543-4936 mg/kg)では、嗜眠、運動失調、虚脱、不規則呼吸などの症状が観察されている(USEPA/HPV(2002))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ラットに90日間経口投与、およびハムスターに14週間混餌または飲水投与した試験で、一般症状、体重などに影響が見られなかった(USEPA/HPV(2002))が、正確な用量など詳細が不明であり、さらに、イヌに600~1600 mg/kgを2.5ヵ月間経口投与により悪影響はなかった(JECFA 344(1974))との報告、およびラットに886 mg/kgを13週間経皮投与して脳と腎臓の重量が増加したが、肉眼および顕微鏡検査では病変が観察されなかった(USEPA/HPV(2002))との報告があるが、いずれも試験の詳細が不明であり、データ不足のため「分類できない」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外
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- - 魚類(ブルーギル)による96時間LC50=130mg/L(SIDS, 2011)であることから、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-
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- - 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。難水溶性ではなく(易分解性、BOD:76%(既存点検, 1993))、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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