GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 2431-50-7
名称 2,3,4-トリクロロ-1-ブテン
物質ID 24A6042
分類実施年度 平成24年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P403+P235
P210
P280
P501
引火点63℃ [密閉式](ICSC(2004))は >60℃ かつ ≦93℃ であることから、区分4に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 自己反応性に関わる原子団(不飽和結合)を含み、「突然の熱作用がある場合、爆発的な反応が起こりうる。」(ホンメル(1996))との情報がある。これより、タイプGより上位の区分がつく可能性があるが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点は530℃であり(GESTIS(Access on June. 2012))、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - 酸素およびフッ素を含まず、塩素を含んだ有機化合物であるが、この元素が炭素、水素以外の元素と結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 鋼、アルミニウムは容器として適当でない(GESTIS(Access on June. 2012))との記載があるが、腐食速度に関する試験データがなく、分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値は341mg/kg(環境省リスク評価 第9巻(2011))および351mg/kg(SIDS(Access on June. 2012))に基づき区分4とした。なお、EU分類ではXn; R22(EC-JRC(ESIS)(Access on June 2012))である。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50値は4時間ばく露で >1.722 mg/L(264 ppm)(SIDS(Access on June. 2012))と報告され、区分2、またはそれより危険性の低い区分に相当すること、およびEU分類がT; R23(EC-JRC(ESIS)(Access on June 2012))であることを考慮に入れ、区分2とした。なお、試験濃度は飽和蒸気圧濃度(15.0 mg/L)の90%より低いので気体の基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P264
P280
P321
P362
ヒトにおける試験で刺激性が観察された(SIDS(Access on June. 2012))こと、かつEU分類ではXi; R36/37/38(EC-JRC(ESIS)(Access on June 2012))であることから、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ヒトで蒸気が眼との接触により刺激と流涙を起こすとの記載(SIDS(Access on June. 2012))に加え、EU分類ではXi; R36/37/38(EC-JRC(ESIS)(Access on June 2012))であることから、区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外
-
-
- - ラットに5日間の吸入ばく露による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)において、陰性の結果(IUCLID(2000)、SIDS(Access on June. 2012))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験として、エームス試験で陽性(SIDS(Access on June. 2012))の報告がある。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
ラットに25ヵ月間吸入ばく露した試験において、高用量群(2 ppm/6hを12週間ばく露後、1.5 ppm/6hに変更)で、110匹中、雄の27%および雌の18%に鼻腔に神経上皮腫の発生、さらに雄ラットの3%に悪性の神経鞘腫の発生が報告された(SIDS(Access on June. 2012))。本物質はドイツ学術振興会でカテゴリー2(MAK/BAT(2011))、EUではCarc.Cat. 3; R40(EC-JRC(ESIS)(Access on June. 2012))に分類されており、また上記の鼻腔の神経上皮腫は極めて稀な悪性度の高い腫瘍であることも考慮し区分2とした。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 妊娠ラットの器官形成期に吸入ばく露した発生毒性試験において、高濃度群の母動物に体重増加抑制が認められたが、胎仔に奇形の発生はなかった(環境省リスク評価 第9巻(2011))。また、生殖能検査を目的として雄ラットに5日間の吸入ばく露期間中に摂餌量と体重減少がみられたが、その後雌との交配による妊娠率、着床数、着床後胚損失率などに悪影響はなかった(IUCLID(2000))。以上の報告から、性機能・生殖能および仔の発生に悪影響は見出されないが、性機能・生殖能に関してばく露の影響は雄のみであり、雌のデータがないことからデータ不足により「分類できない」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
ヒトで眼、皮膚、気道を刺激し、吸入すると、咳、咽頭痛、感覚鈍麻、吐き気を生じる(環境省リスク評価 第9巻(2011))との記述、さらにラットに吸入ばく露により、呼吸数低下(RD50 = 58.1 ppm)を起こした(IUCLID(2000))との記述により、区分3(気道刺激性)とした。なお、EU分類ではXi; R36/37/38(EC-JRC(ESIS)(Access on June 2012))である
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ラットの13週間吸入ばく露試験において、0.017 mg/Lで気道上皮の過形成及び化生(環境省リスク評価 第9巻(2011))、ラットの4週間吸入ばく露試験において、13 mg/m3(90日換算:0.004 mg/L)及び54 mg/m3(90日換算:0.016 mg/L)で鼻腔、気管支、肺の上皮過形成及び化生、肺重量の増加(環境省リスク評価 第9巻(2011))、さらに、ラットの25ヵ月間吸入ばく露試験において、0.001 mg/Lで嗅上皮の炎症性変化、0.01(0.013)mg/Lで呼吸困難及び慢性呼吸疾患の所見、肺重量の増加、死亡率の増加等(環境省リスク評価 第9巻(2011))が報告されている。以上の所見はいずれもガイダンス値区分1の用量範囲で観察されていることから、区分1(呼吸器)とした。なお、ヒトの長期または反復ばく露でも、気道に影響を与え、組織障害を生じることがある(環境省リスク評価 第9巻(2011))と記載されている。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
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- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
魚類(ブルーギル)の96時間LC50=0.48 mg/Lである(SIDS, 2001)ことから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がない(BODによる分解度:0%(SIDS, 2001))、魚類の急性分類が区分1である(SIDS, 2001)ことから、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
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  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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