GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 90-05-1
名称 2-メトキシフェノール
物質ID 24A6033
分類実施年度 平成24年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - 引火点82℃(GESTIS(Access on June. 2012))であり可燃性を有するが所定の試験データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 発火点は385℃であり(GESTIS(Access on June. 2012))、常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 融点が55℃以下の固体であるが、データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として3件のデータ(520 mg/kg、725 mg/kg(以上2件 環境省リスク評価 第7巻(2009))、1500 mg/kg(PATTY(5th, 2001))はいずれも区分4に該当する。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ウサギLD50値は4600 mg/kg(環境省リスク評価 第7巻(2009))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に相当)とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
マウスの2時間ばく露によるLC50値は7.57 mg/L(4時間換算値:3.79 mg/L)(環境省リスク評価 第7巻(2009))に基づき、区分4とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(0.69 mg/L)より高いので、粉塵による試験とみなした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - ウサギ4匹に本物質(100%)0.5 mLを4時間適用した試験(OECD TG404、GLP)の結果、紅斑と浮腫が全例に見られ、パッチ除去後24、48および72時間の評価において紅斑の平均スコア値が4匹中3匹で1.3以上、2.3未満であり、皮膚一次刺激性指数(PII)は2.38であった(ECETOC TR66(1995))ことから、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3に相当)とした。なお、ウサギに24時間適用した試験では強い刺激性を示した(IUCLID(2000))との報告もある。また、EU分類ではXi:R36/38である(EC-JRC(ESIS)(Access on June. 2012))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギに適用した試験で重度の刺激性と壊死がみられた(PATTY(5th, 2001))との記載、また、ウサギの眼に未希釈の本物質を少量適用により、重篤な傷害を起こし、角膜壊死と結膜の傷害が報告されている(IUCLID(2000))ことから、区分1とした。なお、EU分類ではXi:R36/38である(EC-JRC(ESIS)(Access on June. 2012))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、ボランティア25人に2%濃度で実施した48時間のパッチテストで感作の陽性反応はなかった(環境省リスク評価第6巻(2008))との報告があるが、試験の詳細が不明なため「分類できない」とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vivo試験データが無いので分類できない。なお、in vitro試験としては、複数のエームス試験でいずれも陰性(JECFA 1002(2001)、NTP DB(1980))であったが、シリアンハムスター胚(SHE)細胞(初代培養)を用いた染色体異常試験ならびにヒト歯髄線維芽細胞(初代培養)を用いた染色体異常試験では陽性結果(環境省リスク評価 第7巻(2009))が報告されている。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(心血管系)、区分3(麻酔作用)



危険
警告
H370
H336
P307+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトが去痰薬として、用量不明の本物質を飲み心血管虚脱が生じたとの報告がある(環境省リスク評価 第6巻(2008))。また、本物質は毒性がフェノールの約3分の1程度で、薬理学的性質はフェノールに類似しているようであり、筋脱力、心血管虚脱、血管運動中枢の麻痺を引き起こすと述べられている(PATTY(5th, 2001))。以上の知見に基づき、区分1(心血管系)とした。一方、ラットの急性経口毒性試験(LD50値:725 mg/kg)において、症状所見として傾眠および昏睡が記載されている(IUCLID(2000))ことから、区分3(麻酔作用)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - 雄ラットに1.5%の濃度で51週間混餌投与した試験で、腎臓相対重量の有意な増加を認め、また、対照群では認められなかった前胃での軽度~中程度の過形成の発生が報告されている(環境省リスク評価 第7巻(2009)が、分類にはデータ不足である。また、他の経路による影響もデータがないため不明である。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)において48時間EC50=29.1 mg/L(環境省生態影響試験, 1998)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3
-
-
H412 P273
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度:89.5%(既存点検, 1989)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC=0.75 mg/L(環境省生態影響試験, 1998)から、区分3となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類の急性分類が区分外であり(環境省生態影響試験, 1998)、急速分解性があり(BODによる分解度:89.5%(既存点検, 1989)、生物蓄積性が低いと推定される(logKow=1.32、PHYSPROP Database(2009))ことから、区分外となる。
以上の結果から、区分3とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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