項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 14698-29-4 |
名称 | オキソリニック酸 |
物質ID | 24A6030 |
分類実施年度 | 平成24年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - |
ラットの2件のLD50値(>5000 mg/kg(農薬抄録(2007))および>4000 mg/kg(食品健康影響評価(2011))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - |
ラットに2000 mg/kgを投与後死亡はなく、LD50値は>2000 mg/kgとの報告(農薬抄録(2007))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 |
警告 |
H332 |
P304+P340
P261 P271 P312 |
ラットの4時間ばく露(ダスト)によるLC50値は1.70 mg/L(雌)~2.45 mg/L(雄)(農薬抄録(2007))に基づき、区分4とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - |
ウサギの皮膚に本物質0.5 gを4時間適用した試験(GLP準拠)で、紅斑、浮腫等の刺激反応を認めず、一次刺激率は0で皮膚に対して刺激性なしとの結果(農薬抄録(2007))により、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 |
- |
- | - |
ウサギの眼に本物質0.1 gを適用した試験(GLP準拠)で、適用1時間後6例中2例に結膜潮紅(評点1)、内1例に結膜浮腫(評点1)を認めたが、いずれも24時間後には消失した。その結果、本物質はウサギの眼に対して実際上刺激性なしとの判定(農薬抄録(2007))により区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 |
- |
- | - |
モルモットのマキシマイゼーション法による皮膚感作性試験において、検体感作群では、紅斑、浮腫等の局所反応は非感作群と同様に認められなかった。一方、陽性対照のDNCB感作群では、全例lに中等度ないし強度の紅斑および浮腫を認めたが、DNCB非感作群では変化は認められなかった。本試験条件下において陽性率は0%(0/18)で、オキソリニック酸原体は皮膚感作性なしと判定された(農薬抄録(2007))ことから、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 |
- |
- | - |
マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陰性結果(農薬抄録(2007))に基づき、区分外とした。また、マウスに経口投与による骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)でも陰性(農薬抄録(2007))の報告がある。なお、in vitro試験では、エームス試験で陽性、チャイニーズハムスター由来の培養細胞(V79)を用いた遺伝子突然変異性試験で陰性、CHL細胞を用いた染色体異常試験で弱陽性がそれぞれ報告されている(農薬抄録(2007))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
ラットに24ヵ月間混餌投与による慢性毒性・発癌性試験(0, 30, 100, 300, 1000 ppm、GLP対応)において、1000 ppm群雄で精巣の間細胞腫の有意な増加が認められたが、その他には投与に関連する腫瘍の発生頻度の増加はない(農薬抄録(2007))。発現機作の検討により、この精巣腫瘍の増加は、精巣への直接作用ではなく、視床下部のドーパミン作動性神経系を介した下垂体前葉からのLH放出増加に起因する二次的発癌である可能性が高いと報告されている(農薬抄録(2007))ことから、ヒトでの発がん性の証拠とはなり難い。一方、マウスに18ヵ月間混餌投与による発癌性試験(0, 50, 150, 500 ppm、GLP対応)において、発生頻度が有意に増加した腫瘍はいずれの投与群においても認められず、発がん性はないと判断されている(農薬抄録(2007))。以上より、ラットおよびマウスの2種の動物で発がん性がないと判断されるが、いずれもList 2のデータのため、区分外とせず「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットの混餌投与による二世代繁殖試験(GLP準拠)において、親動物に体重増加抑制と摂餌量減少が認められたが、繁殖能力に及ぼす影響は現れていない(農薬抄録(2007))。また、ラットの器官形成期に経口投与した発生毒性試験(GLP準拠)では、母獣毒性が発現する用量で胎児毒性および催奇形性は認められず(農薬抄録(2007))、ウサギの器官形成期に経口投与した発生毒性試験(GLP準拠)でも、2000 mg/kg/日までの用量で母獣;および胎児ともに影響は認められなかった(農薬抄録(2007))。以上より、性機能および生殖能、かつ仔の発生のいずれに対しても悪影響は示されなかったことから、生殖毒性はないと判断されるが、いずれもList 2のデータのため、区分外とせず「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(中枢神経系) |
警告 |
H371 |
P309+P311
P260 P264 P270 P405 P501 |
ラットの急性経口毒性試験(GLP対応)において、雌雄共500 mg/kg(ガイダンス値区分2相当)以上で死亡の発生と、自咬による前肢、後肢および胸腹部の咬傷が認められ、損傷部からの出血が死亡原因と考えられたため、自咬防止装置を装着すると、5000 mg/kgでも死亡は認められなかった(農薬抄録(2007))。ラット及びマウスでは高用量投与により、自咬行動を含む常同行動及び自発運動の増加が認められ、自咬行動惹起のメカニズムとしてドーパミン神経系の関与が考えられ、脳内のカテコラミン神経系を賦活化し、常同行動の一つとして自咬行動が発現した可能性が示唆されている(食品健康影響評価(2011))。これらの知見を踏まえ区分2(中枢神経系)とした。なお、自咬行動はラットで吸入ばく露(ダスト〉でも区分2相当用量で観察されているが、経皮投与では報告されていない(農薬抄録(2007))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(神経系) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
ラットの90日間混餌投与試験において、1800 ppm(132 mg/kg/day)投与群の雄及び300 ppm(24.4 mg/kg/day)以上投与群の雌で興奮性の神経症状及び行動変化が認められ(食品健康影響評価(2011))、また、ラットの6ヵ月間混餌投与試験において、3000 ppm(67~78 mg/kg/day)以上の投与群で指を噛む、ケージ内徘徊等の自己攻撃性を示す神経様症状が認められた(食品健康影響評価(2011))と報告され、症状の発現用量がガイダンス値区分2の範囲を含むことから、区分2(神経系)とした。なお、ラットおよびマウスに13週間混餌投与した試験(GLP対応)で報告されている血液生化学検査値の変動は、いずれも病理組織学的に裏付けとなる変化が認められなかった(農薬抄録(2007))ことから、分類の根拠に用いなかった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 |
- |
H401 |
P273
P501 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 4.6mg/L(AQUIRE, 2012)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 |
- |
H411 |
P273
P391 P501 |
急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC =0.38 mg/Lである(AQUIRE , 2012)ことから、区分2となる。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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