GHS分類結果 (経済産業省・環境省平成20年度事業(注))

ID1-165 2・4-ジクロロトルエン(CAS番号 95-73-8) 分類実施日 H21.3.31
使用マニュアル 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - 液体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - 液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - 液体である。
6 引火性液体 区分4 - 警告 可燃性液体 HSDB(2003)による引火点は93℃(開放式)であり、区分4に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - 液体である。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点>450℃(Merck KGaA data from March 2009)。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - 液体である。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - フッ素および酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - 液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - データがなく分類できない。


健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - ラットを用いた経口投与試験のLD50値2,790 mg/kg(SIDS(1995))は、国連GHS急性毒性区分5に該当するが、国内では不採用区分につき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - ラットを用いた4時間吸入暴露試験のLC50値は>2,669 mg/L(SIDS(1995))である。この値は飽和蒸気圧濃度3.9 mg/L(25℃)より大きいため、ミスト基準を適用し、区分外とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - GESTIS(Access on October 2008)には、Xi; R38と分類されている。これは、GHS区分2-3に相当するが、データが不十分なので分類できない。異性体混合物のジエチルトルエンには刺激性の可能性あり(HSDB(2003))との記述がある。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - 類似体の4-Chlorotolueneには強い刺激性(HSDB(2003))との記述があるが、本物質としてデータ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:分類できない
- - - 呼吸器感作性:データがないので分類できない。
皮膚感作性:データがないので分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - in vitro変異原性試験(ネズミチフス菌を用いる復帰変異試験、チャイニーズ・ハムスター培養細胞を用いる染色体異常試験)で「ともに陰性」(厚労省報告(Access on September 2008))との記述があるが、in vivo試験のデータがないので分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - 主要な国際評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。
7 生殖毒性 区分2
警告 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い ラットを用いた反復投与毒性試験と生殖/発生毒性スクリーニング試験を組み合わせた試験(OECD TG 422)において、母動物への毒性影響(肝臓、腎臓)が見られた投与量(500mg/kg)で、受胎率の低下、児動物の体重の低値が認められた(厚労省報告(Access on September 2008))との記述から、区分2とした。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用)
警告 (麻酔作用)眠気又はめまいのおそれ ラットの単回経口投与試験について、剖検及び病理組織学的検査では、「雌雄ともに被験物質投与による影響は認められなかったが、自発運動の減少、よろめき歩行が見られた」(厚労省報告(Access on September 2008))との記述と、雄ラットの単回強制経口投与試験において、「平伏、振戦、減衰、運動失調、努力性呼吸、鼻腔周辺の血液塊、尿の染み等が見られた」(HSDB(2003))との記述がある。さらにヒトの事故事例として、2007年厚労省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/
anzeneisei10/12.html)には、「ドラム缶へ薬剤を充填する作業において、自動計量器が適切に作動せず、充填ノズルとドラム缶の注入口の隙間から2,4−ジクロロトルエンが漏れ出したため、漏れた2,4−ジクロロトルエンをウエスで拭きとったところ、同ウエスの2,4−ジクロロトルエン蒸気を吸入し、中毒となった。」との記述がある。以上より区分3(麻酔作用)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分2(肝臓、腎臓)
警告 長期又は反復暴露による臓器(肝臓、腎臓)の障害のおそれ ラットを用いた46日間反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422)で、「小葉中心性肝細胞腫脹、尿細管上皮の萎縮及び再生、尿細管の拡張などがみられた。」(厚労省報告(Access on September 2008))旨の記述がある。これらの影響は区分2のガイダンス値の範囲内でみられたので、区分2(肝臓、腎臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない。 - - - データがないので分類できない。


環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - 水生生物に毒性 魚類(メダカ)の96時間LC50 = 2.7mg/L(SIDS, 1995)から区分2とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分2
- 長期的影響により水生生物に毒性 急性毒性区分2であり、急速分解性がない(難分解、BODによる分解度:0%(既存点検, 1995)ことから、区分2とした。

(注)
「物理化学的危険性」及び「健康に対する有害性」:平成20年度経済産業省委託事業による分類結果
「環境に対する有害性」:平成20年度環境省委託事業による分類結果


参考資料

政府向けGHS分類ガイダンス

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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