GHS分類結果 (経済産業省・環境省平成20年度事業(注))

ID1-153 シクロヘキサ-1-エン-1・2-ジカルボキシイミドメチル=(1RS)-シス-トランス-2・2-ジメチル-3-(2-メチルプロパ-1-エニル)シクロプロパンカルボキシラート(CAS番号 7696-12-0) 分類実施日 H21.3.31
使用マニュアル 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - 固体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - 固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - データがなく分類できない。
8 自己反応性物質および混合物 分類できない - - - 分子内に不飽和結合を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - 固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - 用途が農薬であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。約50℃迄の温度での貯蔵で安定との記載あり(PM (13th, 2003))。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。


健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - ラットを用いた経口投与試験のLD50値4,600 mg/kg (EHC 98 (1990)) は国連GHS急性毒性区分5に該当するが、国内では不採用区分につき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - ラットを用いた経皮投与試験のLD50値>5,000 mg/kg (EHC 98 (1990)) から区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - 本物質の飽和蒸気圧濃度(30℃)は1.26×10-5 mg/Lの固体である。ラットを用いた3時間吸入暴露試験のLC50値>2.74 mg/L(HSDB (2001))より粉塵基準を適用する。4時間換算LC50値は>2.06 mg/Lより、区分を特定できないので分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - ウサギを用いた皮膚刺激性試験2件の判定について、いずれも「刺激性なし」 (EHC 98 (1990))である旨の記述がなされているが、暴露時間が不明であるため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 眼刺激 ウサギを用いた眼刺激性試験2件の判定について、それぞれ、「slight」、「一過性の症状であり、48時間後に回復した」 (EHC 98 (1990))旨の記述がなされている。以上より区分2Bとした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:分類できない
- - - 呼吸器感作性:データがないので分類できない。
皮膚感作性:ヒトについては、200名の健常人への1%溶液を用いた半密閉パッチテストで「感作性はない」(EHC 98 (1990))旨、記述されている。動物については、「ラセミ混合物および1R,cis/trans異性体は、モルモットにおける感作物質とは認められなかった」(EHC 98(J)(1990))との記述があるが、用量等の詳細が記述されていない。以上より、データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - 体細胞in vivo変異原性試験 (マウス骨髄細胞を用いる染色体異常試験) は「陰性」(EHC 98 (1990))との記述から、区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - 主要な国際的評価機関による評価がなされていないので分類できない。
なお、ラットを用いた104週間慢性/発がん性試験2件について、「精巣間細胞の腫瘍発生率は、対照群と比較して高い数値を示した。しかし、精巣間細胞の腫瘍は高齢のラットにおいて自然発生し、その発生率は対照群の間で大きく変化し得る。この腫瘍が悪性であるとの証拠はなく、マウスにおいてはこのタイプの腫瘍発生は立証されていない。したがって、もしこの催腫瘍性が事実だとしても、ヒトの暴露に関連して発生するとは到底考えられない」 (EHC 98(1990)) 旨の記述がある。
7 生殖毒性 分類できない - - - ラットを用いた生殖毒性試験において、「親動物に肝臓重量の増加、腎臓重量の増加、体重増加抑制、摂餌量の減少がみられた用量で、児動物に影響はみられなかった。しかし、最高用量の1,000 mg/kgでは、妊娠率の変化はないが性周期への影響と排卵抑制作用が見られた」 (EHC 98 (1990)) 旨の記述がある。この一次文献は非公開データで詳細が不明であるため、分類できない。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分2(中枢神経系)
警告 臓器(中枢神経系)の障害のおそれ EHC 98 (1990) に、「毒性徴候には、過剰興奮、振戦(ふるえ)、運動失調、機能低下が含まれる」旨の記述がある。引用文献のうちの1つ(Degradation, metabolism and toxicity of synthetic pyrethroids. (1976) )を確認したところ、ラットおよびマウスを用いた単回吸入暴露試験で、「易刺激性、運動失調、尿失禁がみられた」旨の記述がある。この影響は区分2のガイダンス値の範囲内でみられた。以上より区分2(中枢神経系)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 分類できない - - - EHC 98 (1990)に、マウスを用いた104週間混餌投与試験において、「雄に脳下垂体および甲状腺/副甲状腺の重量減少、脾臓重量の減少」がみられた旨、記述されている。また、ラットを用いた6ヶ月間混餌投与試験において、区分2のガイダンス値の範囲内で「雄で血清カルシウム値の上昇、肝臓脂質含量の減少、雌雄で尿タンパク量の僅かな増加、腎の相対重量および肝臓重量の増加、血清コレステロール値の上昇」(EHC 98 (1990)) がみられた旨、記述されている。肝臓の症状については「飼料へのコーン油添加に関連した適応性変化である」(EHC 98 (1990))ことが指摘されている。また、その他の臓器については重量減少以外の影響が見られておらず、重大な症状にはあたらないと考えられる。以上から、いずれも標的臓器としては採用しないが、本物質の暴露によりヒトで健康影響を生じる可能性を完全には否定できないので、分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データがないので分類できない。


環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1
警告 水生生物に非常に強い毒性 魚類(ニジマス)の96時間LC50 = 0.0037mg/L(AQUIRE, 2008)から区分1とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分1
警告 長期的影響により水生生物に非常に強い毒性 急性毒性区分1であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:2%(既存点検, 2005))ことから区分1とした。

(注)
「物理化学的危険性」及び「健康に対する有害性」:平成20年度経済産業省委託事業による分類結果
「環境に対する有害性」:平成20年度環境省委託事業による分類結果


参考資料

政府向けGHS分類ガイダンス

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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