GHS分類結果 (経済産業省・環境省平成20年度事業(注))

ID1-129 4-クロロ-3-メチルフェノール(CAS番号 59-50-7) 分類実施日 H21.3.31
使用マニュアル 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - 固体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - 固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - データがなく分類できない。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - 固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点590℃(ICSC,1997))。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - フッ素を含まず、酸素、塩素を含む有機化合物であるが、この酸素、塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - 金属腐食性あり(HSDB,2003)との記載があるが、固体状の物質に適した試験方法が確立していない。


健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4
警告 飲み込むと有害 ラットを用いた経口投与試験のLD50値5,129 mg/kg、3,636 mg/kg、1,830 mg/kg (DFGOT vol.2 (1991))の内、最小値1,830 mg/kgから区分4とした。EU分類はXn; R21/22である(EU-Annex I)。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値>5,000 mg/kg (IUCLID (2000))から、区分外とした。EU分類はXn; R21/22である(EU-Annex I)。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - ラットを用いた粉塵吸入暴露試験(4時間)において最高用量0.704 mg/Lで死亡が見られなかった(DFGOT vol.2 (1991))ことからLC50値は>0.704 mg/Lと考えられるが、区分を特定できないため、分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - ウサギを用いた皮膚刺激性/腐食性試験(OECD TG 404)及び、ラットに2,000 mg/kgを24時間投与した試験で「皮膚刺激性なし」(IUCLID (2000))との記述がある。一方、ウサギの剃毛した有傷・無傷皮膚に4時間投与した試験で「moderately irritating」(IUCLID (2000))との記述や、本物質のナトリウム塩をウサギに24時間投与した試験で腐食性(IUCLID (2000))との記述がある。以上より、分類できないとした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1
危険 重篤な眼の損傷 ウサギを用いた試験で「結膜と虹彩の顕著な発赤と腫脹、角膜混濁が7日目にも見られた」(DFGOT vol.2 (1991))旨の記述があり、HSDB(2003)にも、ウサギを用いた試験において「0.05%溶液の眼への適用で角膜混濁を生じる」、「角膜の腐食、結膜の炎症や潰瘍、虹彩炎などを生じ、21日間で不可逆的である」旨、記述されているので、区分1とした。EU分類はXi; R41である(EU-Annex I)。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:区分1

(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)警告
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
呼吸器感作性:データがないので分類できない。
皮膚感作性:ヒトについては、31名の健常人への5%溶液を用いたパッチテスト、66名の健常人への20%溶液を用いたパッチテストなどで「陽性例は見られていない」が、「0.2〜3%の患者が本物質に感作性を示す」旨の報告がある(DFGOT vol.2 (1991))。実験動物については、モルモット15匹を用いたMaximization試験で半数以上の動物に「弱い発赤」が見られる(DFGOT vol.2 (1991))等、複数の試験で陽性反応が記述されている。以上から、区分1とした。EU分類はR43(EU-Annex I)、ドイツMAKリストの表示はSh(ACGIH-TLV/BEI (2005))である。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - 体細胞in vivo変異原性試験(マウス赤血球を用いた小核試験)が「陰性」(HSDB(2003))との記述に基づき、区分外とした。in vitroでのラット肝細胞を用いた不定期DNA合成試験、CHO細胞を用いた前進突然変異(HGPRT)試験、ネズミチフス菌を用いた復帰突然変異試験においても「陰性」(HSDB (2003))との記述がある。
6 発がん性 分類できない - - - 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - ラットを用いた出生前発達毒性試験(OECD TG 414、GLP)において、母動物に「呼吸困難、体重増加の有意な抑制」が見られる用量で、妊娠率や胎児への影響は見られなかった(HSDB(2003)、IUCLID(2000))旨、記述されているが、生殖機能への影響に関するデータがないので、分類できない。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)
警告 (気道刺激性)呼吸器への刺激のおそれ 粉塵に吸入暴露されたラットで「鼻、粘膜への一時的な刺激」(DFGOT vol.2 (1991))、「気道刺激性」(ICSC(1997))との記述から、区分3(気道刺激性)とした。
なお、ヒトについて、本物質への暴露後に「左顔面麻痺」を呈した症例がHSDB(2003)に報告されているが、一例のみであり、一貫性のある影響かどうか判断できないため採用しない。動物については、400 mg/kgを単回経口投与されたラットで「肝臓のミトコンドリアや小胞の増加、粗面小胞体の変化、毛細胆管の拡張などが見られる」(HSDB(2003))旨の記述があるが、重大な影響とは考えられないため、採用しない。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分2(脳、腎臓、肝臓)
警告 長期又は反復暴露による臓器(脳、腎臓、肝臓)の障害のおそれ ラットを用いた24ヶ月間混餌投与試験で、21.0 mg/kg以上を投与された群において「腎臓の重量増加及び組織病理学的な変化(雄ラットで腎乳頭壊死、腎皮質の拡張、線維化)、脳の重量の変化及び組織病理学的な変化」(HSDB(2003))が、また、ウサギを用いた21日間経皮投与試験(15回投与)において160 mg/kg(90日換算値26.7 mg/kg)投与群に「肝臓の胆管周囲炎、胆管の増殖」(HSDB(2003))が報告されている。以上から、区分2(脳、腎臓、肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データがないので分類できない。


環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1
警告 水生生物に非常に強い毒性 魚類(ニジマス)の96時間LC50 = 0.917 mg/L(AQUIRE, 2008)から区分1とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分1
警告 長期的影響により水生生物に非常に強い毒性 急性毒性区分1であり、急速分解性がない(4週間の標準法でBODによる分解度:0%(既存点検, 1983))ことから、区分1とした。

(注)
「物理化学的危険性」及び「健康に対する有害性」:平成20年度経済産業省委託事業による分類結果
「環境に対する有害性」:平成20年度環境省委託事業による分類結果


参考資料

政府向けGHS分類ガイダンス

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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