GHS分類結果 (経済産業省・環境省平成20年度事業(注))

ID1-120 オルト-クロロフェノール(CAS番号 95-57-8) 分類実施日 H21.3.31
使用マニュアル 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - 液体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - 液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - 液体である。
6 引火性液体 区分4 - 警告 可燃性液体 HSDB(2005)による引火点は64℃(密閉式)であり、区分4に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - 液体である。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点550℃(Merck KGaA data from March 2009)。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - 液体である。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - フッ素を含まず、酸素、塩素を含む有機化合物であるが、この酸素、塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - 液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - データがなく分類できない。


健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4
警告 飲み込むと有害 ラットを用いた急性経口毒性試験のLD50値40 mg/kg、670 mg/kg (環境省リスク評価第6巻 (2008))、 約2,000 mg/kg (OECD TG 401、GLP)(厚労省報告 (Access on October 2008)) との記述がある。OECD TG 401及びGLP準拠試験のLD50値約2,000 mg/kgが区分4の範囲内にあり、また、区分4に存在するデータが多いことから、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分4
警告 皮膚に接触すると有害 ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値1,000-1,580 mg/kg (ATSDR (1999)) と記述されているので、区分4とした。なお、ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値が740-2,670 mg/kg (HSDB (2005))との記述があるが、一次文献(Toxicol. Appl. Pharmacol. 42(1977))を確認した結果、本物質ではなくフェノールについての記述であったので、採用しない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - 本物質はGHS定義上の液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2
危険 吸入すると生命に危険 ラットを用いた4時間吸入暴露試験(OECD TG 403)のLC50値2.05 mg/L(換算値390 ppm)(IUCLID (2000))と記述されている。本物質の飽和蒸気圧濃度(20℃)は2,270 ppmなので、気体基準を適用し、区分2とした。ATSDR(1999)には、ラットを用いた4時間吸入暴露試験において908 ppmで死亡が見られなかったとの記述がある。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データがないので分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1
危険 重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷 動物については、ウサギの皮膚への直接投与試験で「紅斑、浮腫、変色等のsevereな皮膚損傷を伴う腐食性」 (ATSDR (1999)) と記述されている。ヒトについては、「接触性皮膚炎を生じる懸念」(HSDB(2005)) と記述されている。以上から、区分1とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1
危険 重篤な眼の損傷 皮膚腐食性物質であり、「眼を強く刺激し、眼に入ると発赤、痛み、かすみ眼などを生じる」(環境省リスク評価第6巻(2008))、ウサギの眼に対して「腐食性」(ATSDR (1999))との記述に基づき、区分1とした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない
皮膚感作性:分類できない
- - - 呼吸器感作性:データがないので分類できない。
皮膚感作性:データがないので分類できない。
なお、ヒトについて「接触性皮膚炎を生じる懸念」(HSDB(2005)) との記述がある。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - 体細胞in vivo変異原性試験(マウスを用いた小核試験)で「陰性」 (IUCLID (2000)) との記述に基づき、区分外とした。体細胞in vivo遺伝毒性試験(マウス骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験)は「陰性」(ATSDR (1999))であるが、in vitro変異原性試験(チャイニーズ・ハムスター培養細胞を用いた染色体異常試験 (OECD TG 473、GLP))は「陽性」(厚労省報告(Access on October 2008))と記述されている。
6 発がん性 分類できない - - - 主要な国際的評価機関による評価がなされていないため分類できない。
なお、マウスやラットを用いた試験で「発がんプロモーション作用がある」が、「イニシエーション作用を有するという証拠はない」(EHC 93(1989))と記述されている。
7 生殖毒性 区分1B
危険 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ ラットを用いた飲水投与試験で「一腹あたり胎仔数の減少、死産仔数の増加が見られた」(環境省リスク評価 第6巻(2008))と記述されており、一次文献(Environ. Health Perspect. 46(1982))には「暴露された母動物の体重増加、赤血球数などの血液指標に影響はない」旨の記述があることから、区分1Bとした。ラットを用いた飲水投与試験で「催奇形性は見られなかった」(EHC 93(1989))との記述がある。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器系、中枢神経系)
危険 臓器(呼吸器系、中枢神経系)の障害 ヒトについては、List1の情報源である環境省リスク評価第6巻(2008)に、「気道を強く刺激し、経口摂取すると脱力感、嗜眠、痙攣、吸入すると咳、息切れ、咽頭痛などを生じる。エーロゾルを吸入すると、肺水腫を起こすことがある」との記述、List2の情報源であるHSDB (2005)に、急性暴露で「中枢神経系への影響、肺浮腫」との記述がある。また、ラットを用いた吸入暴露試験(OECD TG403)で「肺組織の肉眼的変化」(IUCLID (2000))が区分1のガイダンス値の範囲内で見られた。以上から、区分1(呼吸器系、中枢神経系)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 分類できない - - - ラットを用いた反復経口投与試験で「肝臓重量の高値、肝細胞肥大、振戦、自発運動の低下、歩行異常」(厚労省報告 (Access on October 2008))が見られたが、区分2のガイダンス値の範囲外での影響である。マウスを用いた経口投与試験において、区分2のガイダンス値の範囲内の用量で「肝臓、脾臓及び脳の重量の低下」が見られたが、「形態や組織に異常は認められない」(ATSDR(1999))旨、記述されている。他の暴露経路による試験データがないので、分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - 40℃での動粘性率は14 mm2/s以下と推算されるが、本物質は炭化水素ではないため、分類できない。


環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - 水生生物に毒性 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 3.9 mg/L(有害性評価書, 2008)から区分2とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分2
- 長期的影響により水生生物に毒性 急性毒性区分2であり、急速分解性がない(2週間の標準法でBODによる分解度:0%(既存点検, 1980))ことから、区分2とした。

(注)
「物理化学的危険性」及び「健康に対する有害性」:平成20年度経済産業省委託事業による分類結果
「環境に対する有害性」:平成20年度環境省委託事業による分類結果


参考資料

政府向けGHS分類ガイダンス

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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