項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 7632-00-0 |
名称 | 亜硝酸ナトリウム |
物質ID | 23B5576 |
分類実施年度 | 平成23年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団(N-O)を含む亜硝酸塩類であるが、UNRTDG(UN1500)クラス5.1(6.1)、PGIIIに分類されており、区分外とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である(ICSC(J)(2000))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 酸化性固体に分類されている。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である。(ホンメル(1996))ただし、強力な酸化剤であり、可燃物と混合したものは発火、爆発の危険がある.(安全性DB(1997) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である(ICSC(J)(2000))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水溶解度84.8 g/100 g(25℃)(HSDB(2007))であり、水と急激な反応をしないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分3 |
警告 |
H272 |
P370+P378
P210 P220 P221 P280 P501 |
UNRTDG(UN1500)クラス5.1(副次危険6.1)、PGIIIに分類されており、区分3とした。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として4件のデータ[77 mg/kg、130 mg/kg、150 mg/kg(以上 SIDS(2005))、85 mg/kg(JECFA 844(1998))]は、いずれも区分3に該当する。 なお、健康有害性に関しては類縁物質である亜硝酸カリウム(CAS:7758-09-0)も参照のこと。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - |
粉塵の4時間ばく露によるラットのLC0は0.0951 mg/L(SIDS(2005))と報告されているが、このデータのみでは区分を特定でず分類できない。 なお、List3のデータでラットのLC50値 0.0055mg/L/4H(5.5mg/m3/4H)(RTECS(2004))がある。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギの皮膚に本物質500 mgを4時間適用した試験(OECD TG 404; GLP)において、刺激性なし(not irritating)との評価結果(SIDS(2005))に基づき区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
ウサギ6匹の結膜嚢に本物質100 mgを適用した試験(OECD TG 405; GLP)において、中等度の発赤、軽度の浮腫、多量の排出物として結膜への影響が全例に見られたが、12日目までに消失し、中等度の刺激性(moderately irritating)との評価結果(SIDS(2005))に基づき区分2Aとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 |
P308+P313
P201 P202 P281 P405 P501 |
体細胞in vivo変異原性試験として、ラットおよびマウスに経口投与による骨髄を用いた複数の染色体異常試験、マウスに経口投与後の末梢血を用いた小核試験およびハムスターに経口投与後の胎児性細胞を用いた小核試験で、いずれも陽性の結果(SIDS(2005)、IARC 94(2010))が報告されているので区分2とした。なお、その他のin vivo試験としては、マウスを用いた相互転座試験および優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)で陰性(SIDS(2005)、IUCLID(2000))、マウスに経口投与後の骨髄を用いた姉妹染色分体交換試験で陽性(SIDS(2005))の報告がある。また、in vitro試験として多くのエームス試験の結果、および哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験の結果はいずれも陽性(SIDS(2005))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
ラットおよびマウスに2年間飲水投与による発がん性試験において、雌雄ラットおよび雄マウスでは発がん性の証拠は見出されず、雌マウスで発がん性の不明確な証拠として前胃扁平上皮細胞の乳頭腫または癌腫の発生率の増加傾向が認められた(NTP TR 495(2001))。以上の試験結果から、総合的判断として亜硝酸塩の摂取により明らかな発がん性は認められなかったと結論されている(SIDS(2005))。しかし、IARCによる発がん性評価では、生体内でニトロソ化される条件下で硝酸塩または亜硝酸塩はグループ2Aに分類され(IARC 94(2010))、また、胃の酸性条件下で亜硝酸塩から発生するニトロソ化剤は、ニトロソ化可能化合物、特にアミンやアミドと容易に反応し、発がん性物質であるNニトロソ化合物を生ずるとの記載(IARC 94(2010))もあり、本物質の分類根拠として評価が定まらないため「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2、追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響 |
警告 |
H361
H362 |
P308+P313
P201 P202 P281 P405 P501 P260 P263 P264 P270 |
妊娠マウスの器官形成期に経口投与した発生毒性試験において、母動物が体重増加抑制を示した用量で、着床率および平均同腹仔数の有意な減少、死亡仔および早期死亡の有意な増加が認められ(SIDS(2005))、また、ラットの妊娠期間から授乳期まで経口投与した試験で仔の死亡率の増加と出生時の平均同腹仔数の減少が報告されている(SIDS(2005))ことから、区分2とした。また、ラットの妊娠期間から授乳期まで経口投与した試験において、投与母動物の仔が明らかな貧血となり、赤血球数、ヘモグロビン濃度の有意な低下に加え、肝臓の鉄含有量が有意な減少を示し、さらに投与母動物の乳汁では鉄含有量が対照動物より低く、延いては仔に副作用(貧血)を招いたとの記述(SIDS(2005))により、「追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液) |
危険 |
H370 |
P307+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質の摂取またはばく露により血中のメトヘモグロビン形成を生じ、一部にはチアノーゼが見られ、メトヘモグロビン血症を発現した多数の症例報告(SIDS(2005)、JECFA 844(1998)、PIM G016(1999))があり、区分1(血液)とした。なお、動物試験においても、ラットに150 mg.kg、また、マウスには100~300 mg/kgの経口投与により、血中のメトヘモグロビン濃度の増加が報告されている(SIDS(2005))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(血液) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
ラットの14週間反復経口(飲水)投与試験(雄:30, 55, 115, 200, 310 mg/kg bw/day、雌:40, 80, 130, 225, 345 mg/kg bw/day)において、雄の200または310 mg/kg/day群、および雌の130 mg/kg/day以上の群でチアノーゼが観察され、網赤血球数の増加に加え、区分2相当用量を含むほとんど全群でメトヘモグロビン濃度が上昇した(NTP TR 495(2001))との報告に基づき、区分2(血液)とした。なお、マウスの14週間反復経口(飲水)投与試験(雄:90, 190, 345, 750, 990 mg/kg bw/day、雌:120, 240, 445, 840, 1230 mg/kg bw/day)では、関連する所見として、雄の750または990 mg/kg/day群、および雌の445 mg/kg/day以上の群で脾臓の髄外造血が観察されている(NTP TR 495(2001))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
魚類(ニジマス)の96時間LC50 = 0.54 mg/L(SIDS, 2006)から、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、無機化合物であり水中での挙動が不明であるが、甲殻類(エビの一種)及び藻類(Desmodesmus subspicatus)についてNOEC > 1 mg/Lのデータが得られている(SIDS, 2006)ことから、区分外となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、無機化合物であり水中での挙動が不明であり、魚類(ニジマス)の96時間LC50 = 0.54 mg/L(SIDS, 2006)であることから、区分1となる。 以上の結果を比較し、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
|