項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 96-33-3 |
名称 | アクリル酸メチル |
物質ID | 23B5521 |
分類実施年度 | 平成23年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 |
P303+P361+P353
P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点-3℃ [密閉式](Ullmanns(E)(6th, 2003))は < 23℃ であり、かつ、初留点80.3℃(Ullmanns(E)(6th, 2003))は >35℃ であることから、区分2に該当する。国連危険物輸送勧告では安定剤入りのものがクラス3、容器等級II(国連番号1919)である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 自己反応性に関わる原子団(不飽和結合)を含むが、一般流通品は安定剤を含みUNRTDG(UN1919)クラス3でありタイプGとなる。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は468℃であり(CRC(91st, 2010))、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50として3件のデータ(277 mg/kg(SIDS(2003))、300 mg/kg(DFGMAK-Doc. 6(1994))、765 mg/kg(SIDS(2003)))があり、2件が区分3、1件が区分4に該当することから、該当数の多い区分3とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 |
警告 |
H312 |
P302+P352
P280 P312 P322 P363 P501 |
ラットのLD50値は1243 mg/kg(環境省リスク評価 第7巻(2009))に基づき区分4とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 |
危険 |
H331 |
P304+P340
P403+P233 P261 P271 P311 P321 P405 |
ラットLC50値として5件のデータ(750-1000 ppm(ECETOC JACC 37(1998))、1350 ppm(環境省リスク評価 第7巻(2009))、1620 ppm、1850 ppm、994 ppm(以上3件はSIDS(2003)))は全て区分3に該当する。なお、LC50値がいずれも飽和蒸気圧濃度(131579 ppm)の90%より低いので、気体の基準値を適用した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ウサギ6匹に試験物質原液を4時間適用した試験(OECD TG 404)において、適用後1時間に1匹、48時間に5匹、7日目に全例に壊死が見られ、また、適用1時間後6匹全例が最も重度(グレード4)の浮腫を示し、強い刺激性(highly irritating)と評価された(SIDS(2003))。また、ウサギ6匹に試験物質原液0.5 mLを4時間適用した別の試験では、適用後4、24、48時間の紅斑と浮腫のスコアはいずれもグレード4であり、化学熱傷、皮下出血、および適用部全域の壊死が全例に見られ、一次刺激性指数は最も重度の8(/8)であり、腐食性(corrosive)と評価された(SIDS(2003))。以上より区分1とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
ウサギの眼に試験物質原液0.01 mLを滴下した試験で、投与後初日に中等度の角膜損傷、軽度の虹彩炎、中等度~重度の結膜病変が観察され、7日間の観察期間中に回復は全く認められず、眼刺激性スコア(AOIに相当)は66(最大値110)で重度の刺激性(severely irritating)と評価され(SIDS(2003))、かつ、本試験では動物6匹を使用の予定であったが、上記の初日の結果から1匹のみに変更された経過(SIDS(2003))も踏まえ、区分1とした。なお、本物質は皮膚腐食性/刺激性において腐食性物質として区分1に分類している。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足。なお、米国テキサス州の化学品製造工場において、ばく露と気管支の過敏反応依存性の関係を調べる目的で、作業者を対象としてケース・クロスオーバー研究が行われ、肺機能検査の一つであるスパイロメトリー検査とメタコリン吸入試験を作業開始前、作業中、作業後に実施されたが、その間に変化はみられなかった(NITE初期リスク評価書 95(2008))と報告されている。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1A |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P261 P272 P280 P321 P363 P501 |
日本産業衛生学会により、感作性物質として皮膚の第2群に分類され(産衛学会勧告 52巻((2010))ていることから区分1Aとした。また、Contact Dermatitis(Frosch)にも接触アレルギー物質として掲載されている(Contact Dermatitis(4th, 2006)、List1相当)。なお、ヒトで接触またはばく露により皮膚にアレルギー反応が認められた事例を含め、本物質に皮膚感作性があることを示唆する多くの報告(NITE初期リスク評価書 95(2008)、環境省リスク評価 第7巻(2009)、PATTY(5th, 2001)、DFGMAK-Doc. 16(2001))がある。一方、動物ではモルモットのマキシマイゼーション試験で陽性(2/6)(SIDS(2003))のほか、OECDで承認された試験法ではないが、モルモットを用いたPolak 法、Epicutaneous法、Split Adjuvant法などによる試験で陽性が報告されている(NITE初期リスク評価書 95(2008))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 |
- |
- | - | マウスに経口および吸入による骨髄細胞を用いた2件の小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性の結果(SIDS(2003))により区分外とした。なお、マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陽性の報告もあるが、物質純度なども不明で、再現性にも疑問があると記述されている(SIDS(2003))。また、in vitro試験としてエームス試験で陰性(NITE初期リスク評価書 95(2008)、SIDS(2003))、マウスリンフォーマ試験で陽性の結果(NITE初期リスク評価書 95(2008))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
IARCの発がん性評価でグループ3(IARC 71(1999))、ACGIHではA4(ACGIH(2001))に分類されていることから、「分類できない」とした。なお、ヒトの情報は少なく、職業ばく露による疫学調査の報告があるものの本物質と発がん性との関連をを示す所見は得られていない(環境省リスク評価 第7巻(2009))。また、実験動物ではラットの2年間吸入ばく露試験の報告があるのみで、投与に関連する腫瘍の発生はなかったと結論されている(NITE初期リスク評価書 95(2008))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
ラットの妊娠6~20日に吸入ばく露による発生毒性試験において、50 ppm以上で母動物が顕著な体重増加抑制と摂餌量の低下を示したが、投与に関連する胚・胎児の死亡は見られず、奇形の発生もなく、影響は胎児体重の有意な低下のみであったとの報告(SIDS(2003))から、子の発生に対する悪影響は認められなかったが、性機能および生殖能に対してはデータ不十分であり、その影響については不明のため「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(全身毒性)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H370
H335 |
P307+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ラットに経口投与により、ふらつき、腹臥位の症状とともに759 mg/kg以上で死亡が発生し、剖検で胃粘膜の病変、ウサギに180~280 mg/kgの経口投与では、無関心、呼吸困難、振戦、チアノーゼの症状、胃粘膜の点状出血と浮腫、肺のうっ血、がそれぞれ認められた(SIDS(2003))。ラット、マウス、およびハムスターに吸入ばく露(蒸気:1.2~9.8 mg/L/4h)により、眼と鼻腔に対する強い刺激と呼吸困難、死亡例では心臓の拡張、肺のうっ血、充血および浮腫が認められた(SIDS(2003))。以上の結果から、ガイダンス値範囲として、経口で区分2、吸入で区分1に相当するが、死亡例の発生もあり症状が非特異的で標的臓器の特定が困難なため、区分1(全身毒性)とした。また、ラット、マウス、およびハムスターの吸入ばく露試験でみられた眼と鼻腔に対する強い刺激は生存例では回復が見られ、ヒトでもばく露により上気道及び結膜に刺激がみられた(NITE初期リスク評価書 95(2008))との報告もあり、区分3(気道刺激性)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(上気道)、区分2(腎臓) |
危険 警告 |
H372
H373 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ラットに12週間吸入ばく露(蒸気)により、0.86 mg/L/6h/day以上で嗅上皮の変性と空胞化に加え、呼吸上皮・嗅上皮間の移行上皮の角質化が観察され(SIDS(2003))、また、ラットの2年間吸入ばく露試験の0.173 mg/L/6h/day以上の投与群の雌雄で、鼻腔の嗅細胞や線毛細胞の消失を伴った基底細胞過形成の有意な発生率の増加が認められた(SIDS(2003))。先の12週間吸入ばく露試験のガイダンス値範囲を超える2.23 mg/L/6h/dayの濃度では、努力呼吸、粘膜刺激、眼と鼻の出血性排出物がますます悪化し、強い刺激(気管支肺炎を伴う気管と肺の充血)のためこの用量では全例死亡した。以上の結果から、ガイダンス値範囲の区分1相当用量以上で、上気道への影響が認められていることから区分1(上気道)とした。一方、ラットに13週間経口投与によりガイダンス値区分2に相当する20 mg/kg/dayの用量の雌雄で、腎尿細管の拡張と好酸性円柱を特徴とする腎臓の変化がみられ、程度および頻度とも対照群に比べ増強している(SIDS(2003))ことから、区分2(腎臓)とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 |
- |
H401 |
P273
P501 |
魚類(シープスヘッドミノー)の96時間LC50 = 1.1 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2008)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 |
- |
H412 |
P273
P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(2週間でのBODによる分解度:37%、TOCによる分解度:100%、HPLCによる分解度:58.3%(既存点検, 1975))、甲殻類(ミジンコ)の21日間NOEC = 0.36 mg/L(環境省リスク評価第7巻, 2009)であることから、区分3となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(シープスヘッドミノー)の96時間LC50 = 1.1 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2008)であるが、急速分解性があり(2週間でのBODによる分解度:37%、TOCによる分解度:100%、HPLCによる分解度:58.3%(既存点検, 1975))、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow = 0.8(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外となる。 以上の結果を比較し、区分3とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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