NITE-化学物質管理分野　GHS分類結果表示

GHS分類結果（過年度実施分類結果の再分類）

一般情報

項目	情報
CAS登録番号	110-49-6
名称	エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
物質ID	23B5509
分類実施年度	平成23年度
分類実施者	厚生労働省、環境省
新規/再分類	再分類・見直し
他年度における分類結果	平成18年度
Excelファイルのダウンロード	Excel file

関連情報

項目	情報
分類に使用したガイダンス（外部リンク）	GHS分類ガイダンス
国連GHS文書（外部リンク）	国連GHS文書
解説・用語集（Excelファイル）	解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS（外部リンク）	職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal（外部リンク）	eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目		分類結果	絵表示注意喚起語	危険有害性情報（Hコード）	注意書き（Pコード）	分類根拠・問題点
1	爆発物	分類対象外	- -	-	-	爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2	可燃性／引火性ガス（化学的に不安定なガスを含む）	分類対象外	- -	-	-	GHSの定義における液体である。
3	エアゾール	分類対象外	- -	-	-	エアゾール製品でない。
4	支燃性／酸化性ガス	分類対象外	- -	-	-	GHSの定義における液体である。
5	高圧ガス	分類対象外	- -	-	-	GHSの定義における液体である。
6	引火性液体	区分3	警告	H226	P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501	引火点44℃ [密閉式]（IMDG（2010））は ≧ 23℃ かつ ≦60℃ であることから、区分3に該当する。なお、UNRTDG（UN1189）でクラス3、PGIIIに該当する。
7	可燃性固体	分類対象外	- -	-	-	GHSの定義における液体である。
8	自己反応性化学品	分類対象外	- -	-	-	爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9	自然発火性液体	区分外	- -	-	-	発火点は380℃であり（ICSC（2003））、常温で発火しないと考えられる。
10	自然発火性固体	分類対象外	- -	-	-	GHSの定義における液体である。
11	自己発熱性化学品	分類できない	- -	-	-	液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12	水反応可燃性化学品	分類対象外	- -	-	-	金属および半金属（B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At）を含んでいない。
13	酸化性液体	分類対象外	- -	-	-	フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14	酸化性固体	分類対象外	- -	-	-	GHSの定義における液体である。
15	有機過酸化物	分類対象外	- -	-	-	-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16	金属腐食性物質	区分外	- -	-	-	ステンレス鋼、鋼およびアルミニウムは容器として耐久性がある。（ホンメル（1996））という情報により区分外とした。

健康に対する有害性

危険有害性項目		分類結果	絵表示注意喚起語	危険有害性情報（Hコード）	注意書き（Pコード）	分類根拠・問題点
1	急性毒性（経口）	区分外	- -	-	-	ラットのLD50値として3件のデータ（4300 mg/kg（NITE初期リスク評価書 101（2008））、3930 mg/kg（EHC 115（1990））、3390 mg/kg（PATTY（5th, 2001）））があり、いずれもJIS分類基準の区分外（国連分類基準の区分5）に該当する。なお、本物質は加水分解により速やかにエチレングリコールモノメチルエーテルに分解することから、健康有害性に関してはエチレングリコールモノメチルエーテル（CAS:109-86-4）も参照のこと。
1	急性毒性（経皮）	区分外	- -	-	-	ウサギのLD50値は5600 mg/kg（ACGIH（2006））および5290 mg/kg（PATTY（5th, 2001））に基づき区分外とした。
1	急性毒性（吸入：ガス）	分類対象外	- -	-	-	GHSの定義における液体である。
1	急性毒性（吸入：蒸気）	区分3	危険	H331	P304+P340 P403+P233 P261 P271 P311 P321 P405	ラットLD50値は700 ppm/4h（HSDB（2009））に基づき、区分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度（5276 ppm）の90%より低いので、気体の基準値を適用した。
1	急性毒性（吸入：粉塵、ミスト）	区分外	- -	-	-	ラットに34.4 mg/Lを4時間ばく露して6匹中2匹が死亡（オランダの評価文書（2011）、List2相当）との結果から、LC50値は5 mg/kgを超えるとみなされ、区分外とした。なお、試験濃度は飽和蒸気圧濃度（25.5 mg/L）より高いので、ミストの基準値を適用した。
2	皮膚腐食性／刺激性	区分外	- -	-	-	ウサギの皮膚に0.5 mLを4時間の閉塞適用した試験（EEC試験法）で刺激性はみられなかったことから区分外とした。なお、24時間の閉塞適用では軽度の刺激性との結果（NITE初期リスク評価書 101（2008））がある。
3	眼に対する重篤な損傷性／眼刺激性	区分2B	- 警告	H320	P305+P351+P338 P337+P313 P264	ウサギの眼に適用した試験で、液体の本物質は軽度の刺激性（mildly irritating）との結果（ACGIH（2006））に基づき、区分2Bとした。
4	呼吸器感作性	分類できない	- -	-	-	データなし。
4	皮膚感作性	分類できない	- -	-	-	データなし。
5	生殖細胞変異原性	区分外	- -	-	-	チャイニーズハムスターに腹腔内投与による骨髄を用いた小核試験（体細胞in vivo変異原性試験）において、陰性の結果（ECETOC TR95（2005））に基づき区分外とした。なお、in vitro試験としては、エームス試験で陰性または弱陽性または陽性の結果（ECETOC TR95（2005）、NTP DB（1988））が報告され、CHO細胞を用いた染色体異常試験では陽性（NTP DB（1988））の報告がある。
6	発がん性	分類できない	- -	-	-	データなし。
7	生殖毒性	区分1B	危険	H360	P308+P313 P201 P202 P281 P405 P501	マウスの妊娠6～13日に経口投与した発生毒性試験において、親動物に影響が見られなかった用量（1225 mg/kg/day）、即ち一般毒性が示されなかった用量で、全ての母動物の子宮内で吸収胚がみられたとの報告（NITE初期リスク評価書 101（2008））に基づき区分1Bとした。なお、EU分類ではRepr. Cat. 2: R60-61（EC-JRC（ESIS）（Access on Aug. 2011））である。また、ヒトの情報として、本物質を用いる洗浄作業に15歳から従事していた女性が、22歳時の初妊娠で出産した第1子男子、25歳時の妊娠の第2子男子ともに、尿道下裂、二分陰のうなどの奇形が見られ、女性は酢酸2-メトキシエチルを1日平均1～2 L、1～4時間取り扱っており、女性に奇形の家族歴はないため、出生児にみられた奇形は酢酸2-メトキシエチルが原因であると報告されている（NITE初期リスク評価書 101（2008））。しかし、例数が少なく、明確な因果関係まで証明されていないため分類には採用しなかった。
8	特定標的臓器毒性（単回暴露）	区分1（腎臓）	危険	H370	P307+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501	ウサギおよびネコに450 ppmの蒸気を8時間の吸入ばく露（換算値：2.17 mg/L/8h = 3.01 mg/L/4h）により腎障害で死亡した（NITE初期リスク評価書 101（2008））との報告に加え、ウサギに507 mg/kgまたは1007 mg/kgを3日間経口投与で全例が腎障害を呈し、尿中にアルブミンと円柱が見られた（PATTY（5th, 2001））との報告がある。ウサギに3日間経口投与試験では用量的におおよそガイダンス値区分2の範囲にあるが、吸入ばく露の濃度がガイダンス値区分1に相当することから、区分1（腎臓）とした。なお、ACGIH（2006）には、動物（マウス、モルモット、ウサギ）の吸入試験で粘膜を刺激したとの記載があるが、オランダ評価文書（2011）にはマウスの試験で気道刺激性はなかったとの記載がある。
9	特定標的臓器毒性（反復暴露）	区分2（中枢神経系）	警告	H373	P260 P314 P501	ラットに1244 mg/m3/6hを2週間の吸入ばく露（90日換算値：0.191 mg/L:〈蒸気〉）により後肢運動機能の部分的喪失を起こし、この後肢麻痺は神経膠細胞の毒性を伴い、ばく露終了後2週間での回復は不完全で高用量の動物では僅かに麻痺が残った（オランダの評価文書（2011））と報告され、かつ本物質は中枢神経毒性有するエチレングリコールモノメチルエーテル（EGME）に体内で急速に分解することから、EGMEと同様の毒性を示すものと考えられた（ECETOC TR95（2005））。ラットの試験は、ガイダンス値から判断すると区分1相当であるがList 2のデータであって、判定基準1b3）（OECD TGおよびGLP）を満たさないため、ガイダンスにしたがって区分2（中枢神経系）とした。なお、ラットに5週間経口投与により、500 mg/kg/日（90日換算値：192 mg/kg）以上で精細管、精子・精子細胞・精母細胞の著しい減少など、1000 mg/kg/日以上で精子及び精子細胞の消失並びに、間細胞の増生、2000 mg/kg/日で精細管内の精細胞の消失（セルトリ細胞のみ残存）精のう重量の減少、ヘモグロビン量の減少などがみられたが、ガイダンス値範囲の上限を超えている。
10	吸引性呼吸器有害性	分類できない	- -	-	-	データなし。

環境に対する有害性

危険有害性項目		分類結果	絵表示注意喚起語	危険有害性情報（Hコード）	注意書き（Pコード）	分類根拠・問題点
11	水生環境有害性（急性）	区分3	- -	H402	P273 P501	魚類（インランドシルバーサイド）の96時間LC50 = 40 mg/L（NITE初期リスク評価書, 2008）から、区分3とした。
11	水生環境有害性（長期間）	区分2	-	H411	P273 P391 P501	慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり（2週間でのBODによる分解度：95%（既存点検, 2002））、甲殻類（ネコゼミジンコ）の7日間EC10 = 0.06 mg/L（NITE初期リスク評価書, 2008））であることから、区分2となる。慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類（インランドシルバーサイド）の96時間LC50 = 40 mg/L（NITE初期リスク評価書, 2008）であるが、急速分解性があり（2週間でのBODによる分解度：95%（既存点検, 2002））、生物蓄積性が低いと推定される（log Kow = 0.1（PHYSPROP Database, 2009））ことから、区分外となる。以上の結果を比較し、区分2とした。
12	オゾン層への有害性	分類できない	- -	-	-	当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。

分類結果の利用に関する注意事項：

政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
「分類結果」欄の空欄又は「- 」（ハイフン）は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの（「区分に該当しない（分類対象外を含む）」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合）に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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