項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 62-44-2 |
名称 | 4'-エトキシアセトアニリド |
物質ID | 23B5505 |
分類実施年度 | 平成23年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50として2件のデータ(1650 mg/kg(環境省リスク評価書第3巻(2004))および約4000 mg/kg(IARC 24(1980)))があり、1件が区分4、1件が区分外に該当することから、危険性の高い方の区分を採り区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | マウスLC50値として33.9 mg/L(環境省リスク評価 第3巻(2004))が得られているが、ばく露時間が不明のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 |
P308+P313
P201 P202 P281 P405 P501 |
マウスに経口または腹腔内投与、およびラットに経口投与による骨髄または末梢血を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において、それぞれ陽性の報告(IARC 100A(2011))があり区分2とした。なお、マウスの腎臓およびラットの膀胱の細胞を用いたDNA損傷試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)でも陽性(IARC 100A(2011))が報告されている。一方、in vitro試験としては、エームス試験で陰性と陽性の両方の結果(NTP DB(Access on Aug. 2011)、IARC 24(1980))があり、マウスリンフォーマ試験で陰性(NTP DB(Access on Aug. 2011))、チャイニーズハムスターの培養細胞を用いた染色体異常試験では陽性(IARC 100A(2011))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 区分1A |
危険 |
H350 |
P308+P313
P201 P202 P281 P405 P501 |
IARCの発がん性評価におけるグループ1の分類(IARC 100A(2011))に基づき1Aとした。なお、なお、NTPではR(NTP RoC(12th, 2011))、EPAではB2(HSDB(2011))にそれぞれ分類されている。ヒトの場合、本物質を含む鎮痛剤を多量に使用してきた患者で腎盂や尿管に腫瘍の発生をみた症例報告は多数あり(IARC 100A(2011))、また、疫学研究において本物質を含む薬剤の規則的使用と関連し、腎盂・尿管の癌の相対危険度の著しい増加がみられ、本物質の消費量増加とリスクの増加は統計学的に有意な用量反応関係を示した(IARC 100A(2011))と報告されている。さらに、動物試験においてもラットに混餌投与により腎臓と膀胱でがん発生率の増加(環境省リスク評価 第3巻(2004))が報告されている。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない、追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響 |
- |
H362 |
P308+P313
P201 P260 P263 P264 P270 |
ヒトの疫学調査でモニターした50282組の母子のうち、5546組が妊娠前期(1/3期)に本物質のばく露を受けており、頭蓋骨癒合(6例)、副腎症候群(5例)、肛門閉鎖(7例)、副脾(5例)などの異常や欠陥などが報告されているが、統計学的有意差が不明で、個別の確認が必要である(HSDB(2009))と記載されている。動物試験では、雌ラットの妊娠0~20日に経口投与した試験において投与群で妊娠率の低下がみられた(環境省リスク評価 第3巻(2004))と記載があるが、この知見は古く(1965年)、詳細も不明である。その他に情報もなく、以上から、性機能、生殖能および子の発生に対する影響についてはデータ不足により「分類できない」とした。一方、本物質はヒトで乳汁中移行することが知られており(HSDB(2009))、乳児にメトヘモグロビン血症が現れたとの報告もあり授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させる(メーカー医薬品情報)との記載もあるため「追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系) |
危険 |
H370 |
P307+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質には鎮痛作用の他にも、緊張の緩和、不安除去等の中枢神経系に対する作用がある(環境省リスク評価 第3巻(2004))と述べられ、本物質またはアスピリンの過量投与により、痙攣、昏睡、循環虚脱、呼吸不全、死亡を起こす可能性があり、そのような中枢神経系への影響について平均量以上の投与ではこれまで報告されてきている(NTP TR 67(1978))との記述に基づき、区分1(中枢神経系)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(腎臓、血液) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
本物質は解熱鎮痛剤として使用されていたが、濫用対策として供給停止が要請され、自主的な供給停止が行われた経緯があるが、オーストラリアで本物質濫用者の疫学調査で認められた高率(56.5%)の腎乳頭壊死の発生(環境省リスク評価 第3巻(2004))に加え、スイスで10 年以上にわたり本物質を服用した女性における泌尿器系あるいは腎臓疾患による死亡率の有意な増加(環境省リスク評価 第3巻(2004))、アメリカで鎮痛剤の使用状況調査の結果、腎疾患リスクが本物質常用者で最も高かった(環境省リスク評価 第3巻(2004))ことなど、ヒトで本物質ばく露による腎臓への悪影響を示す多くの報告があり、区分1(腎臓)とした。また、本物質の副作用として血小板減少、溶血性貧血、胃・十二指腸出血の記載(環境省リスク評価 第3巻(2004))があり、慢性的濫用により中毒や死亡とともに貧血も高頻度にみられ(HSDB(2009))、本物質を含む製剤を10年間服用し続けた40歳女性がチアノーゼを伴うスルフヘモグロビン血症を誘発したとの症例報告(HSDB(2009))もあり、区分1(血液)とした。なお、動物試験で雄ラットに2 g/kg/weekを220日間経口投与した試験で、176日目に80%が無精子症になった(環境省リスク評価 第3巻(2004))との報告があるが、区分2のガイダンス値を超えた用量であるため分類根拠として採用しなかった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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