項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 75-85-4 |
名称 | 2-メチル-2-ブタノール |
物質ID | 23A5162 |
分類実施年度 | 平成23年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 |
P303+P361+P353
P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点19℃ [密閉式](Merck(14th, 2006))は < 23℃ であり、かつ、初留点102.5℃(Merck(14th, 2006))は >35℃ であることから、区分2に該当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は435℃であり(Ullmanns(E)(6th, 2003))、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - |
データなし。なおSuitable materials: Stainless steel, Aluminium,(GESTIS(Access on Nov. 2011))という情報がある。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値は1000 mg/kgおよび1000-2000 mg/kg(以上、PATTY(5th, 2001))に基づき区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 |
警告 |
H312 |
P302+P352
P280 P312 P322 P363 P501 |
ウサギのLD50値は1720 mg/kg(PATTY(5th, 2001))に基づき区分4とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 |
警告 |
H332 |
P304+P340
P261 P271 P312 |
ラットに6時間ばく露により、5700 ppmで24時間以内に死亡し、3000 ppmでは生存した(PATTY(5th, 2001))との結果から、LC50値は3000~5700 ppm(4時間ばく露の換算値:3225~6983 ppm)の範囲にあることが示され、区分4とした。なお、試験濃度が飽和蒸気圧濃度(22105 ppm)の90%より低いので、ミストがほとんど混在しない蒸気として気体の基準値を適用した。また、EU分類ではXn; R20である(EC-JRC(ESIS)(Access on Nov. 2011))。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P264 P280 P321 P362 |
ウサギの皮膚に半閉塞適用(布で覆う)した場合紅斑と落屑が生じたとの結果(PATTY(5th, 2001))から、区分2とした。なお、開放適用では反復しても刺激性は見られず、不浸透性の被覆剤で閉塞適用した場合は重度の壊死が報告(PATTY(5th, 2001))されているが、適用方法としてOECDの試験ガイドラインで示されている半閉塞適用の結果を分類根拠とした。なお、EUではXi; R37/38(EC-JRC(ESIS)(Access on Nov. 2011))に分類され、区分2相当である。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
ウサギの眼に試験物質原液を適用し、中等度の結膜浮腫、中等度~重度の角膜混濁、中等度の虹彩炎が観察され、7日間では回復しなかったが14日後には完全に回復した(HSDB(2008))との報告により、区分2Aとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | モルモットを用いた皮膚感作性試験(modified Maguire test)で感作性なし(none was sensitized)の結果(HSDB(2008))が得られているが、OECDで承認された試験法でなく、データの詳細も不明なため「分類できない」とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験では、エームス試験で陰性(PATTY(5th, 2001))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H370
H336 |
P307+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ヒトにおいて、意図的に本物質約 27 gを飲み込んだ女性が昏睡、呼吸困難、不規則性脈拍に続き、散瞳と縮瞳を示した症例(PATTY(5th, 2001))、また、18 gを摂取した成人が意識消失し、1日以上持続した深い眠りに陥ったが緩やかに回復した症例(HSDB(2008))が報告されており、いずれも中枢神経系抑制症状と判断される。一方動物試験では、吸入ばく露後のラットの生存例で意識喪失や軽度の協調運動不能が見られ、ウサギ゙では50%の動物が昏迷と自発運動の消失を示す麻酔用量は700 mg/kgである(PATTY(5th, 2001))と報告されている。以上より、区分1(中枢神経系)、区分3(麻酔作用)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
ラット、マウスおよびイヌに 0, 50, 225, 1000 ppm/6h(換算値 0, 0.180, 0.811, 3.61 mg/L/6h)を90日間吸入ばく露(蒸気)した試験において、ラットでは1000 ppmで運動障害と肝臓重量の増加が観察され、NOELは225 ppm(0.811 mg/L)、マウスでは各用量ともばく露に関連した影響はなくNOELは1000 ppm(3.61 mg/L)と報告され、また、イヌでは1000 ppmで不安定歩行、運動障害、肝重量の増加、血清ALP活性の増加、各用量1匹の肝臓に封入体が観察された(HSDB(2008))。これらの結果により、各動物ともガイダンス値範囲内(1 mg/L以下)の用量では悪影響は認められなかったが、ガイダンス値上限(1 mg/L)付近での影響は不明のため吸入経路では分類できない。一方、ウサギに0, 344, 3440 mg/kg/day(90日換算:0, 106, 1058 mg/kg/day)を4週間経皮投与した試験では、低用量の344 mg/kg/dayで皮膚に対する局所影響を除き全身性の影響は見出されず(HSDB(2008))、経皮では区分外に相当するが、経口投与についてはデータはなく、特定標的臓器毒性(反復暴露)の分類としては「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 |
- |
- | - | 魚類、甲殻類による急性毒性試験が100 mg/Lを超えている(AQUIRE, 2012; HSDB, 2008)ことから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 信頼性のある慢性毒性データは得られていない。急性毒性区分外であり、難水溶性でない(水溶解度 = 110000 mg/L(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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