項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 584-79-2 |
名称 | アレスリン (1RS, cis, trans- 混合物) |
物質ID | 23A5146 |
分類実施年度 | 平成23年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 |
警告 |
H227 |
P370+P378
P403+P235 P210 P280 P501 |
引火点66℃ [開放式](eChemPortal(INCHEM UK PID)(Access on Oct. 2011)))は所定の密閉式試験法ではないが > 60℃ かつ ≦93℃ であると判断できることから、区分4とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 自己反応性に関わる原子団(歪みのある環)を含んでいるが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として雌雄各3件ずつ合計6件のデータ[2430 mg/kg、920 mg/kg、709 mg/kg(以上雄)、720 mg/kg、900 mg/kg、1041mg/kg(以上雌)](EHC 87(1989))があり、雄の1件のみが区分外に該当し、残りの5件全て区分4に該当することから、該当数の多い区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値は>2000 mg/kg(EHC87(1989))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 |
- |
- | - | ラットの24時間ばく露によるLC50値は >2 mg/L(4時間換算値 12 mg/L)、かつ、2000 mg/kgで死亡なしとの結果(EHC87(1989))に基づき、区分外とした。なお、試験濃度(0.5-2 mg/L)は飽和蒸気圧濃度(1.98E-05 mg/L)より高いので、ミストの基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - |
ウサギの皮膚に本物質の原液0.5 mLを適用により、未処置の対照動物との間に差は見られなかったとの報告(EHC87(1989))、また、ウサギを用いた別の試験では軽度の刺激性(slightly irritant)との報告(EHC87(1989))により、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3または区分外)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
ウサギの眼に本物質の10%または50%溶液0.1 mLを適用後10分および30分でそれぞれ眼瞼閉鎖および結膜充血を起こし、2時間後には分泌物を生じた(EHC 87(1989))。また、本物質はウサギの眼に軽度の一次刺激性(mild primary irritation)を示す(HSGs(1989)、List1相当)との記載もある。以上の報告された影響は軽度であるが、試験物質が原液ではなく希釈液を適用していることから区分2とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足。なお、ピレスロイドのばく露により呼吸器系アレルギーを起こした報告が複数ある(HSDB(2009))との記載がある。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P261 P272 P280 P321 P363 P501 |
接触アレルギー物質としてContact Dermatitis(Frosch)に掲載されている(Contact Dermatitis 4th(2006))ことから区分1とした。なお、モルモットを用いた皮膚感作性試験では、適用部位の皮膚所見は対照群と変わらなかったが、組織学的検査により真皮に軽度のリンパ球性、単球性浸潤が投与群で見出され(EHC87(1989))、また、モルモットを用いたEar-Flank testでは軽度の感作性を示した(EHC87(1989))と報告されている。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験では、エームス試験で陰性または陽性(EHC 87(1989)、HSDB(2009))、チャイニーズハムスターを用いた染色体異常試験では陽性(HSDB(2009))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足。なお、ラットに本物質ラセミ体を80週間混餌投与(飼料中濃度500, 1000, 2000 mg/kg)した試験において、催腫瘍性は認められなかった(EHC87(1989))と報告されているが、ラットのみの結果であり」分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
妊娠ラットの器官形成期に経口投与した発生毒性試験において、高用量群で母動物の死亡率が増加したが、体重および体重増加量には影響はなく、妊娠率、着床、生存胎児数、死亡胎児数、胚吸収に影響はなく、骨格変異(14肋骨)数が増加したのみで催奇形性および胎児毒性の証拠は見出されなかった(EHC87(1989))。また、妊娠ウサギの器官形成期に経口投与した試験においても妊娠および仔の発生に関わる指標には対照群と比べ変化はなく、また、胎仔の骨格や外表にも投与に関連する形態異常は認められなかった(EHC87(1989))。以上より、仔の発生に対する悪影響は認められなかったが、性機能および生殖能に対する影響についてはデータ不足であり「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(神経系)、区分3(気道刺激性) |
警告 |
H371
H335 |
P309+P311
P260 P264 P270 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
本物質の主な毒性影響は神経系に対する作用に起因する(EHC 87(1989))との記載がある。ヒトへの影響として、本物質に代表されるピレスロイドの皮膚ばく露による主な副作用は感覚異常である(HSDB(2009))との記載、また、全身影響としてよくある症状は、めまい、頭痛、疲労であり、心悸亢進、胸部逼迫、霧視は少なく、生命の危険を伴う主要な特徴的症状は昏睡と痙攣である(HSDB(2009))との記載に基づき、List 2の情報のため区分2(神経系)とした。一方、吸入暴露では、鼻炎、くしゃみ、のどの炎症、口腔内浮腫、咽頭部粘膜浮腫などの局部的な上気道障害、また局部的な下気道障害と思われる咳、息切れ、喘鳴、胸痛などがみられる(HSDB(2009))との記述により、区分3(気道刺激性)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(肝臓) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
イヌの6ヵ月間混餌投与(0, 200, 1000, or 5000 ppm)試験において、ガイダンス値範囲区分2に相当する1000 ppm(36 mg/kg/day)以上でアルカリフォスファターゼ活性の一貫した上昇、および組織学的検査により肝細胞の変性が認められた(EHC 87(1989))との報告に基づき区分2(肝臓)とした。なお、ラットの16週間混餌投与試験において10000 ppm(500 mg/kg/日相当)で振戦と痙攣、ラットの12週間強制経口投与試験において250および500 mg/kgで甲状腺の上皮細胞肥大と上皮乳頭変性、また、マウスの4週間吸入ばく露試験(4時間/日)において3 mg/L(90日6時間換算値 0.61 mg/L)で気管支肺炎がそれぞれ報告されている(EHC 87(1989))が、いずれもガイダンス値上限を超えた用量での所見である。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
魚類(ギンザケ)での96時間 LC50 = 0.0026 mg/L(AQUIRE, 2012)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データは得られていない。急速分解性がなく(BODによる分解度:2%(既存点検, 2003))、急性毒性区分1であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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