GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 137-58-6
名称 リドカイン
物質ID 23A5145
分類実施年度 平成23年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値は317 mg/kg(HSDB(2003))に基づき区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、本物質を5%含有する貼付剤LIDODERMで治療中または直後から、適用部位に水疱、灼痛感、落屑、皮膚炎などの皮膚の諸症状が現れることもあるが、軽度で一過性である(PDR(2009)、List1相当)と記述されている.。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P261
P272
P280
P321
P363
P501
接触アレルギー物質としてContact Dermatitis(Frosch)に掲載されている(Contact Dermatitis(4th Ed.(2006)、List1相当)ことから区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験としてエームス試験で陰性の報告(EMEA(1999))がある。また、リドカインの主代謝物である2,6-ジメチルアニリンについては、マウスに経口投与後の骨髄を用いた小核試験で陰性(IARC 57(1993))が報告されている。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。
7 生殖毒性 分類できない、追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響
-
-
H362 P308+P313
P201
P260
P263
P264
P270
本物質は局所麻酔薬として使用されており、ヒトでは本物質は乳汁に移行し、母乳/血清中の本物質の濃度比は0.4であったとの報告(PDR(2009))があることから、「追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響」とした。なお、妊娠中にばく露を受けた947人の女性を対象とした疫学調査では、奇形児出産の相対危険度の増加はみられなかった(Teratogenic(12th, 2007)、List2相当)との報告や、動物試験では妊娠モルモットに投与後、速やかに胎盤を通過し、胎仔の心臓、肝臓、脳で高濃度に見出された(HSDB(2003))との報告があるが、データ不足であり、性機能および生殖能、子の発生に対しする影響については分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(血液、神経系、心血管系)


危険
H370 P307+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ヒトで本物質治療後にメトヘモグロビン血症が報告され(IARC 57(1993))、特にヘテロ接合型のNADH・メトヘモグロビン還元酵素欠乏症の患者では重度のメトヘモグロビン血症になる可能性がある(HSDB(2003))との記載もあり、区分1(血液)とした。また、本物質は医薬品の局所麻酔剤として使用され、重大な副作用として、意識障害、振戦、けいれん等の中毒症状が記載され(医療用医薬品集(2010)、List1相当)、また、本物質クリーム剤の大量使用では皮膚吸収により現れる神経学的、精神医学的症状に対する注意の記述(HSDB(2003))もあり、区分1(神経系)とした。さらに、重大な副作用として、徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害を生じ、まれに心停止を来すことがある(医療用医薬品集(2010))と記載され、また、本物質の過剰量投与は心室細動による死亡をもたらし、大量投与では心停止を来す(HSDB(2003))との記述もあり、区分1(心血管系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系、心血管系、血液)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトで本物質治療後にメトヘモグロビン血症が報告され(IARC 57(1993))、特にヘテロ接合型のNADH・メトヘモグロビン還元酵素欠乏症の患者では重度のメトヘモグロビン血症になる可能性がある(HSDB(2003))との記載により、区分1(血液)とした
局所麻酔薬として使用される本物質は、過量投与では血中濃度の上昇に伴い、中毒症状が主に中枢神経系および心血管系の症状として現れる。初期症状として、不安、興奮、視覚障害、振戦、進行すると意識障害、全身痙攣、重篤な場合は呼吸停止を起こす。心血管系の症状として、血圧低下、心筋収縮力低下、心室性不整脈、循環虚脱、心停止などが記載されている(医療用医薬品集(2010))以上より、区分1(神経系、心血管系)とした。なお、本物質の塩酸塩2%溶液を幼児の歯肉に1日5~6回1週間塗っていたところ、1時間以内に2度の全身発作を起こした(HSDB(2003))こと、また、5歳の男児が2%溶液として本物質 7.5 mg/kg/doseを5日間投与された後、てんかん重積持続状態となった(HSDB(2003))ことなどが報告されている。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
-
-
- - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
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-
- - データなし。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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